長崎県美術館の財政と運営を考える
県民の将来の負担は大丈夫か?
長崎県美術館は、来る4月23日に開館する。
文化の向上に寄与すると期待されているが、これらの投資による将来の大きな県民の負担が予測される。

美術館の建設費は「約85億円の見込み」
旧美術博物館の取り壊し経費を無いものとみても、新しい美術館の建設費は「約85億円の見込み」だ。「42パーセントは、国が地域総合整備事業債で面倒をみるから、県の負担は軽減される」と知事は県議会で説明している。それにしても58パーセントは長崎県民の負担で建設されるわけだ。

半分は県民の借金である「ながさき創造県民債」が充当される。
平成15年3月に第1回の「ながさき創造県民債」30億円が、美術博物館建設費に充当するとして売り出された、利率は0.3%だった。第2回は、平成16年3月に長崎歴史文化博物館と高校改修財源として30億円、利率0.6%で発行された。平成17年3月第3回目の「ながさき創造県民債」が発売されている。これは、美術館に使うという。利率は、これから決まる。
合わせると90億円の大型借金である。

借金返済は平成20年から始まる。
3年間30億円の償還財源は大丈夫か?

これらの県民債は、5年後に一括償還で返済するとなっている。つまり、平成20年から3年間、毎年30億円を返済しなければならない。
県政研究

↑あとわずかで完成の「長崎県美術館」
このための財源措置は、どうなるのだろうか。県財政は、平成20年には破綻しそうだとしている。県当局の解決策を県民に示してもらいたい。

集客計画30万人/年の確保が必要な運営費
県一般財源からの補てんは大丈夫か

美術館の運営は、長崎ミュージアム振興財団がする。運営費はどの程度の額になるのだろうか。美術館事業特別会計の平成16年度支出額は、1億8千万円余である。これは平成16年度開館前の経費である。開館後の平成17年度の県予算では3億8千万円になっている。
年間の集客目標数30万人を達成したとして運営費を賄えるのであろうか。一人当たり300円の入館料収入が有ったとしても9千万円で1億円に不足する。
県の一般財源からの補てんが必要だろう。それにしても設費償還額までは賄えないのではないか。
財団の計画では「運営から経営への視点」で取り組むとしている。一般財源からの補てんを最小化するためには、入館者30万人の確保に努めなければならない。

収蔵品の充実が「経営」安定の鍵
美術館の魅力は、収蔵品によって決定される。
財団が、経営を考えるならば、美術品の購入資金の確保のためにも30万人の入館者は必要であろう。「経営の視点」とは、そのようなものだと考えてもらいたい。