中小造船業の現状と課題
新技術の導入や新分野への進出なども喫緊の課題
県政研究
こうした厳しい経営環境を反映し、付加価値が高く高度の技術を要する漁船等を作れる造船所は全国的に少なくなってきております。

当組合の会員も、全盛期の昭和30〜40年代には20社を超えていたものが、平成元年には9社になり、現在は6社になってしまいました。新船建造実績も、平成元年68隻、5年は50隻、10年は26隻、15年は16隻となって、この15年間で4分の1に減っております。

今後、中小造船業界が生き残っていくためには、安定した受注の確保が最大の課題ですが、小型船舶のパイは少なくなっていますので、新技術の導入や新分野への進出等の取り組みも喫緊の課題となっております。

内部構造的な問題点
〜船舶大型化への対応の困難さと後継者不足

次に、中小造船業の内部構造的な問題もあります。
 @小型船の建造修理に特化してきたため、
  施設が内航貨物船等の大型化に対応できない
 A従業員の高齢化、熟練技術者の不足
 B3K職場とみられて若年従業員が定着しない
‥などの問題であります。

船舶の大型化に対応する施設規模の拡大には、多くは資本力が弱く、地理的立地条件等からしても大規模な施設拡大は極めて困難です。

従業員は、主力が50歳を超えており深刻な問題です。設計部門に大卒者を、現場技術者に高専工業高校卒を採用し若返りを図っていますが、熟練技術者から若年技術者への技術継承も大きな課題となっております。
長崎県造船協同組合の岩切欣弘さんから現状のご説明をいただきました。

これからの振興策も現状把握が第一歩です。ここにご紹介させていただきます。

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長崎県造船協同組合のあゆみ
当組合は昭和23年に「長崎県木造船組合」として設立され、その後、何回かの改組改称をし、昭和41年に現在の「長崎県造船協同組合」に改称し、今日に至っております。

組合員各社は、漁船等の建造・修理を主業務として戦後の復興に寄与し、経済発展とともに成長しました。

中小造船業を取り巻く厳しい外部環境
〜以西底曳き網船:500隻→16隻
 大中型巻網船団: 61統→19統の現実

しかし、近年の中小造船業を取り巻く環境は厳しく、長引く経済不況と産業構造の変化による国内小型船舶の減少等で、新船建造や修理業務が激減し、事業量の確保が大変困難な状況となっております。また、需要の減少のため受注競争が激しく、船価は下落し、収益性も悪化しております。

小型船舶減少の主要因は、沖合・遠洋漁業の衰退による漁船の減少や海峡連絡橋の全国的な整備による連絡船やフェリーの減少などですが、内航の貨物船やタンカー船についても大型化が進み、中小造船の対象船は減ってきております。

ちなみに、我々が得意としてきた以西底曳き網船は、昭和50〜60年代には400〜500隻が着業していましたが、平成元年には358隻となり、現在は16隻になっております。

また、大中型巻網船団は平成元年に61統が着業していましたが、平成12年に29統に減少し、その後の3か年で10統減船され、現在19統となっております。巻網船団は、1統が5〜6隻編成ですので、この3年間で50〜60隻が減船されたことになります。