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長崎県議・野本三雄の『長崎 夢、確かなカタチに!』

県政研究

2008年 9月

長崎県庁舎移転整備問題について、7月議会で徹底質問(2)
耐震補強?現在地での建替え?なぜ移転新築なのかを考える

7月の長崎県議会本会議で、野本三雄は「県庁舎整備の問題について」と題する一般質問を行った。先月号の県政研究で、この質問の前半をご紹介しているが、今回はその後半をご紹介する。

抜粋・要約などはすべて野本に文責がある。詳細については県議会のオンライン中継録画、または議事録(次回の本会議直前に掲載される)を参照していただきたい。
         * * * * *
前号の内容『長崎県庁舎移転整備問題について、7月議会で徹底質問(1)』
[1]県庁舎問題の経過について
[2]県庁舎の現状と課題について
[3]地震対策の重要性と県庁舎・警察本部庁舎の問題について

[4]耐震改修の方法、改修の可能性について

私は基本的な庁舎の問題を解決し、長崎のまちづくりの核とするためには新築移転をすべきと考えるが、県民の中には、県庁舎・警察本部庁舎の課題を、耐震改修によって解決できないのかという意見もあるので、以下を確認したい。

・耐震改修の基準はどうなっているのか
・現庁舎にはどのような耐震改修の手法が想定されるか
・改修による効果や影響をどのように認識しているのか

知事答弁要旨:
・耐震改修の基準〜前回記事[3]で述べたとおり、構造耐震指標が0.9以上となることが求められている。
・耐震改修の手法〜建物の外部に新たに柱や梁を建設して既存の建物を支える方法や、建物内部の柱と梁で囲まれた空間に補強ブレスと呼ばれる鉄骨の筋交いを取り付ける方法などが考えられる。
・耐震改修の効果や影響〜補強ブレスを多数取り付ける必要があり、低層階ではほとんど全ての柱・梁に設置が必要なため、執務室としての使用は困難になる。
 このため、2月に示した耐震改修試算では国の基準より1ランク低い基準で概略設計しており、防災拠点施設としての機能に不安がある。
 加えて、本館6階部分の撤去や執務室スペースの減少により新たな借上げが必要となり、分散化の進行と新たに毎年1億3千万円の経費の増加が生じるほか、耐震補強を行っても建物自体の耐用年数が延びるわけではないことから、近いうちに建て替えを検討する必要がある、などの影響が考えられる。

[5]現在地建て替えについて

次の選択肢として、現在地での建替えの可能性がある。
平成9年当時も議論されており、「現在地は土地が狭隘で、新庁舎建設にあたり仮庁舎が必要なために、執務環境や行政サービスの低下を招くことになるので適当ではない。」と検討結果が報告され、前知事が「長崎魚市跡地が最適である」と表明されている。知事表明の際には、当然現在地建替えも検討されているはずなので、以下の点について確認したい。

・平成9年当時の検討の経過と、現在地建替えとしなかった理由
・現時点において現在地建替えについてどのように考えているか

知事答弁要旨:
(平成9年当時の検討の経過)
新庁舎の建設場所については平成8年5月の県庁舎建設懇談会の提言と、平成9年2月の県議会県庁舎建設特別委員会の委員長報告を踏まえて、県としての基本方針の検討が行われ、現在地での建替えについても検討されている。

更に、移転先として県庁舎予定地として魚市跡地を選定されたことに関して、以下の点をお尋ねしたい。

・前知事が魚市跡地への移転建て替えを選択した理由
・魚市跡地は現在地より地盤が悪いのではないかという懸念について

知事答弁要旨:
(現在地建て替えとしなかった理由)
現在地は狭隘であり、魚市跡地を選定するにあたり、以下の点が理由とされている。
・仮庁舎を必要とし、その借上げに多額の費用が必要であることや、分散した仮庁舎となり、建設期間中に行政サービスが著しく阻害されること。
・現在地よりの移転となるが、行政区域内での移転で、移転距離約900mと極めて近いこと。
・地震等の防災対策については、必要に応じた地盤改良、構造設計等により十分な対応が可能であること。
(魚市跡地の地盤について)
平成9年の移転先選定にあたってボーリング調査により魚市跡地の地質を詳細に調査し、地震時の液状化対策や高潮・津波対策など適切な措置を講じれば十分な対応が可能である、との結論が出されている。
・地表面から20m程度下に支持地盤があり、杭基礎で対応できる。
・液状化の原因となる砂などの層は薄く、かつ局所的にしか分布していないため、地盤全体の評価として、液状化が生じる可能性はかなり小さいと考えられる。
・高潮・津波対策については、長崎での被害が唯一記録されている1707年紀伊半島沖で発生した宝永地震による波高1m程度の津波や、1983年チリ沖地震による波高1.5m程度の津波を想定しても、敷地の地盤の高さを1mから2m程度かさ上げすることで対応できる。

[6]財政問題などについて

そのほか、財政問題等、以下の県民の疑問についてお尋ねしたい。なお、3点目は本日午前中に同僚松田議員が質問しているので割愛する。

1.県の財政が厳しい時に県庁舎の建て替えが必要なのか、また財政への影響はないのか
2.道州制になれば、県が合併され県庁舎は要らなくなるのではないか
3.県庁舎よりも学校の耐震化を進めるべきではないか

