天空大陸上の都市ティカーノ。
そこにある中央図書館で黒い髪、濃い茶の瞳のの少年は本の背表紙を見ていた。
今回の課題の「天空大陸について」を書くための資料を探しているのだが、資料がない。
郷土史の一つもあっていいようなものだが、それもない。
「なんだ、お前もここに来たのか。」
大柄な青年にこえをかけられる。
「フリスクも探してるの?ここにはないよ。北館は?」
「全滅。南館にまわるか?」
「うん、こうなったら資料が見つかったら教えあうことにして、探そっか。」
「少なくとも東館には資料がない。」
いつの間にやら、美青年が立っていた。
「フリードリヒも?南館に期待する方がいいね。」
「あ、みんないる。」
棒読み口調の緑色の髪をした青年がやってくる。
「ディトナ!なんか資料見つかった?」
「違うことだけわかった。」
「違うこと?」
三人が同じタイミングで首を傾げる。
「毎年、同じ課題が出るんだけど、資料が全然ないから、みんな腹踊りやらドジョウすくいのレポート書いて提出してるんだって。先輩が言ってた。」
「そういえば授業の内容も憶測だらけだもんね。それで単位もらえるの?」
ディトナは深く頷いた。
「一番成績がよかった人は盆踊りについて書いたんだって。」
何ともいえない事態だ。
「腹踊りやドジョウすくい、盆踊りは資料があるよな・・・・。」
「ああ・・・・そうだな」
三人とも目が輝き出した。
レポートはわきにおいて、純粋に興味がある。
昔のパーティーではよくやられた芸だが、今はそんなことはしない。
よし、資料探すぞ!
四人はバラバラになって、資料を探し始めた。
結局四人の中で最優秀成績をとったのはアークで内容は「ネクタイを頭に巻いて騒ぐ集団ついて」だった。
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*atogaki*
史上稀に見る短さ!
ごめん!ほんとにこんなことしか思いつかなかったんだ!