長崎県普通建設事業の推移と予測
回復が期待できない建設事業予算
回復が期待できない建設事業予算
長崎県が発注した普通建設事業費は、平成10年を100として平成16年度当初予算額は64%に激減している。この傾向は、今後当分の間回復する見込みがない。
「長崎県の中期財政見通し」では、平成20年度で56%と見込んでいる。平成21年は横ばいとしているが、これは楽観的な見通しであると見たほうがよい。
平成20年度で長崎県財政は赤字団体に転落するという見通しであり、現実はそれ以上に厳しくなりつつある。赤字債権団体になると、債権返済に追われてすべての県予算がぎりぎりの線まで削減される。公共工事だけが例外では有り得ない。起債償還が完了するまでの数年間は、その厳しさが続く。そうなると今後10年は建設業の冬の時代である。国、市町村の工事も同様の傾向である。

小さくなったパイを奪い合う現実
長崎県の建設業の許可業者数は、平成6年5,217、平成10年5,800、平成15年は6,208に増加している。県の入札参加資格業者も同様の傾向をみせている。
工事量は減少し、業者は増えている。小さくなったパイを奪い合っているのが現実である。

建設業者は生き残り策を急ごう
県当局は、今年度「建設業者再編促進等支援事業」で、この事態に対応しようとしている。
支援事業の内容は、
@ 経営基盤強化、経営革新のための相談員設置(事業主体は県建設業協会と県中小建設業協会)。A 経営指導コディネーターの設置
県政研究
長崎県普通建設事業の推移と予測グラフ
グラフ:長崎県普通建設事業の推移と予測
B 経営革新、多角化などのセミナー開催
C 支援プログラムの策定など
全国の建設業の生き残りを掛けた動きがある、業者自らが取り組み危機を突破しなければならない。

県に対する要望: 
  適正な事業の執行で業界再編育成を

「県公共事業発注の現況と見通しについて」自民党長崎県長崎市第3支部は県土木部の担当官を迎えて研修会を開催した。本文は、そのときの配布資料と県の「中期財政見通し」により作成したもので、文責は野本三雄にある。
その際、出席者から県担当官に次の質問と要望があった。
@ 入札情報は県ホームページに公開されているが、小規模工事とコンサルト関係は公開されていない。公平を期すために公開の検討をお願いしたい。
A 入札資格に影響する「経営事項審査」の採点方式を再検討願いたい。たとえば、借入金で設備投資をすると財務体質の得点が下がる、下がらぬようにできないか。
B 特に、コンサルタント関係の発注が特定企業に傾いているように見える。
C 最低制限額のアップは検討されていますか。積算額から大幅に下回る額であるために、下請け業者や材料店にしわ寄せがきている。
D 受注額が減少する一方で、リストラが必要な昨今、技術者増員を当局から要請される。矛盾していないか。
E 長崎県は離島など公共事業の依存度が高い。国からの予算獲得に努力を。
F 指名業者選定の透明度を高めるため、「指名業者選定マニアル」があれば公表できないか。