更新情報 | ブログ | トピックス | 県政研究 | 一問一答 | 活動報告 | 議会質問検索 | これまでの記事

長崎県議・野本三雄の『長崎 夢、確かなカタチに!』

一問一答

2013年 9月

軍艦島が世界遺産になるのですか?

県民の質問
世界遺産登録への推薦に「長崎教会群」が漏れ、「軍艦島」が推薦されたと聞きました。長崎教会群はもう世界遺産にならないのですか?
野本の回答
世界遺産の登録には長い準備と手続きが必要で、大まかに言うと(1)日本の登録推薦候補である「暫定リスト」に登録する、(2)地元の準備作業、(3)国によるユニセフへの推薦(年1件)、(4)国際記念物遺産会議(イコモス)による調査、(5)イコモスの勧告、(6)ユニセフの世界遺産委員会での審議(年1回)…と続きます。
「長崎教会群」も既に(1)(2)の段階で、今回(3)の段階に進んだのが「明治日本の産業革命遺産」です。「長崎教会群」は今回は残念でしたが、良いところまで進んでいたようで、次回の推薦が期待されます。
「明治日本の産業革命遺産」には、当初含まれていなかった「岩手県釜石市」「静岡県国市」が含まれていますが、今回の決定には東北の震災復興の意味合いも含まれていたのかもしれません。
8県にまたがる「明治日本の産業革命遺産」28資産に含まれる長崎の施設は、小菅修船場跡・長崎造船所第三船渠・長崎造船所旧木型場・長崎造船所ジャイアントカンチレバークレーン・長崎造船所占勝閣・高島炭坑・端島炭坑(軍艦島)の7資産です。イコモスの調査を受け、ユニセフの審査を受けるまであと二年弱、他の地域との連携をとりながら進め、その後の維持管理につなげていく過程も大変な作業になるでしょう。
またその過程を経験することは、2県にまたがる「長崎教会群」の推薦登録作業にも大いに資するに違いありません。どちらの関係者も誇りをもって頑張っていただきたいものです。
県民の質問
「明治日本の産業革命遺産」はもう世界遺産に登録されることが決まったのですか?
野本の回答
現在は日本政府が正式版の推薦書を作成し、来年2月1日までに提出するという段階です。これを受けて、国際的な専門機関である国際記念物遺産会議(イコモス)が一年半ほどかけて調査を行います。調査結果は勧告として提出され、それを踏まえてユニセフで審査され、世界遺産として登録されるかどうかが決まるのです。
イコモス勧告には(1)登録(2)情報照会(3)登録延期(4)不登録の四種があり、(1)登録勧告後にユネスコで登録が拒否されたことはありません。(2)情報照会は世界遺産としての価値は認めるが追加情報が必要だと判断された状態です。次回以降の審議が勧められます。
(3)登録延期はさらに厳しい状況で、世界遺産としての価値やコンセプト自体に疑問が示された場合です。一般には登録延期後、準備しなおして登録勧告に進むケースは少ないとされますが、平泉は逆転勝ちした稀有な例となりました。
(4)不登録は更に厳しく、登録NGとされたもので、実は今年の富士山登録の影で、鎌倉がこの不登録勧告を受けました。イコモスの不登録勧告のあと、そのままユネスコの審議に委ねて「不登録」と判断された場合、二度と推薦することができなくなってしまうため、日本はユネスコの会議前に推薦を取り下げています。
「明治日本の産業革命遺産」は日本が自信を持って推薦する資産群ですが、これからイコモスの厳しい審査を受けることになります。地元の受け入れ状況も大きなポイントとなりますので、皆さん心して対応したいものです。
県民の質問
登録延期や不登録の勧告を受けた理由はどういうことだったのでしょうか?
野本の回答
平泉の登録延期勧告の理由は、浄土思想の伝わりにくさにありました。浄土思想は日本人にはなじみが深いが、欧米人には仏教の一派としか映らないのです。日本語の論理で書いたものを英訳しても、国際社会では半分くらいしか伝わらないので、国際基準に合った論理で推薦書を書くことが必要になります。
平泉は勧告後、「浄土思想」が西洋の価値観にも訴えるように資産を絞り周辺地域を整備しています。コンセプトをより明確にすることで登録を勝ち取ったのです。
鎌倉の不登録勧告の理由の一つは、神奈川県鎌倉市内などでの景観や環境を保護する緩衝地帯(バッファゾーン)での建物の高さについて景観保存が不十分とされています。周辺住民がイコモスの調査時に建設反対ののぼりを掲げるなど、景観論争が巻き起こっていたようです。
鎌倉では今後、景観づくりの在り方を含め、以後の登録への挑戦が議論されそうですが、長崎でも同様の課題は出てきそうなので、しっかり詰めた準備をする必要がありますね。
一問一答
毎月1日に更新しています。
県民の皆さまにいただいたご意見・ご質問を、私が調べたり、関係部署に問い合わせてお答えしています。
一級建築士としての野本三雄にご質問をいただくこともございます。
皆さまのお声をお待ちしています!
▼過去の一問一答を読む

更新情報 | ブログ | トピックス | 県政研究 | 一問一答 | 活動報告 | 議会質問検索 | これまでの記事