これからの長崎県財政運営の影響を考える
〜人件費や建設事業費削減の激変対策と県債残高削減策の強化を急げ

「中期財政見通し」で今後5年間の動きを読む
平成18年9月8日、県はこれから5年間の「中期財政見通し」を発表し、同時に平成19年度予算要求ガイドラインを発表した。19年度県予算案は、これから編成作業に入り、来年2月に国が策定する地方財政計画によって決まるが、大きな流れは、この“見通し”に沿ったものになろう。

今後の財政運用は行財政改革プランで行政コストの縮減をすすめ、税源涵養の施策推進などで自立的な財税構造へ転換していくとしている。

県財政規模は、平成18年度の歳出7,095億円が平成23年度で7,206億円、ほぼ横這いの推移としている。しかし、毎年の基金残高(預金)は576億円から172億円に激減する。県債残高は1兆791億円から1兆1,158億円に増える。いわば、借金財政である。これが、全国各県に共通した悩みというから困る。

歳出削減の努力がこれからも続く
県職員の給与制度、職員数の見直し削減などが見込まれている。県職員とは、一般行政職だけではない、学校の先生・警察官も含むのである。

人件費が県予算の約4割を占めるのであるから、財政改善には避けて通れない問題として努力されており、成果に期待したい。平成18年度人件費2,157億円が2,005億円に減額になる。

建設事業費の減額は、平成18年度の1,701億円から平成23年まで1,710億円と横這いである。しかし、喜んではならない。これまでにの大きな削減が行われたのであって、これ以上は削減できないとみられたに過ぎない。建設事業費の平成11年度3,175億円が1,700億円と半減している。

長崎県議・野本三雄の『長崎・夢、確かなカタチに!』
2006年
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業界の対応は十分とはいえない。最近も、県内中堅建設業者が倒産した。これからも、多くの業者が厳しい経営に追われるであろう。県は、建設業者の業務転換などで対応しているが、更に対応策を強化することが必要である。

公債費は減少無し、油断大敵!
公債費(借金の返済)は、平成18年度1,247億円が平成23年度でも1,243億円で減少無しである。しかも、県債残高(借金)は増加である。

平成18年から県の起債承認方法の国の方針が変更されて“実質公債比率”という新しい指数が採用された。総務省の速報によると長崎県は平成18年度で12.5%となっている。九州各県のなかでは優秀な数値であるが安心できない。

これが18%までは“起債協議団体”、それ以上になると“地方債許可団体”、25%超で“起債制限団体”になる。起債制限団体になると単独事業の起債は認められない。平成18年度で北海道・長野県・兵庫県・岡山県が“許可団体”になった。長崎県も、今後の動向を注目しなければならない。油断大敵である。

「新型交付税」の動向で、さらに苦しくなる県財政
国は、9月25日に「地方交付税の配分方式を改める新型交付税の試案(総務省報道・資料2)」を公表した。試案では、道路・港湾整備を除く投資的経費の算定項目を削除簡素化し、人口規模と面積による配分を増やすこと、へき地や離島,基地所在地などに地域振興費として新たな配分枠を設けたという。

これは、長崎県にとっては交付税財源の減額になろう。中期見通しでは、交付税は現行交付税システムを前提に算定されている。現実は、見通しよりも苦しいとみて対応したい。

地方交付税考察