XX月XY日
試しに備忘録じゃない日記をつけてみることにした。
よくわかんないけど、『感性豊か』になるらしい。
何日かつけてみて、つまんなかったらやめよっと。
今日は化学が最高にキツかった。
宿題が大量に出て、遊んでいる暇がなくなりそう。
何日か前にもらった置物から、盗聴器を見つけた。
っつーか誰だよ、こんなもん送り込んでくるの。
よーし、今度がんばって盗聴器贈りつけてやる。
XX月XZ日
今日はかなり終わってる一日だった。
かなりだるい。
誰かが、大学の構内には埋蔵金が埋まっているとか言い出して、
大学の土という土、全部掘り返しだして、なぜか飛び火してきたわけ。
だいたい、大学作るときに見つかるだろ、と思わないのかなー。
授業以外、僕ほとんどスコップ持って大学の地面掘ってたよ。
くそ、手足が痛いったら。
おかげで、盗聴器を仕入れる暇もなかった。
でまかせ野郎のバカーーーーー!
XX月XB日
昨日の重労働のせいで体が痛い。
ちぇー、くたびれもうけすぎ。
ディトナは微妙に痛そうだったけど、フリスクなんかピンピンしてるしさー。
何かこういう時って、ピンピンしてるヤツが憎らしいよね。
今日はちゃんと仕入れてきた。
盗聴器は(以下、詳しい機能説明)。
さて、これを何に仕掛けるか。
ワクワクしてくるね。
XX月XC日
今日は元気に過ごせた。
ひとけのない中庭で楽しく食事してたら、変な人が乱入してきてキレてた。
だって、僕が買ってきたおにぎりに毒針刺しやがったんだよ!?
すごいムカツクじゃん!
変な人を寄せてたのがフリスクだったから、フリスクの弁償してもらった。
おかげで昼休みが短かった気がする。
盗聴器は結局、腕時計に組み込んでやることにした。
腕時計代は、送ってきやがった置物を中古販売業者に売った金で済ませる。
あの業者、高級品なら何でも!だから扱いやすくていいね。
ちゃんと今日、送っておいた。
もちろん、プレゼント包装しておいてあげた。
XX月XD日
今日は日記書いてる暇がないのでここまで。
明日提出のレポートがあるのに、刺客が来て困ってる。
事後報告は明日。
XX月XE日
あー、昨日は最低だった。
レポートの提出が迫ってるときに刺客が来てさー・・。
思わずボコボコにしちゃったから、警察の事情聴取がやっかいだった。
警察署でレポート書く日が来るとは・・・ああ、最悪。
あの盗聴器、ちゃんと届いて使ってもらってるみたい。
今、ヘッドホン当ててるけど、よく聞こえるもん、内容が。
CHATでダグにあったときに話したら、正体わかったら教えろってさ。
スパイウエア仕掛けるみたい。
僕への火の粉が飛び火しないとも限らないし、いい対策だね。
きっっちり録音してるから、暗号化して送ろうかな。
XX月XF日
盗聴器送ってきたヤツが判明。
全然知らない人だった。
キャリアのステップアップのために仕掛けてきたらしい。
誰が踏み台になるか、このボケ。
ダグも成果があったらしい。
スパイウエアから送ってきた記録でなかなかヤバイのがあるから、警察に送るってさ。
軍にも送ってあげれば、って一応アドバイスしといた。
黒い髪、濃い茶色の髪の少年は、一冊の本を読み返してからため息をついた。
「アーク、どうしたんだ?日記、やっぱり書けないのか?」
テレビの近くに座っていた大柄な青年が、ニヤっと笑った。
「んー、まあそんな感じ。読み返してもつまんない。面倒だしやめとくよ。よくこんな面倒なもの、フリスクは書いてられたね。」
「まともに書けば、天才少年の日記とかいって売りだせるぞ。」
「ヤだよ、そんなの。僕はエッセイストになるつもりはないっ!」
こうして、XX月XG日の夜は更けていった。
END
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*atogaki*
久しぶりに書いた、オリジナル小説。
何となく日記ネタ。
いかがでしょう?いかにも日常!!!ってカンジで。