晩秋の山のべの道
〜黒塚古墳から石上神宮〜

2007.11.27(火)

この写真はJR柳本駅でびっくりしている河村さんの様子です。サプライズ・・榎本さんに「お前、足あるんか?」って幽霊扱いされました。途中の電車内や駅で現れたのでは効果半減。柳本駅で改札にやってくるみんなをデジカメムービーで撮っている私を見て、みんな「??・・・??」の無言でしたがその後、降る矢のごとく回りから突っ込まれました。みんなが心配してくださっているのを逆手にとって驚かす、、というのは趣味が悪かったのですが、そこはやはり友達。みんな暖かい言葉をかけてくれました。(;_:) ご心配をかけたという私の挨拶もそこそこに「黒塚古墳資料館」に出発です。ここは神獣鏡が39枚も出たというので有名になりだれが葬られているのか謎の古墳です。ここでお手洗いと見学を済ませ長岳寺へ出発です。佐藤多恵子さんの短歌を添えさせてもらいます。

水銀朱は割竹形の棺底になほ血の色す 被葬者不詳
 多恵子
千七百年神獣鏡を秘めて来し黒塚の濠人を隔つる 多恵子
長岳寺では今、大地獄絵の開帳をしています。300円を払って入山です。受付で坂口さんは朱印状を預けます。ここは新西国三十三所の「花の寺」としても有名です。春は平戸つつじ、夏は酔芙蓉、秋はもみじ、冬はやぶ椿、、。ここの阿弥陀三尊(脇侍の観世音菩薩、勢至菩薩とも)は重要文化財であり多聞天、増長天もまた重文であります。 ちょうど1週間前。NHKが朝の報道番組でここの紅葉を全国中継していました。本堂から南を眺めている写真ですが前の池に映えている紅葉は静かな雰囲気と小鳥の囀りで京都と違った秋を感じさせてくれます。但し観光バスでやってきたおじいさんおばあさんの団体さんが防犯ベルを誤って鳴らしましたので雰囲気が一瞬壊れましたがご愛嬌でした。何しろ、七期会もハプニングを作るのに負けては居ません。というのは本堂に上がって地獄絵を見て阿弥陀さんを拝んで、、、靴を履いて、、、そこでスティックを忘れた人が居ます。
入り口に日本最古の「鐘楼門」があります。弘法大師、創建当初の建物で重文です。
また、後ろに見えている弘法大師の像と向かい合っている鐘堂で「一願成就」の鐘を撞かせてくださいます。優しい皆さんは「村元さん、奥様の回復を祈ってあげて」って涙が出るお言葉を頂きさっそくお願いをいたしました。写真は後ろ左からスティックを持っていない榎本、斉藤、池川、。次の段・村田、西谷、坂口、森本、井狩、河村。次の段・楠野、加龍(初参加)、岩壷。一番手前は吉村(敬称略)
本堂に上がらせてもらって「大地獄絵(狩野山楽筆)」を拝観しました。「どんな地獄があるんかいなぁ」「あんたやったら火の車地獄やで」「血の池地獄でくるしんでいるわ」「舌を一枚抜いてもらえよ」「岩壷さん、歯を抜くペンチを貸してな」「ほんまに閻魔さんいてたらどないする・・・」「俺、、死なれへんわ」
「長岳寺へ今日の元気に手を合わす  耕策」
しばらく行くと「柿本人麻呂の歌碑」があります。
「衾道の引手の山に妹を置きて山路を行けば生けるともなし」(亡くなった愛人をこの引手の山に葬って衾道を降りてくると生きた心地がしない)という意味だそうです。引手の山は今は竜王山といい、ここには小さな古墳が一杯あります。衾道(ふすまじ)とはこのあたりの地名。「衾道乎引手乃山尓妹乎置而山径徃者生跡毛無」
「教養のなさ万葉の歌碑にしかられる  耕策」
長岳寺で時間をとったので昼食予定の「夜都岐神社」まで行けません。12時になったので手前の「大和(おおやまと)神社お旅所」でお手洗いと昼食タイム。脇社の「歯定神社」の前で岩壷さんが歯医者の神様に最敬礼。398円のお寿司は美味しかった。 山の辺の道は農道、生活道、私道などをつないでくねくねと伸びています。こんな風景は私たちの幼い頃の原風景でしたので懐かしさで写真にとってしまいました。土塀、畔焼き、軒の瓦も懐かしさを演出してくれます。
このお店は無人です。野辺には無人販売所が沢山ありますが、ここには柿や蜜柑などだけでなく切り干し大根や食料雑貨まで置いてあります。冷蔵庫の中には100円のソフトクリームなども置いてありこのメンバーの何人かが買いました。左から、坂口、西谷、吉村、池川、河村。その向こう小さく写っているのが岩壷、斉藤、榎本、森本。斉藤さんの胸には首から下げている小さな入れ物が見えています。実は・・・これをこの売店に置き忘れてくるというハプニングが起こります。  ここが夜都岐神社です。ここの拝殿はかやぶきでとても珍しく藤原氏の荘園であり春日神社の別名を持っています。写真のようにここの紅葉は真っ赤でみんなで記念写真を撮りました。ここから暫らく行くと「天理観光農園」があります。休日にはみかん狩り柿狩りを楽しめます。
