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長崎県議・野本三雄の『長崎 夢、確かなカタチに!』

今月のトピックス

2011年 11月

タイの水害はひとごとではない

タイ中部アユタヤ・車が水没したホンダの自動車工場(読売新聞)

被害のニュースが刻々と深刻度を増し、タイの水害が日本の経済に及ぼす影響は推測さえ出来ない状況だ。自動車メーカーにとっては、東北大震災の被害を超える恐れもあるらしい。10月末の大潮では最悪の事態は免れたようだが、なぜここまでの被害が発生してしまったのだろうか。

タイは日本とともに、アジアで他国の侵略を受けなかった国だ。『微笑みの国』と呼ばれる通り人々の性状も穏やかで、ここ数年政治的な対立は見られたものの、安定した国情の国である。タイ王室は日本の公室と深い親交があり、皇太子殿下が雅子妃と婚約される以前、タイ王室の姫君が御妃候補に挙がっていたことをご記憶の方もあるだろう。

タイの労働者の気質もまた日本のそれに近く、温和で勤勉、製品は質が高い。他のアジア諸国に比べると若干人件費は割高になるが、それでも安定した品質と供給が約束された生産地として評価が高く、日本から多くの企業が進出していた。東北大震災後に移転して行った企業もある。被害は未だ計り知れない。

タイの気候は3-5月の暑期、6-10月の雨期、11-2月の乾期からなるが、今年の雨期はまさに想定外の雨量で、年間の雨量が既に昨年一年間の雨量の1.5倍にもなるようだ。タイ北部は森林の多い山地だが違法伐採のために保水力が低下しており、東北部のイサーンと呼ばれる不毛な地域は保水力のない土壌で長年灌漑に苦労している。大量の雨はさえぎる物なく中央平野に流れ込んでしまった。

もちろんダムや運河はあったが浚渫されておらず、貯水量や流水量が落ちていた。しかも昨年の乾期が水不足だったのに懲りて今年は放水量を抑えており、予想外の貯水量の増加に慌てて一斉に放水してしまったのだが、遊水地であるべき場所にまで宅地造成されていたため、水の逃がしようが無く洪水を引き起こすことになった。

日本で頻繁にニュースを見るようになったのが最近なので、水害は9月か10月に起こったような印象だが、実は7月には既に洪水が発生していた。その7月に選挙があり、8月に首相に着任したばかりなのがインラック女史だから、着任以来ずっと災害対応を求められ続けているあたりは、本邦の首相と同じような立場だと言える。

即時対応と結果を求められるのは気の毒と言えなくもないが、それに応えるべく首相となられたのだ。政府の対応が遅い、首相は無能だという声が湧き、本来温和な民に怒りがくすぶっているのも、タイの話だとばかりは言っていられない。

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