黒い髪の少年は、本当に師匠が走りそうな街の中の中を歩いていた。
31日でも営業している掃除をしてくれる会社に頼んで、今は掃除の終わりを街角を歩きながら待っている。
少年は一人暮らしなのでおせちは買わない。
たいてい残すからだ。
ゆったり歩く。
暇なのでデパートにはいることにした。
いろいろな正月用品が並んでいる。
鏡餅は一個ですますつもりだ。
少年の家の和室には必ず床の間があるが、部屋が多すぎていちいち全部に餅を飾るのも面倒。
実は砂糖でできている鏡餅はちゃんと用意してある。
デパートでは正月らしい音楽が流れていた。
この間のクリスマスから一気にはやがわりしている。
イベントなんてそんなものかもしれないが。
何階かに上れば食器などを扱っている場所がある。
少年の家には時々10人を超す人間が集まるので食器は必需品なのだ。
それに食器は洗っているうちによく割れるので予備をストックしておくのもいいかもしれない。
ヘレンドやロイヤルコペンハーゲン、ジノリの食器でも買い込んでおけば大丈夫だろう。
少年はカップアンドソーサーの最高級品を見ることにした。
父親や義母たちが正月にきたら紅茶でもださねばならない。
少年の家柄は基本的に洋だ。
正月でも紅茶やコーヒーなのは当たり前。
さくらんぼがくっつきあっているカップアンドソーサーを見つけた。
これがよいだろう。
店員を呼ぶ。
デパートはややこしい構造になっているため少年はお金を出してから、ちらっとまたさくらんぼの食器を見た。
何となくダグラスとリオンを思い出す。
二人はなんだかんだいってもうまくいっている方だ。
二人ともどこかボケたとこがあるが、割れ鍋にとじぶた、でいいだろう。
いや、もしかしたら自分もボケているかもしれない。
全国模試ではまあベスト5に入るがそうは見えないとよく言われる。
この女顔がいけないのだろうか。
ちなみによく女の子と間違えられるため、早く変声期がきて欲しい。
「あ、アーク先輩!」
10歳くらいの少女が駆け寄ってきた。
「あ、エリィシアさん。何か買いに来たの?」
「はい、お正月用の着物を見に来ました。」
そういえばここ、着物とインテリアの階だっけ。
本当の金持ちは違うねえ。
少しづつドキドキしてくる。
「かわいいから、着物もきやすいでしょうね。」
「いえ、そんな。私、そんなに着物うまく着れないんです。髪がもとからうすい茶色ですし。」
エリィシア、そう呼ぶ声がした。
「お母様がが呼んでいますので行きますね。よいお年を。」
「よいお年を。」
エリィシアは走っていった。
・・・・ちょっともうけものだった。
ハッピーハッピーハピィ大晦日。
それから店員が来て商品とつりをもらった。
そのとき、携帯に電話がかかってきた。
「はい」
「お部屋のお掃除が終わりましたので報告します。」
「ありがとう。」
アークは携帯を切った。
さて、お昼だけ食べてから、家に帰るか。
アークは食器を持ちながら伸びをした。
END
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*atogaki*
大晦日にしてみました。
もしかしたら、両親と兄弟がくるかもしれませんが、基本は一人。
でも、ダグラスたちとメッセンジャーでしゃべってるかも。
食器は昨日悠希さんと見にいったので少しだけその要素が。
一時間ほどで書いた小話なので突っ込みどころは多いかと思いますが堪忍してちょ。