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長崎県議・野本三雄の『長崎 夢、確かなカタチに!』

県政研究

2008年 10月

『県庁舎整備について県民の声を聞く会』資料を読む
開示された情報を吟味して県民合意のもとにまちづくりに取り組もう

狭隘で老朽化した長崎県庁舎・警察本部庁舎 (写真左:警察本部庁舎の狭隘な執務スペース/写真右:県庁舎のひび割れた天井)

私・野本三雄は県議会議員として、長年、県庁舎整備問題についての議論に参加してきた。それが22年間にも及ぶが故に、当初からの議論を実際に体験した数少ない議員のひとりとなってしまった。

この問題にようやく決着がつこうとしている今、県民の皆さまに長年積み重ねられてきた議論の経緯をご説明し、長すぎた助走期間をいよいよ踏切り板にのせ、今後の長崎県の飛躍につなげることは、私に課せられた使命であると考えている。

『県庁舎整備について県民の声を聞く会』資料について

長崎県は、県庁舎移転について諮問するため、本年(2008年)7月12日、『県庁舎整備懇話会』を設置した。同懇話会では、県内の各界各層の方々や専門家、地元の商店街、自治会の関係者、さらには県民からの公募委員など総勢37人の委員で構成され、県庁舎整備の方向性・規模・機能等について議論されている。

また、県議会では、広く地域住民の皆さまのご意見を聴くため、県内5地域(大村市・島原市・長崎市・五島市・佐世保市)で、『県庁舎整備について県民の声を聴く会』を開催した。参加者は公募された20歳以上の県民で、ここで出された意見は県議会の検討組織での議論に反映させることになっている。

長崎県がこれらの開催に際して用意した資料は、データを詳細に開示した上で、絵・写真を多用し非常にわかりやすいものになっている。長崎県のホームページで公開されているものであるが、以下にその内容をご紹介したいと思う。

1・県庁舎が抱える課題

なぜ県庁舎を建て替える必要があるのか。資料ではまず、現県庁舎・警察本部庁舎(以下”県庁舎”と略す)が抱える課題を提示している。

第一に、分散化・狭隘化・老朽化の問題。この点については一度でも県庁舎を訪れた経験がある方なら、異論はないものと思う。資料では詳細なデータに加え、県庁舎14棟・警察本部庁舎7棟にも分散する様子を地図で示し、狭隘な執務スペースや老朽化しひび割れた壁面などの写真を掲載し、その解決策として県庁舎の整備が長く議論されてきた経緯を詳細に紹介している。

第二に、防災機能の確保の問題。「長崎は地震がない」という意識は根強かったが、同じく地震がないと思われてきた阪神地区や福岡での地震被害を見て、大きく変化してきている。資料では、現県庁舎の抱える耐震性の欠陥を詳細に検証しているほか、阪神・淡路大震災に際して県庁舎や警察本部庁舎が果たした役割を紹介し、防災拠点としての整備の必要性を強く訴えている。

(資料リンク→長崎県ホームページ・第1回県庁舎整備懇話会 平成20年7月12日(土)開催

2・県庁舎の整備方法

県庁舎を整備する方法として考えられる3つのパターンを検証し、結論として魚市跡地での新築が選択された経緯を紹介している。

第一に、現庁舎に耐震改修を施すという方法について。補修時にかかる一時的な費用が135億円で済むという利点はある。しかし、補強材によって県庁舎内部の狭隘化がより深刻になるため、分散化はさらに進むことになり、年間約2億円の経費が上乗せされる。更に、補修しても耐用年数(65年と推計)が延びるわけではないので、築55年を経過している現庁舎は、10〜15年後には再び建替えを検討しなくてはならないことを示している。

第二に、現在地での建替えという方法について。現在地は敷地が狭いため、現庁舎の抱える狭隘化・分散化の問題点は解決できない。更に、現庁舎を取り壊し、建設期間中に民間ビルを借り上げるか、またはプレハブ庁舎を建築して一時的に引っ越し、現在の場所に県庁舎を新築して戻ることになるので、新庁舎の建築費用のほかに借上げまたはプレハブ建築の費用74〜83億円が発生することを解説している。

第三に、魚市跡地に新築する方法について。候補地として魚市跡地が選定された理由は、上記「1・県庁舎が抱える課題」の資料で紹介されたこれまでの議論の経緯の中で、10項目にわたって紹介されている。ここでは、魚市跡地の整備の経緯と、長崎駅周辺地区全体で進行しているまちづくり事業の進捗を紹介するとともに、魚市跡地に関する防災上の詳細な検討データが示されていて興味深い。

(資料リンク→長崎県ホームページ・第3回県庁舎整備懇話会 平成20年9月1日(月)開催

3・県庁整備検討にあたっての背景等

@財政の苦しい今、県庁舎新築は後の世代に借金を残すことになるのではないか、A道州制が実現したら県庁舎は要らないのではないか、B学校の耐震化工事を先にすべきではないか、といった疑問に答え、C現在地の利用方法として出島周辺のまちづくりと連動する施設を置くべきではないかという意見を紹介している。

長崎県の財政状況は、お世辞にも余裕があるとは言い難い。何よりも、他県に比べて自前の収入が少ないという弱点がある。しかし過大な借金もないので、公債費による財政負担の度合いを示す「実質公債費比率」は平成19年度で全国第5位、九州ではトップの良好な数値を誇っている。

財政の健全性という点ではやりくりの成果が出ているということであり、苦しい財政状況の中で捻出してきた「県庁舎建設整備基金」は既に368億円が積み立てられている。これを活用することにより、今後も健全性を保ちながら、県庁舎を整備することが可能であると結論付けている。

それでも疑問が残る方へ

県庁舎問題に反対される方の中には、「最初に決定事項ありきではないか」とおっしゃる方がある。確かに、県も県議会もマスコミも、そして私自身も、これまでの議論の経緯をその時々に県民の皆さまに周知徹底し、ご意見をうかがうという努力が足りなかったことは反省しなければならない。

しかし、今現在寄せられる疑問や反対意見をみると、これまで詳細にひとつひとつ調査し議論した上で、結果として選ばれなかった選択肢の一つである場合が多いことも事実である。

まず、疑問に思われた点に関する議論がどのようになされていたのかを、この資料でご確認いただきたい。かなりの部分、解決できるのではないかと思う。その上で、なお生じる疑問やご意見については、これからもどんどんお寄せいただきたいと考えてる。

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県議会や委員会で質問した内容のほか、さまざまな県政に関する課題を検討しています。
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