特集 晩秋と初冬の裏磐梯

さる11月6日より3日間裏磐梯に行ってきました。
思わぬ寒波の到来で、本来なら紅葉真っ盛りの風景が展開する
はずでしたが、紅葉と初雪の混在した風景に遭遇してきました。


 写真1

雪をかぶった紅葉が湖面に映りこんでいた。
湖面の波によって映り方が変わっていく。


 写真2

名も無い沼に落ち葉が沈んでいた。
まさに晩秋のひとこまだ。


 写真3

葉を落とした唐松林の中に最後の緑が残っていた。
寒さに耐え必死に生きていた。


 写真4

波の立たない湖面に朝日が映りこんだ。
雲のグラデーションが美しい。


 写真5

薄氷が張った水面に対岸の紅葉が映り込んでいた。
これを友禅のイメージで撮影してみた。 色をさらに
強調するためフィルムの選定と露出の制御には特に気を配った。


 写真6

唐松の幹にカラフルなつるが巻きついていた。
赤と緑のコントラストがきれいだった。


 写真7

葉を落とす寸前の木にも雪は積もった。
この時期に見られる風景ではない。


 写真8

林の中を抜けて沼へ続く道は紅葉のじゅうたんが敷き詰められていた。
とても歩くことはできなかった。


 写真9

今にも雪が降り出しそうな空を見上げたら、すっかり葉を落とした
巨木の下に最後のもみじが残っていた。 巨木をもみじで飾ってみた。


 写真10

夕方になって日が差してきた。 岸辺の水草が西日を受けて
輝いていた。 氷が張った湖面との対比が美しい。


 写真11

氷結した湖面に雪が積もった。
ついこの間までは水草の緑で覆われていたのだろう。


 写真12

ところどころ、切れた雲から光が差し込んできた。
さざなみがたつ湖面にはそれが写り込んだ。


特別付録

写真の解説と撮影データ

写真1 曾原湖 キャノンEOS-1N+100-400 f11オート RVP
雪がやんで、雲が薄くなってあたりが明るくなってきたところである。
湖のいたるところでこのような映り込みを見ることができた。
もともと色が鮮やかだったので、あえて露出の補正は行っていない。

写真2 無名沼 キャノンEOS-1N+28-70 f8オート RVP手持ち
もみじが鮮やかなところがあって、撮影中に付近を歩いていて発見した。
遠くからみるときれいなもみじも近づくと葉っぱが痛んでいて、
撮影に耐えないものが多かった。 そういうときはこのような
遊びも必要だろう。

写真3 曾原湖近く キャノンEOS-1N+100-400 f5.6オート +0.5補正 RVP
ペンションは曾原湖の近くにあって、歩いていくことができる。
この写真を写したところはその途中の唐松林である。
緑色の葉はほとんど無くなってしまっていたが、何本かの低木には
このように葉が残っていた。 バックの唐松の並びが整然となる
位置とこの低木の位置関係をよく考えて撮影した。
なお、この露出では下の雪が飛んでいるが、低木の葉に露出を
あわせた。 この場合はこれで正解。

写真4 小野川湖畔 キャノンEOS-1N+17-35 f22オート -1補正 RVP
湖畔の庄助キャンプ場から撮影したものである。
真っ赤に焼ける朝焼けを期待して、撮影に行ったが、意に反して
雲が多い中での撮影だった。  しかし、このような雲が寒々とした
風景を感じさせてくれる。 PCの画面では雲が分かりにくいが
ポジではきれいに見えている。 こういう場面では思い切った
露出補正が作品のインパクトを高めてくれる。

写真5 無名沼 キャノンEOS−1N+100−400 f5.6オート −0.7補正 E100VS
沼の対岸の紅葉が西日を受けて真っ赤に染まっていた。
水面には対岸の紅葉が映り込み、まばらになった薄氷がきれいな
模様になっていた。 この部分はちょうど友禅のイメージで
撮影できると思い、赤をさらに強調するようにフィルムを選んだ。

写真6 曾原湖近く キャノンEOS-1N+100-400 f5.6オート RVP
写真3とほぼ同じところから撮影した写真である。 このようなつるも
いたる所で見ることができたが、最もきれいなつるがこれだった。

写真7 蔦沼の駐車場脇 ニコンF5+80-200 f8オート RVP
11月初旬とは思えない雪景色だった。 撮影中も積もった雪や
葉が落ちてきて、それを見ているだけでも楽しかった。
周りは一面の銀世界だった。 作品に力強さが出る位置に木の
幹を配置した。

写真8 上尾荘の裏 キャノンEOS-1N+17-35 f22オート RVP
ここはもみじがきれいなところである。  裏庭から森の中にある沼を一周して
くることができるが、これはその道である。 光が当たった方がきれいな色で
撮影できるので、雲が切れるのを待って撮影した。

写真9 曲沢沼のほとり キャノンEOS−1N+17-35 f5.6オート E100VS
この沼は落葉樹林に囲まれていて、このような大木がいたる所に見られる。
この撮影の時はほとんどの葉が落ちてしまっていて、このもみじが最後の葉だった。
大木にもみじがきれいに絡み合う位置を選んで撮影した。

写真10 写真5と同じ場所
キャノンEOS-1N+100-400 f11オート -0.3補正 EPR

沼の対岸が真っ赤に紅葉し、それが水面に写り込んでいた。
ちょうど西日があたってさらに鮮やかさが増したところを撮影した。
同じ場所でも使用するフィルムによってこれだけ色が違う。
トップページの写真はE100VSを使用。 撮影意図によって
フィルムを選ぶことも必要である。

写真11 蔦沼 キャノンEOS-1N+100-400 f16オート RVP
ここは夏は青と緑に彩られるところである。
しかし、雪が降っても青い感じの風景になる。

写真12 小野川湖 ニコンF5+80-200 F22オート RVP
小野川湖は裏磐梯の撮影名所である。
多くは近くの丘の上から湖畔の木立を狙うものである。
ここはそのポイントからすこしずれた所で、静かに撮影が
できる所である。  


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