特集 一眼デジタルカメラで写真を写そう


いまやカメラの世界はデジタルの時代になったといっても
過言ではないほど普及が著しい。
メーカーによってはフィルムカメラからの撤退や規模縮小の
動きも出ている。 カメラのデジタル化の波は思っているより
急速に進んでいるようだ。



一眼デジカメが広く普及するきっかけになったEOS10Dに
17-35 F2.8Lを取り付けたところ。
35mm換算で27-56mmとなるがCanonのLレンズはデジタルに
対応しているので、望遠側が足りないが標準ズームとして使える。


1.撮影する。

一眼デジカメで撮影と言ってもフィルムカメラと異なることは
ほとんどない。 しかし、画素数が多い機種ではピントやブレに敏感
なのでピント合わせは慎重にすることが大切だ。

a.レンズを選ぶ

ほとんどの一眼デジカメではこれまでの35mmカメラのレンズを使用できるが
撮像素子の面積がフィルムより小さいので画角の違いに注意が必要だ。
またメーカーによっては古いマニュアルフォーカスのレンズも
装着可能でこれまでのレンズ資産を生かすことができるが
逆光のときなどにに画像が低下する場合があるので事前に
テストしてみることが必要だ。



デジタル専用TAMRON 18-200を取り付けたところ。
35mm換算28-300として使うことができる。
撮像素子にホコリが着きやすい一眼デジカメではレンズ交換の回数が
少ない高倍率ズームの使用は有効である。

下図は実際の大きさとは違うが、これだけ、イメージ比が違うことがわかる。
Canonの一眼デジカメで採用されているAPS-Cサイズ撮像素子の場合
35mm用レンズの約1.5倍の焦点距離となる。
つまり、200mmレンズなら300mmレンズとなるということだ。
手持ちの200mm f2.8があこがれのサンニッパに大変身するが
これでは広角レンズのデフォルメを生かした表現には不利になる。
最近ではデジタル専用の超広角レンズが発売されて問題を解決している。

デジタル専用レンズと対応レンズの違い。
デジタル専用レンズはイメージサークルが撮像素子サイズに合わせてあるため
小型化されていて、デジタルに最適化された光学系を持っている。
これまでのフィルムカメラにも取り付けることはできるがイメージサークルが
小さいため使用すると四隅がケラレてしまう。

デジタル対応レンズはデジタルに最適化された光学系を持っているが
フィルムカメラにも使えるもので、抜けの良い描写期待できる。




b.設定を変更する。

一眼デジカメでもそのままの設定で撮影してはせっかくの
高画質が生かせない。 そこで下のように設定を変更しよう。
写真はCanon EOS10Dの例

  

記録画質はRAWにしよう。 現像パラメーターはPCの環境にもよるが
Adobe RGBあるいはsRGBに設定しよう。 
風景写真の場合はAdobeRGBが良いようだがこの場合はプリント
までのすべての機器が対応していないと効果がないようだ。
ホームページに使用するためなどでJPEG画像が必要な場合は
撮影時にRAW+JPEGを選ぶか現像後にJPEG書き出しを行う。

初めから小さいプリントしかしない場合やHP用に撮影する場合は
JPEGで撮影しても差し支えない。

RAWとは英語のロウつまり生ということで
撮像素子が感受した生の映像データーのことである。

2.撮影した画像を処理する。

RAWで撮影した写真はそのままでは画像にすることができ
ないので、現像ソフトを使って画像にしなければならない。
現像ソフトは、カメラメーカーが提供するソフトを使うか、
専用の現像ソフトを使う必要がある。 RAWデータはカメラ
ごとに異なっていて、メーカーが提供するソフトでは
他社のデーターの現像はできないことが多い。

  

RAWデーターを保存したフォルダーを開くと画像の一覧が
表示されるので、現像したい画像を選択すると簡単な調整が
できる画面が表示される。



別の画面を表示すれば、ヒストグラムを表示してレベル補正をすることができる。
ヒストグラムは露出の傾向をグラフ化したもので横軸が明るさを示していて
右にいくほど明るい成分をあらわしている。 上のグラフでは全体にアンダーな
露出であることを表している。 表現の意図にもよるがグラフが枠からはみ出さない
露出ならきれいなプリントをすることができる。

  

さらに、レタッチをする場合は画像処理ソフトを使う。
左の写真で左隅に人工物が写っていたのを筆で塗りつぶした。
このときペンタブがあると作業性が向上しきれいに仕上げることができる。

3.写真をプリントする。

処理をして出来上がった画像をプリントするにはPCに接続したプリンターを使うか、
CDなどに保存してデジタル対応のラボに持って行ってプリントしてもらう方法がある。
最近ではインターネットを利用してプリントするサービスもあり、用途によって選ぶことになる。

自宅でプリントする場合はPCに接続したプリンターを使用することになるが
価格と画質は正比例していると言っても良いので予算が許す限り
上級機種を選択するべきである。 現在インクジェットプリンター用の印画紙は
さまざまな種類が発売れていて、表現の意図によって選ぶ楽しみがある。

お店でプリントしてもらう場合は、信頼できる技術を持ったところを選ぶことが重要である。
 現像液の管理なども写真の画質に響く。




今や一眼デジカメの画質はフィルム写真に迫る。


もどる