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長崎県議・野本三雄の『長崎 夢、確かなカタチに!』

県政研究

2011年 7月

玄海原発特集2・玄海原発の危険性について考える

休止中の玄海原発2、3号機が運転再開の見込み

佐賀県の古川知事が、玄海原発2、3号機の運転再開を容認する見込みだ。再開すれば、東京電力福島第一原発の事故後、検査で停止している原発では全国初となる。6月末に佐賀県を訪れた海江田経産相が「玄海2、3号機の安全性には国が責任を持つ」と再開に理解を求め、会談後知事は「安全性の確認はクリアできた」と語ったそうだ。

佐賀県も玄海町も再開には前向きで、隣接する唐津市で大きな反対運動が起きていても歯止めにはならないらしい。原発から10キロ圏内に位置する長崎県の鷹島や、事故が起きた場合に大きな被害が予測される福岡市・北九州市などで、大々的に反対の声が上がっているが効果は推して知るべしといったところだ。

本当に怖いのは稼働中の1号機らしい

玄海原発は現在、1、4号機が稼働中だ。2、3号機は定期点検のため休止しており、点検が終了したら当然運転を再開する予定であった。そこに福島原発の事故が発生して住民の理解が得られなくなり、各地の原発で定期点検明けの原子炉が運転を再開できなくなってしまった。

冷静に考えてみると、安全点検の終わった原子炉が稼働できず、稼働を止めて点検したい原子炉を無理に使っている状況だ。特に、玄海原発に関しては、現在稼働している1号機が実は一番危険だと言われているのだ。私は2、3号機の運転再開を反対し続けるより、まず2号機を稼働して1号機を停止することから始めるべきではないかと考える。同じく停止中の3号機については後述する。

なぜ1号機が危険なのか。週刊現代(7月2日号)で、井野博満・東大名誉教授(金属材料学)が警告している。現在稼働中の玄海原発1号機は「中性子照射脆化」という現象によって、原子炉の圧力容器が壊れ、爆発する危険が高いというのだ。

圧力容器の「中性子照射脆化」とは、原発の老朽化を測る重要な指標である。原子炉内で核分裂が起きると、炉内に発生した中性子が圧力容器の内壁にぶつかり金属にダメージを与えるが、年月が経つにつれてこれが圧力容器を脆くしてしまうことを、中性子照射脆化と呼ぶ。

脆化=劣化するとどうなるか。中性子線によって金属の柔軟性・弾力性が失われて、硬くもろくなるらしい。人間の動脈硬化と同じ理屈だ。金属の劣化が進むと、「ある温度」より低くなるとまるで陶磁器が割れるように小さな力であっさりと割れてしまうようになるのだが、玄海原発1号機は今や日本一老朽化が進んだ原子炉だと言われているのだ。

この温度を脆性遷移温度と言うが、通常、鋼の脆性遷移温度はマイナス20度くらいで、それより温度を下げると割れる危険がある。中性子線を浴びることによって老化した鋼はこの温度がだんだんと上昇していき危険性が増す。玄海原発1号機の場合、この温度がなんと98度にまでなっているというのだ。老朽化が問題になっている福井県の美浜原発でも、1号機は81度、2号機が78度なのにである。

東日本大震災の際、原発でとられた安全措置について思い出していただきたい。緊急炉心冷却装置が作動し、圧力容器を冷やすことが肝心だったわけだが、老化した原子炉ではこの「冷やす」という必要不可欠な操作自体がそのまま危険を招くことになる。

3号機はプルサーマルの廃止を考えたい

休止中の3号機は日本初のプルサーマル発電を2009年から実施している。プルサーマルではMOX燃料(ウランと毒性の高いプルトニウムの混合酸化物)を軽水炉で核分裂させるため、通常の原発よりも事故を起こしやすく、事故が起こった場合の被害も大きくなると考えられている。トピックスで取り上げたシミュレーションをご覧頂きたい。

昨年12月、九州電力はヨウ素濃度が上昇した3号機を手動停止し、定期検査を前倒しする異例の措置に踏み切った。1次冷却水のヨウ素濃度がこれまでの平均値の4倍に上昇し、燃料棒に穴が生じ放射性物質の漏洩が確認されたためである。

定期点検で徹底した調査が行われたと信じたいが、プルサーマル第一号機ということで手さぐり状態の面もありそうだ。ウランを使った発電に戻すということができるのかどうかは専門家に伺いたいところだが、プルサーマルの利用そのものを見直すべきだと考える。

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