天空大陸上の都市ティカーノ。
そこにある国立アーガスティン大学の大学寮に三人の人間がいた。
デスクトップ型パソコンに向き合っていた黒い髪の少年が他の二人を見る。
「あのさ、フリスクもディトナもこんなところで卒業論文書きたがるの?」
大柄な青年が即答した。
「これ以上静かで集中できる場所がないからだ。」
「フリスクの言うとおり。私も勉強場所がない。図書館はうるさいから。」
深緑色の髪の青年が言った。
「よし、ディトナ、よく言った!」
少年はため息をついて、パソコンに向かった。
「ゼミの卒業条件の本を書いてるのに集中しきれないよ。自分で製本頼むところも探さなきゃならないし。」
「そういや、アークは魔法創造のゼミだったな。よかったら、俺の知ってる一冊出版やってくれるとこ紹介してやろうか?」
「あ、ありがと。また、教えて。さて、本の中身書かないと。すでに開発されている魔法は書けないし。」
そして、作業に戻る。
しばらくして。
「あー疲れた、やっと論文書いたぜ。」
フリスクがのびをしてから、パソコン画面を見た。
魔法の難易度の表示は基本的に魔法名の横につける星マークの数で決まる。
星が多いほど難しい。
「お、お前の魔法書星五個ばっかじゃねぇか。」
「本当。アークすごい。」
まだ卒業論文を書いている途中のはずのディトナも寄って来た。
「そりゃあ、空間魔法だらけだもん。大丈夫、とっときの技は書いてないから。」
アークも伸びをした。
肩がごきごきいっている。
「そもそも何でフリスクが製本方面に詳しいの?」
「妹がおとぎ話を書いて、しょっちゅう本にしてるからな。・・・俺がパシリにされて妹の原稿持ってってるからなぁ・・。」
「やるねぇ。で、ディトナ論文はいいの?」
「よくない。」
そう言ってディトナは作業に戻った。
「空間魔法の法則ってわりと難しいな。」
「少なくとも、フリスクには使えないだろうね。」
「言えてる。」
こんなことを言いながら、大学最後の仕事をする。
大学を卒業したら、???????????。
アークはそう思いつつ、作業を再開した。
END
back
atogaki
とりあえずアークの最後らへんの生活を書いてみました。
約束破りですがご容赦を。
アークのことだから厳しいゼミに入ったんだろうな・・・。