●鰹節の基礎知識… ■鰹節に含まれる旨み成分! 鰹節にはイノシン酸が含まれています。 イノシン酸とは、かつおの体内にあるATPという物質が 酵素によって分解されたものです。 魚が死んだ後、ATPはイノシン酸に分解されていきます。 ですから釣りたてのマグロより1日おいた方が、旨みが 増すのも同じ理由です。 また、不思議なことに、昆布に含まれるグルタミン酸と 合わせることによって、旨みが7倍に増すことも、 実験によって実証されています。 昆布と鰹節で出し汁をとると言う意味も思わず、 理解できますね! ■鰹節は手間ひまかけた芸術品 春にとれた初鰹は、約半年かけて本枯れの鰹節に 加工されます。 生の鰹を切り分け→煮て→燻製にし→タールを削って形を整え →天日に乾してカビ付けをし→その作業を数回繰り返して 本枯れ節に仕上げていきます。 このようにして作られた鰹節は、生の鰹の6分の1大きさに なってしまいます。 鰹節は生の鰹と比べると約6分の1の大きさになります。 何ヶ月も手間暇かけて作る鰹節は、刺身を買うことを思えば、 決して高いものではないのです。 ■かおり”の決め手は、カビ付け! 天日乾しした裸節は、自然にアオカビが生えてきます。 そのあとまた天日に乾してカビを払い、これを何回か繰り返して いくと鰹節の水分が少なくなっていきます。 カビが内部の水分を吸い出し、乾燥してくるとアスペルギルス属という、 鰹節の香りに重要な役割を果たしてくれるカビがはえてきます。 また、カビの菌糸は脂肪分解酵素を分泌して、中性脂肪を分解し、 だし汁の透明度を高めます。 この優良カビを培養してその菌をつけるとおいしい鰹節ができます。 嫌われ者のカビも役に立つことがあるのです |