知事答弁要旨:
1.本県の財政は厳しい状況にある(状況説明略)が、長崎県の将来のために必要な事業については、県民の視点に立って、時機を失することなく積極的に実施していくとこが必要であることから、県では従来の行財政改革への取り組みに加え、更なる収支改善を図り、将来にわたり持続可能な財政の健全性を維持していくことを目的に、今年度から新たに「収支構造改革」に取り組むことにした。
このような状況の中で、長年の課題である県庁舎整備に必要な財源を確保することを目的に、平成元年度から県庁舎建設整備基金の積立てを開始し、これまでに約368億円を確保している。
調査は建設に当たっては、今後の社会経済情勢の変化や道州制の動向等を考慮しながら、行政コストの削減や組織のスリム化に取組み、更なる事業費の圧縮に努めることにより、451億円という試算額は大きく変動するものと考えられ、併せて基金を有効に活用することにより、今後の財政運営に過度の負担をかけることなく、建設は可能になるものと考えている。

2.道州制の制度創設、導入までには、なお相当の期間が必要であると考えられる。県庁舎の課題は緊急の解決が求められるものであるとともに、道州制が導入された後においても、長崎地域に中核施設を設ける必要はあることや、道州制の下では地方支分部局の廃止を含め、国の権能や組織が小さくなる一方で、道州と市町村とを合わせた「地方」の権能や組織は、現在よりも大きくなることが想定され、県庁舎として整備する施設は道州の機関や基礎自治体の庁舎として活用することも考えられることからも、将来的に道州制が導入された後においても、十分対応できる形での県庁舎整備は可能であると考えている。

(3.については、当日午前中の同僚・松田正民議員の質問により質疑がなされ、現状と今後の耐震化推進について、本ホームページ2008年7月号の一問一答で取り上げた内容とほぼ同内容の回答がされているので、参考にしていただきたい。)

[7]県庁舎整備懇話会について

公募委員や地元関係者を含めた37名の委員で構成される県庁舎整備懇話会が設置されたが、この委員選考について、一部に選考の透明性に疑問があるような報道があったが、選考の経過や視点についてお尋ねしたい。

知事答弁要旨:
専門的な見地に加え、より幅広く県民の意見を求める必要があるとの考えから、商工・農業水産・行政団体・福祉医療など、県内の各界各層、まちづくり・建築の専門家、学識経験者、県外の経済界の方々に加え、自治会・商店街などの地元関係者、さらには公募委員など、様々な分野・有識者等から、地域バランスも考慮して幅広く人選している。
公募委員の連絡先などの個人情報や、公募委員の選定にご協力いただいた外部の選定委員については公開を控えさせていただきたい。

[8]県庁舎を核としたながさきのまちづくりについて

都市は生き物であり、中核の土地利用が変われば大胆な都市活性化のきっかけになり得ると考える。県庁舎の移転整備は長崎のまちづくりにとって大きなチャンスであり、このことを将来を見据えた目で議論していかなければならない。

魚市跡地に隣接する長崎駅周辺では各種事業が行われている。(都市計画道路浦上川線・長崎漁港再整備計画・九州新幹線長崎駅部構想・JR長崎本線連続立体交差事業・長崎駅周辺土地区画整理事業など)

さらに移転後の跡地利用については、大規模病院建設の計画も報道されたが、長崎のまちづくり全体の中で考えなければならない。県庁舎の移転により、積極的に新しいまちづくりを目指していくことができるのではないか。これらに関連して、以下の点についてお尋ねしたい。

・新幹線を生かした長崎駅の整備や、県庁舎の移転を契機として、これからの魅力ある総合的なまちづくりを推進していくため、長崎駅周辺と一体となった県庁舎整備や、移転後の有効な跡地利用が重要であると考える。県の見解を伺いたい。

・先日報道された大規模病院構想についての経過や背景について伺いたい。

知事答弁要旨:
(長崎駅周辺と一体となった県庁舎整備について)
新幹線を契機として、新幹線の効果を最大限に活かし、長崎県の未来につながる魅力ある総合的なまちづくりを推進していくにあたっては、情報発信機能や交流支援機能などを備え、都市機能のより一層の向上に積極的な役割を果たすことができる公共的な施設が必要とされており、県庁舎が新しいまちづくりの一翼を担う施設として、周辺施設と一体となった整備を図っていく必要があると考えている。
(移転後の跡地活用について)
市役所、病院などが報道されているほか、出島と一体となって活用し、幕末まで外国官吏接待所として使用された西役所をはじめ、歴史・文化的価値を生かすべきなど、いろいろなご意見がある。
今後、県議会・長崎市をはじめ、有識者や県民のみなさまと一緒になって英知を結集し、いろいろなご意見の中で長崎県のためにもっともよい活用方法となるよう幅広く検討していく必要がある。

病院事業管理者答弁要旨:
(大規模病院構想について)
県都に救命救急センターがないのは長崎市のみで、がんセンターなど高機能医療機関がなく、以前より医療関係者の間でその充実が必要との強い意見があった。
現在、長崎市民病院の建替計画が進められている。また、昨年末には総務省から「公立病院改革ガイドライン」が示され、その再編・ネットワーク化の枠組みとして日赤病院と公立病院の統合についても例示されていることから、長崎大学医学部長から長崎市民病院と日赤原爆病院との統合も視野に高機能病院の建設を図るよう、県と長崎市に要望がなされたところである。
具体的には、救命救急センター、総合母子医療センター、がんセンターなどの高い機能を有する大規模病院が長崎市内に必要であり、それは魅力ある卒業後研修病院として医学部卒業生の県内定着に資することになり、その実現は長崎市民病院の建替えの機会以外にないとのことで要望されている。
県庁跡地については、建替え場所としていくつか想定されたものの一つと考えられるが、具体的に検討したものではない。
県としても高機能病院の必要性や医師定着の重要性は十分認識しており、早急に公立病院改革プラン策定のための協議会を設置し、長崎市や関係機関と検討・協議していきたい。
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