今日は鼻歌を歌っていられるほど、楽しい。
久しぶりに宿題も予復習もしなくていい。
これ以上いいことがあるだろうか。
鼻歌混じりでゲームをやっている。
とりあえずコンドルには会えたので隠しダンジョンだ。
なかなか手強い。
やはり隠しダンジョンともなるとレベルが違う。
あ、やば、やられそう。
その予想は当たった。
やられた。
でも、楽しい。
ピーンポーン
部屋のインターホンが鳴った。
誰だろ?
みんなそれなりに何もない日を楽しんでいるはずなのだが。
「警察です。すみませんが捜査に協力していただけませんか。」
要するに、捜査に協力しやがれ、協力を拒否したらすぐ退学にしてやる!ということだろう。
「はい、いいですよ。」
アークがドアを開けるとビルダーで体作りをしたような警官が二人立っていた。
「アークさん、ですな。」
「そうですけど。」
「今まで何を?」
何でプライベートなとこまで聞くんだよ。
僕は犯罪人か。
「別に。」
あっさりとアークは応えた。
「では、署の方に来ていただきましょう。」
むさい男二人と馬車に乗って警察署まで行った。
「ある組織を追っているんだが、なかなかガードが固くてね。君の出番、というわけだ。」
能書きはいいからさっさとしろ。
寮に帰ってさっさとゲームをやりたい。
「ちょっと右手首を見せてもらえるかな?」
アークは思わず警官をにらんだ。
本気で怖かったのかその場にいた警官は顔色を変えた。
殺し屋の貫禄でも見えたのだろうか。
どうでもいいが。
「構いませんよ。」
アークは右手首にいくつも付けていたブレスレットを外した。
最後のブレスレットを外す頃には、なぜブレスレットで手首を隠すのかがわかった。
右手首にバーコードの刺青が入っている。
自分で進んで付けた刺青ではない。
警察官は恐る恐るという言葉がぴったりなほどアークの右手首にバーコードのリーダーを当てた。
近くにあったコンピュータが動き出す。
「突破できた!やはり、これだったか。」
アークが生まれてしばらく育った孤児院に興味があったらしい。
全てのブレスレットを付け直す。
「もういいですか?」
ひんやりした声音で言うと、
「いいですよ、はい。すみませんでした。」
警官全員にぺこぺこされた。
アークは何とか迷子にならず署を後にした。
街に出ると、アークは早速迷子になった。
ここがどこだか全くわからない。
ふらふらしていると電気街にでた。
色鮮やかなコードやディプレイがならんでいる。
テキトーに見ていると。
いい物を見つけた。
やる気だったがまだ買ってない、レアなテレビゲームが。
アークは早速テレビゲームを買った。
結局。
いろいろごたごたしたが、鼻歌を歌いながら迷子のアークは歩いていった。
END
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*atogaki*
何気にアークの右手首の話です。
本当にすいません、右手首のこと書き忘れてて・・・・。
結局いいことがあったから、アークにとってもとんとんかな、と思ったり。
でも、バーコードの方が嫌だったかもしれませんが。