歌碑尋めて行く手ゆくてに曼珠沙華山の辺の道はるかにくねる  多恵子
天理観光農園で大休憩です。お手洗いとお八つを楽しみました。私はコーヒーを、村田さん斉藤さんと西谷さんは甘酒、森本さんはあの無人販売所でソフトクリームを食べたのにここでは「粟餅」を食べます。食べ過ぎ・・と女性群に突っ込まれると、「じゃあ、分けよう」ってしぶしぶ千切って食べさせてくれました。(*^-^)
村田さんの後ろに写っている学生さんは桜美林大学大学院生で心理学を学んでいるそうです。一人でこの山の辺の道に来たということです。
ここから暫らく登りが続きます。途中「内山永久寺跡」がありますがここは石上神宮の神宮寺で広大な寺院でしたが明治初年の廃仏毀釈で全て破壊されました。永久寺跡から暫らく行くと石上神宮です。、
境内に近づくと参詣人が上を見ています。何があるのかと見ますと「神鶏」というのか尾の長い鶏が枝に止まっています。下にも砂をつついている鶏がいます。地鶏です。不心得者が「こいつの肉は堅そうやで」と地鶏ブームに水を指します。
しばらく行くと神域に入ります。
ここでもみんな真剣に手を合わせています。
「あれやこれや願い神さん困らせる  耕策」
「どっこいしょようやく挙がる重い腰  耕策」
石上神宮での記念写真。撮影・・岩壷
後ろ左から村元、井狩、吉村、森本、池川、榎本
前列・河村、楠野、加龍、西谷、村田、斉藤、坂口
いよいよお手洗いも済ませ山の辺の道の踏破終了です。この季節午後3時ぐらいになりますとお天道様の光も弱くなってきます。秋の風情はこんな光線が似合います。最後の訪問地も終わり天理教本部へ行くことになります。1838年中山みきと言う女性が天啓を受けて創立した宗教で世界に信者を持つ大きな宗教集団です。
本部で手を合わせますと周りから信者のお題目が聞こえてきます。「悪しきを払ろうて助けたまえ天理王の尊」
天理教の法被を着て全国から奉仕に来ています。
さて、天理大学参考館に行くのも今日の大きな目的です。バカ話や冗談ばかりでなくインテリで高貴なメンバーが多く、こういったところで勉強しようという意欲の高さが全体の質の高い証拠でもあるのです。(^_-)
入館料400円を自動券売機で買います。この販売機で誰かさんが大失敗をします。400円という中途半端な設定が間違いを誘発させたのです。(^_-)
この参考館は博物館としては日本でも有数の資料を持っていることでも有名です。世界の民具や歴史資料など展示されているのはほんの一部で重要文化財クラスがざくざくあります。
唐三彩です。こんなお宝がザクザクあります。国の内外から集められた収蔵品は民俗資料と考古資料とに分かれておりその一部を「世界の生活文化」「世界の考古美術」というテーマで展示しています。

さて、ハプニングがこの参考館で発生しました。
右の写真をご覧ください。
受付の男性とかわいい女の事務員さんが何故笑っているのでしょう。この話は日本はまだまだ正直者が居る、、ということを証明しています。
当事者は森本さんです。5000円札で榎本さんの分を含め入場券2枚を森本さんが買いました。お釣りは・・・4200円です。「チャリン」と出てきた200円を一枚ずつ榎本さんと分けました。そしてなんと考えられないことに1000円札4枚のほうを取り忘れたのです。
なんと大らかな森本さんでしょうか。しかも参考館を退出するまで気がつかなかったのです。この女性が「だれかお釣りをとり忘れている人は居られませんか?」と聞きに来られました。他のみんなはお釣りなしのちょうどか、500円硬貨で100円おつりか、1000円で600円お釣りの人だけです。「5000円を入れたわ」と気づいたのが森本さん。加龍さんが5000円札が通用する券売機なんてあるのかしら・・・と思ったという証言と榎本さんの200円が出てきてそこから100円貰った、という証言で一件落着。大笑いしてみんなに楽しい思い出を持ち帰らせてくれた森本さん、ありがとう。

