Noko Kuze, Symphorosa Sipangkui, Titol Peter Malim, Henry Bernard, Laurentius N. Ambu and Shiro Kohshima. (2008) Reproductive parameters over a 37-year period of free-ranging female Borneo orangutans at Sepilok Orangutan Rehabilitation Centre. Primates 49, p126-134

タイトル:セピロク・オランウータン・リハビリテーションセンターにおける半野生の雌のボルネオ・オランウータンの37年間の繁殖パラメーター

要旨

ボルネオ島、マレーシア領サバ州のセピロク・オランウータン・リハビリテーションセンターで半野生の雌のボルネオ・オランウータンの繁殖パラメーターを調べた。1967年から2004年の間に14頭の雌が合計28頭のコドモを出産した。正確な出産間隔(次のコドモが産まれるまで、前のコドモが生存していた場合の出産間隔)は6年だった。これは今まで報告されている野生での値よりも短いが、飼育下での値とはよく似ている。ノン・バラメトリック生存分析(カプラン・メイヤー法)の結果も、セピロクの出産間隔がタンジュン・プティンの野生個体よりも短いことを示している。セピロクの乳児(0-3歳)死亡率は 57%であり、野生下・飼育下と比較しても非常に高い値である。出生性比は著しく雌に偏っていた−性別が判明している27頭中24頭が雌だった。平均初産年齢は11.6歳であり、野生下および飼育下よりも若い。高い乳児死亡率は人工保育と、給餌台付近での同種他個体との頻繁な接触によって病気への感染の危険が増したことが影響しているのかもしれない。若い初産年齢は、給餌台付近で他個体と出会う頻度が高いことが、野生下および飼育下よりも雄と出会う頻度を高くしていることが影響しているのかもしれない。給餌による母親の栄養状態の改善が、短い出産間隔をもたらしている可能性がある。雌に偏った出生性比は、トリバース・ウィラード仮説で説明されるかもしれない。給餌台付近での他個体との高頻度の出会いが、病気への感染の危険と社会的なストレスを増加させ、母親の健康状態の悪化を招くことで、雌に出生性比が偏よるのかもしれない。


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