■イカの塩辛あれこれ…
今回はイカの塩辛を通して、その歴史や種類について
ご案内します。
●塩辛とは…
魚介類の筋肉や内臓などを塩漬けにし、腐敗を起こさないように
魚介類が本来持っている酵素や微生物の作用で熟成させ、
独特の風味やうま味を引き出した発酵食品です。
●塩辛はいつから…
平安時代にはアユの塩辛があったという文献の記録があるそうです。
その後、様々な魚介類の塩辛がつくられるようになり、塩辛という言葉は
江戸時代から登場します。
●塩辛の種類…
塩辛にはイカ塩辛、カツオの内蔵の塩辛(酒盗)、ウニ塩辛(粒うに、練りうに)、
ナマコの腸の塩辛(海鼠腸)、サケ・マスの腎臓の塩辛(めふん)、
アユの卵・精巣・内臓の塩辛(うるか)などがあります。
●全国の生産量…
平成10年の統計によると、塩辛は全国で約4万4千トン生産され、
代表的なものがイカ塩辛は塩辛全体の8割強(約3万7千トン)を占めています。
●キムチと塩辛ととうがらしの関係
キムチにはイカの塩辛が入り、旨みのもとになっています。
しかしながら、当初はキムチに塩辛を入れることができる
ようになったのは、とうがらしのおかげなのです。
とうがらしの成分であるカプサイシンの酸化防止作用で
塩辛の腐敗を抑えることができるようになり、イカの塩辛の
旨みのあるキムチが食べることができるのです。
皮肉なことにこのとうがらしを朝鮮半島に持ち込んだのが
豊臣秀吉の朝鮮出兵の日本軍だったのです。