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長崎県議・野本三雄の『長崎 夢、確かなカタチに!』

県政研究

2008年 11月

長崎県の農林行政をチェックするための3つの視点
@農政ビジョン、A耕作放棄地解消、B害獣対策

私・野本三雄が農林水産委員会に席を置くようになって、早くも半年が経過した。その短い間にも、穀物価格の高騰や食の安全に関する事件の多発など、農林業を取り巻く環境は大きく変化しており、県の農林行政の課題は山積している。
今回はそれらの課題のうち、特にご注目いただきたい3点についてご紹介する。

(1)「長崎県農政ビジョン後期計画」の取り組みについて

今年度は、長崎県農政ビジョン後期計画策定後2ヵ年が経過し、5ヵ年計画の中間年に当る。県は平成22年度までの数値目標を掲げ、毎年度その進捗を評価、検証している。

特定農業団体等への組織化や認定農業者の育成、和牛繁殖経営の規模拡大などにおいては評価しうる成果が出ているようだが、一部は年次目標を下回っており、燃油や飼料の高騰といった国際的な環境の変化が大きく影響してきている。県民のみなさまにも、この計画の進捗をひとつの指標として、今後の県の農政にご注目いただきたい。

なお計画では本年度、耕作放棄地の解消、繁殖雌牛の導入等による長崎和牛の産地強化、優良品種への改植等による日本一のびわ産地の再生、の3つが重点項目とされている。このうちの県全体にかかわるテーマである耕作放棄地の解消と、もうひとつ、全国的な問題となっている鳥獣被害対策について、以下に取り上げておきたい。

(2) 耕作放棄地対策について

本県では、耕地面積の27.1%、13,000ヘクタールが耕作放棄されており、全国平均の9.7%を大きく超え、都道府県別では最下位となってしまっている。耕作放棄は、農業生産の低下を招くだけではなく、病害虫の発生源・イノシシの棲家となり、ふるさとの自然環境を破壊し、災害の発生をもたらすといわれている。

また、最近、世界的に食料需給体制は逼迫して穀物価格が高騰する一方、食の安全を脅かす問題が続き安全で安定的な食糧生産が求められている。食料自給率39%のわが国では安定的な食料生産を確立するためにも、耕作放棄地解消は急務となっている。

長崎県では、既に全国に先駆けて平成19年度から「耕作放棄地解消5ヵ年計画実践事業」を実施していた。各市町で農業委員会が行った実態調査を踏まえ、今後活用すべき農地を選定して計画を策定、5年間で約1,200ヘクタール、毎年度250ヘクタールを目標に解消を図っており、初年度は各地の地元関係者の多大なご尽力により、ほぼ目標を達成できている。

県に遅れること一年、国の耕作放棄地対策も強化されてきた。平成20年度は「耕作放棄地全体調査」として一筆ごとの調査が行われる。国のスケジュールでは、今年5月から10月にかけて市町村・農業委員会が調査を実施し県全体の集計を12月に行うとなっており、最終集計までにはまだ、相当の期間がかかるとしている。

詳細な国の調査結果は、県の調査との間に違いを生ずるかもしれない。前述の数値を見てもわかるように、県の13,000ヘクタールの耕作放棄地のうち、5カ年計画で解消の目標とされたのは1,200ヘクタール、1割に満たないのであるが、この目標設定がそもそも正しかったのか否かを含めて、国の調査結果を検証する必要があるだろう。

(3)鳥獣被害状況と今後の対策について

全国的な傾向でもあるが、県下各地においてイノシシをはじめとする野生鳥獣による被害の増加を訴える声が大きくなっている。

イノシシの被害は毎年3億円を超えていたため、平成19年度には忍び返し付きワイヤーメッシュ柵の設置による防護対策等被害防止対策を強化し、被害額が2億1,000万円と前年度より約1億7,000万円減少し、今年度も継続して対応している。また対馬のシカについては、昭和63年度から駆除への補助等の林木被害防止対策がなされてきたが、近年再び増加傾向にあるため、本年度は駆除頭数の補助枠を拡大し、対策を強化している。

これら従来からの対策は継続して行っていく必要があるが、さらに、鳥獣被害対策の今後の対応についても考えておかなくてはならない。

たとえば、害獣駆除の際に力を発揮するのは地域の猟友会メンバーであるが、近年高齢化が深刻になっているそうだ。野山を分け入り、ルールを守りつつ危険を冒して猟をするということに、現代の若者は魅力を感じない。高齢化したハンターたちは、駆除した害獣を山から運び出すこともままならず、多くは地中に埋めてしまうと聞いたが、その穴を掘るのもかなりの重労働のはずである。

害獣の食用化・利益の出る駆除の仕組みづくりなど、地球温暖化の進行に伴う環境の変化を見越し、今後の駆除の在り方を長期的な展望で考えなくてはならない。

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