更新情報 | ブログ | トピックス | 県政研究 | 一問一答 | 活動報告 | 議会質問検索 | これまでの記事

長崎県議・野本三雄の『長崎 夢、確かなカタチに!』

県政研究

2008年 12月

日本一を目指す!長崎県のマグロ養殖
クロマグロ安定供給の夢をかなえよう

天然クロマグロをめぐる現状

先月(2008年11月)17日から24日まで、モロッコのマラケシュで大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)第16回年次会合が開催され、大西洋におけるマグロ類の保存管理措置について取り決めが行われた。地中海など東太平洋でのクロマグロの漁獲枠が2009年は当初計画より2割、2011年は3割削減されることになった。今後、食卓に上るマグロはますます高級品となるかもしれない。

世界的なマグロの需要増大に加え、原油価格高騰・漁船燃料高騰による出漁のコスト増、マグロ減少による漁場の遠距離化、出漁に対する成果の低下も重なり、価格高騰に拍車を掛けている。

一方、世界中でマグロが乱獲され、国際的な資源保護が叫ばれている。絶滅が危惧される生物を記載したIUCNレッドリストには、ミナミマグロが絶滅危惧種とされるなど、マグロ8種のうち5種が記載されている。過激な保護活動を行う環境団体には、クジラ同様、マグロ漁禁止を求める強硬派もいるそうだ。

養殖マグロの需要と技術開発

マグロ価格高騰と天然物の漁獲量低下を受けて、養殖マグロの需要は飛躍的に増加している。低コスト化・安全性向上の他、トロの割合を多くし価値を高める研究も行われている。

「養殖マグロ」とひとくちにいうが、幼魚を採捕してきて育てる「養殖」はほとんど日本でしか行われていない。若魚を取ってきて短期間給餌し脂をのせる「蓄養」は世界的に行われているが、結局は乱獲につながるということで地中海などでは制限が設けられた。

こうした中、近畿大学は、養殖したマグロが卵を産んでさらにそれを育てる「完全養殖」を30年かけて成功させている。まだ量産できるレベルではないが、安定供給を考える上で、こうした技術開発に取り組んでいくことは是非とも必要である。

長崎県マグロ養殖振興プラン

長崎県では1969年に幼魚の飼育実験に取組み始めていたが、これらの情勢を受けて1994年から本格的にマグロ養殖技術の開発に取り組み、2002〜07年の5年間では生産量4.3倍・生産金額5.7倍の実績をあげてきた。県別の養殖マグロ生産量では鹿児島に次ぐ第2位となっている。

今年春には『長崎県マグロ養殖振興プラン』が公表された。2013年までに「マグロ養殖日本一の県」になるというものだ。他県にない恵まれた自然的・地理的条件と、これまでに培ってきた養殖技術を最大限に活かして、関係団体との連携を強化しながら、養殖マグロの年間生産量を500トンから4倍増の2000トンに増産するという。加えて、ブランド化等による販路拡大や観光資源としての開発をも視野に入れた計画となっている。

この9月には漁業権の一斉切替えを契機として、大手商社2社を含む多数の新規参入を得た。東洋冷蔵・双日の2社を合わせると日本の輸入マグロ量の過半数を取扱っているといわれており、地元漁協への寄与はもちろん、長崎県の養殖マグロ全体の販路拡大につながるものとして、大いに期待できる。

長崎県のマグロ養殖の未来

長崎県の水産業の未来にとって、マグロ養殖は明るい希望の星であることは間違いない。県はマグロ養殖に取り組む業者に積極的な技術供与・支援を行うことにしているが、そこに忘れてならないポイントを、2つ上げておきたい。

まず、マグロの資源保護の研究に積極的に協力していくこと。蓄養場に対する制限など、環境保護の観点から汚点をつけてはなるまい。生産流通技術の向上とともに、世界に誇れる環境技術を合わせ持ったマグロ養殖立県を志すべきであろう。

更に、完全養殖技術など、先進養殖技術に積極的に取り組むこと。完全養殖技術・飼育技術・飼料生産技術・流通技術など、マグロ養殖に関わる技術は日進月歩、遅れをとるとせっかくの地の利があっという間に無駄になってしまう。いつも一歩前に立つことを心がけておきたい。

県政研究
毎月1日に更新しています。
県議会や委員会で質問した内容のほか、さまざまな県政に関する課題を検討しています。
皆さまのお声を、ぜひお寄せください。
▼過去の県政研究を読む

更新情報 | ブログ | トピックス | 県政研究 | 一問一答 | 活動報告 | 議会質問検索 | これまでの記事