「参考館善意の風に包まれる  耕策」
天理駅前で居酒屋を探しましたがありません。さすが宗教都市です。山楽会・有馬でのお好み焼き屋を思い出し「悦ちゃん2」というお好み焼き屋に入りました。5時ごろなのでお客は私たちだけです。楠野さん、加龍さんと河村さんが用事があるとお帰りになり、11人が残って乾杯の儀式に参加です。「とりあえず生中や」「岩壷さんは生大や」「うち大きいジョッキはおいてまへんねん」「岩壷、残念やね。生中2杯を飲んだらええがな」もんじゃ焼き、広島焼き、豚玉、とろろ焼き・・・。
掘りコタツ式の席ですのでお年寄りには好都合です。
「もたれる所がええわ」と真っ先に壁を背にしたのは榎本さん。右の写真を見てください。
榎本、村田、岩壷、井狩のテーブル(村元)
池川、西谷、吉村、坂口、斉藤、森本(時計回りで)のテーブル
平均ジョッキ2杯は飲んで楽しそうなおじいちゃんおばあちゃん。早速今日のハプニングやサプライズが話題になります。「それにしてもよう忘れ物をするよなぁ」と惚けについてひとしきりお喋り。
「あれ忘れこれ忘れで日が暮れる  耕策」
「岩壷さん、会計お願い」と吉村さん。「もうその手に乗れへんで岩壷さんは」「今日は生中やからなぁ、酔うてへんてぇ」そんな企みを知ってか知らずか「20、500円やから11人で割って一人1863円や、2000円集めよう、合計22000円やから余った金1500円は村元お前持っておけ」「ありがとう、お見舞いとして貰っとくわ」「この前の宇治での団体割引で残ったお金とあわせて持っておいたらええがな」なるほど。しっかりしているわ。
会計報告・・宇治の残金2800円+1500円=4300円は
村元が預かっています。私しません。
 
元気なお年寄りたちは、近鉄・平端駅で北と南に別れてさようなら。村元、榎本、西谷は古市方面に帰りました。顔が真っ赤な井狩さん、池川さん、森本さん、岩壷さんなんかの兵庫県組は遠いところにお帰りなので帰宅する頃は腹が減って酔いが醒めていることでしょう。 天理参考館のパンフレットと入場券。

それにしても4000円届けてくれた人の頭には神が宿っていることでしょうし、閻魔さんの前では「極楽行き」って宣言してもらえることでしょう。
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天気予報は5日前、確率50パーセント、次の日は40パーセント、前日の予報は30パーセント。当日朝一番に見てみると20パーセントという薄日の差すいい天気。雨が降るとだれが雨男や、だれが雨女やと喧しい人たちには文句はないことでしょう。いつまでも暑かった今年の秋もようやく紅葉がすすみ秋らしい晩秋の風情です。
 去年の11月23日、嵯峨野で湯豆腐と錦秋の紅葉を堪能してからもう1年になります。でも今年の山の辺の紅葉も捨てたものではありません。特に予定になかった長岳寺に寄って京都に負けぬ紅葉を見せていただきました。
 さて、私事で申し訳ありませんが家内が入院いたしまして企画するだけで参加できぬという前代未聞のことが起こりました。幸い大和の歴史や大和の道に詳しい河村さんと井狩さんに引率をお願いしましたところ快くご了承頂きました。前日までは行けない状況でしたが、少しは病状が好転しました上に、完全看護であるため余裕も出来て参加することにいたしました。みんなにメールで「参加できるようになりました」といえばそれでおしまいですが、そこはそこ、ちゃめっ気の村元ですからサプライズを計画しました。この会はアクシデントやハプニングやサプライズが一杯ある会ですから、全然知らせずみんなが集まる柳本駅で突然出現するという計画を立てました。良心の呵責でせめて河村さん、井狩さんにだけは伝えておこうと思ったのですが・・やはり敵を欺くには味方を騙す戦法にいたしました。下の写真は固まっている河村さんです。
「幹事が揃い山の辺の道引き締まる  耕策」    
ありがとう、榎本さん、あんた善人やねぇ。