The way to a trial



一団は山道を歩いていた。
道は険しい。
響子と由枝は学校指定の鞄を持ったまま歩いていた。
中身は勉強道具一式だ。
それでも息が切れない。
彼女たちの体力は底なしのようだった。
「あれ?イージェリン、大丈夫?」
真っ先に息が切れだしたのはイージェリンだった。
「はい、大丈夫、です。」
不安だな、と思った響子はイージェリンをいきなりおぶった。
「あの、御使い様!大丈夫ですから!」
「大丈夫、じゃないでしょう。響子、20分おきくらいに代わろう。」
「ありがとう、助かるわ。」
少女3人でそんなことを言い合っていると、ディックが口をはさんだ。
「別に俺達でもいいぞ?」
「何か大変なことが起こったら真っ先にどうにかしてもらわなきゃならないのに、姫君まで押しつけるわけにはいかないから。」
響子がしっかりと言った。
「お姉様、お兄様。」
イージェリンが寂しそうにつぶやいた。
「どうかしたか?」
由枝が聞くとイージェリンはぽとぽとと涙を流した。
「ごめんなさい、昔のお兄様とお姉様を思い出してしまって。わたくしが、巫女だからいけなかったのでしょうか。」
響子と由枝は2人同時にため息をついた。
「ええっと、あ、そうだ、イージェリン、巫女だから私たちは会えたんだ。そういう考え方はなしか?」
由枝がまごまご言葉を絞り出しつつ、話す。
「ありがとうございます。」
しばらく無言の山登りが続いた。
体力の消耗も防ぎたいからだ。
「ところでさ。」
響子がイージェリンを由枝の背中に譲りながら、口を開く。
「山越えて国境越えるんならわかるんだけど、何で山頂に向かってるの?」
「神聖な儀式があるからですよ。」
アリクシャーが刺々しく、響子と由枝をにらみながら言った。
「軍神様のご加護は、山頂の塔で得られます。御使いにちからと知恵をお与えになるのです。」
あのー、召喚されただけじゃダメなの?
由枝と響子は思わずアリクシャーをにらんだ。
アリックスは一瞬ひるんだが、咳払いをして言った。
「せいぜい役に立っていただかなくてはなりません。」
テストテストテスト。
紙に書かれた問題を解くテストなら慣れている。
だが、こういった特殊そうなテストは初めてだ。
先に模試でもしてほしいくらいだ。
最終地点には塔が建っていた。
古そうな建造物だ。
「試練ねぇ、ぶっちぎってやろうね!由枝ちゃん!」
「絶対思いっきりやってやる!」
響子と由枝は2人で塔に入った。
END





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*atogaki*
中途半端になる話で話がもたついています。
だいたい、塔でどんなちからを得られるのかも決めてないといういいかげんさ。
ほんと、つまらない追加ですみません。