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長崎県議・野本三雄の『長崎 夢、確かなカタチに!』

県政研究

2008年 4月

行政改革と指定管理者制度・PFI制度の導入留意点の検討
民間資金や能力の活用とその問題点について

行政改革の手法として、指定管理者制度とPFI制度が脚光を浴びている。どちらも民間の活力を公の施設の管理運営に導入しようとする制度だが、「両者は、どこが、どうちがうのか判り難い」とミニ集会での話である。確かに似ている。

「法律専門家の正確な説明を聞くと益々こんがらがってくるが、指定管理者制度は、役所が建設した住民の福利の為の施設(公の施設)の管理運営を民間に任せること。PFI制度は、適用範囲を広げて、公共施設(公の施設を含む)の建設費までも民間資金にも任せるところが大きな違いだ。」とご説明している。

必要なことは行政に民間の知恵と力を活かすことだ!

指定管理者制度は、地方自治法の一部改正で平成15年から導入された。「公の施設」管理運営を民間法人等にまかせる制度で、「民で出来ることは民で」の動きの一環である。

公共施設の管理運営は、これまで直営以外では第3セクターに限定されており、“お役所仕事”になりかねないとの批判があったが、その声に応える制度と私は理解している。 長崎県でも、県立美術館・長崎歴史文化博物館・各地の青少年教育施設・野母崎亜熱帯植物園等々多くの施設が「指定管理者」で管理運営されている。

PFI(Private Finance Initiative)制度は、民間の資金・経営能力・技術的能力を活かす方式として、平成11年に制定された「民間資金等の活用による公共施設等の整備に関する法律」(PFI法)で始まった。

平成18年度までに全国で219件の実施実績であるが、長崎市の事業としては、平成20年1月に開館された長崎市図書館がこの方式を採択しており、新市民病院建設についてもPFIの検討がされている。県事業では、導入実績はない。

PFIは、施設整備費を起債でなく割賦払いにするようなものである。公平性・公正性・透明性を確保した民活への事務手続きは、これまでの契約事務にない複雑なものであるが、県財政逼迫のなか、この方式の採択を検討すべきだと考える。

なお、私は平成19年9月の県議会質問で、行政に民間の知恵と力を活かす一例として、「新長崎県庁建設」へのPFI制度導入の可能性について発言した。その経緯もあり、野本私案・新長崎県庁舎構想(行政・議会・警察の3点セット)延べ面積66,000uについて専門家に検討を依頼したところ、現在基金366億円が積みたてられていることから、従来方式の建設がベターとの試算結果を得た。今回はそのような結論に達したが、公共施設の建設にPFI制度の採用を検討することは必要であると考えている。

PFI制度導入に当たって留意すべきと思われる意見

どんなに便利な制度であっても、ただ制度化するだけでは万能ではない。 内閣府民間資金等活用事業室が開催した平成19年3月8日の「PFIの現状と課題についてのセミナー〜現場の課題の解決に向けて〜」において、制度導入に当たって留意すべきと思われる意見がある。いくつか拾ってみよう。

  • 新しい手法を活用できる人材がいるかどうかでその手法の善し悪し成果も変わる。公共団体側の調達体制の整備充実が必要。
  • 透明性の高い選定方式による競争原理の徹底。
  • 価格以外の要素、たとえば質の評価等が高まると民が寡占化しやすい。競争環境の再構築が必要になる。
  • 事業環境変化等事業期間の長期化による事業開始時の想定との乖離に対応できる制度設計が必要。(災害の発生、金利の変動など)
  • 書類審査だけでなく、「競争的対話方式」で契約する事例があること。
    必要によっては、従来の「仕様書型」発注でなく、「機能説明型」発注が採られていること。

強い薬ほど副作用に注意しなければならない!

指定管理者制度では、契約期間が5年程度になる。PFI方式では、20年ほどの長期の契約になることも多い。 長期の契約が安定につながるというのであればよいが、それが“お役所仕事”に変節しない保証はない。

また、民の本質は、利潤の追求であることも忘れてはならない。
適正な委託料・負担金・リース料について、役所サイドと民のサイドの算定能力に格差が生じないこと、第三者による事業効果評価制度を確立することが大切である。

民の活用は魅力的であるが、強い薬ほど副作用に注意しなければならない。 この制度の導入を積極的に検討するとともに、県議会は県行政のお目付役としての役割をも発揮しなければならないと考える。

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