たかがクルマのことだけど

事故が起きてしまったら


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目次
 
慣れないゆえの動揺
 ●基本的な対応は4つ
 ●道交法の措置のあらまし
 ●その他


 いくら注意していても事故は避けられない。それはどんなベテランだって同じことだろう。自分が注意していても注意が欠ける他人がいるからだ。人間と機械が一体になるしかないクルマにはミスと故障がつきものだと考えるしかない。起きないことにこしたことはないが、起こったときに動揺しないためもあらかじめ対応を知っておこう。

 ちなみに、労働災害の発生確率を示すものに《ハインリッヒの法則》というものがある。大きな事故に至る前に、小さな事故が30それにハッとしたり冷ッとする小さなミスが300ぐらい潜在するという。これと同じことがクルマの利用にはつきまとうのではなかろうか。【興味のある方は、畑村洋太郎『決定版 失敗学の法則』や柳田邦男『事故の死角』(いずれも文春文庫)を読んでください】


慣れないゆえの動揺

 運転中にやむを得ずモノに乗り上げたり、こすって驚くのはビックリするほど大きな音がすることだ。あわててクルマをとめて車体を見回してもへこみや傷もない。また、横や後ろからぶつけられるとシートベルトをしていても身体に思いがけないほどの衝撃を受ける。これは慣れてしまったから言えることで、最初はそれだけで冷静さは吹っ飛んだ。

 幸いにして私は他のクルマにぶつけたことはない。でも、何度かぶつけられたことはある。一時停止を無視して横からぶつけられたり、後ろのオートマ車にクリープ現象でぶつけられたり、対向車にドアミラーをぶつけられた。そのたびに思うのはぶつけた方のドライバーが放心状態になっていることだ。「やってしまった・・・」という後悔が反映するのだろうか。友人のクルマを脱輪させたとき私もそう思ったことがある。

 うろ覚えで申し訳ないが新田二郎の小説(題名は忘れた)に、交通事故で子どもを傷つけたことを悔やんで自殺するために山に向かった男が人助けをし、事故現場に戻ると子どもが生きていたという内容の短編があった。事故に慣れないばかりに思いつめ、逃げたくなるのもそういう心理が反映するのだろう。
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基本的な対応は4つ

 道路交通法を持ち出す前に、事故が起きたときには悔やむのは後にして次の4つの対応をするべきである。

 @あわてない
   ・安全な場所にクルマをとめる
   ・何が起きたのかを確かめる  
 Aクヨクヨしない
   ・気を取り直して前向きに対応する
   ・やるべきことを実行する
 B巻き添えにしない
   ・まわりに警告を促す措置を行う
   ・通行の妨害をしない
 C逃げない
   ・思いつめて逃げない
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道交法の措置のあらまし

 この法律は皆さん十分ご承知ですので要旨のみ整理します。特に注意してほしいのは、ドライバーに4つの義務があるだけでなく、同乗者にも禁止事項があることです。せっかくドライバーが救護しようとしているのに逃走を促すと72条の教唆犯として、73条違反だけでなく、最高3年以下の懲役または20万円以下の罰金となります【『道路交通法の解説 10訂版』p115一橋出版】。

 □交通事故の場合の措置(第72条第1項)
  
  (1)交通事故は、車両等の交通による「人の死傷」又は「物の損壊」をいう。

  (2)運転者およびその他の乗務員(運転者等)が講じること
   
     @直ちに車両等の運転を停止する
     A負傷者を救護する
     B道路における危険を防止する措置をとる
     C警察官に報告する

 □妨害の禁止(第73条)

   この規定は同乗者に求められるもので、運転者が講じたり報告するのを妨害しないよう求めている。
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その他

 私は保険会社の人間ではありませんが次のことは自分と家族を守るために欠かせない知識だと思います。専門家に相談しておきましょう。

 @交通事故に絡んで示談屋が介在し、いろいろなトラブルを生じますので検討して置いてください。
 A交通違反に対する「行政罰」、過失行為等の「刑事罰」それに相手に与えた損害に対する「民事責任」も関係します。
 B決められた期間内に保険会社へ連絡しなければ保険金がもらえませんので確かめておきましょう。
 C自賠責保険は人に与えた損害だけ適用される上限つきの保険ですから任意保険や損害保険を必ずかけましょう。
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