たかがクルマのことだけど

自分をベテランと思い込む


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目次
 
初心者脱皮に伴う自慢
 ●経験が多くても反省がない未熟者
 ●ベテランたる価値

 ベテランと未熟者の違いは、失敗をいかに自分のことと受けとめそれを行動に反映しているかの差である。ベテランにも多くの失敗があるが、それを繰り返さないように努めて予測や予防に結びつける。未熟者は、運転歴と関係なく、自分に都合の良い振る舞いを繰り返す者だ。初心者が経験不足で戸惑うのと違って、惰性で運転するから同じミスや狂態をまき散らす。私がこれから綴るのは運転経験や運転技術をうんぬんするのでなく、協調して道路を使う意識の欠如を問題にしている。


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初心者脱皮に伴う自慢

 免許をとったばかりの初心者がぎこちない運転するのはやむをえないことだ。ところが、その人が1年もたつとベテラン顔をする。スピードに慣れ、走行のコツを身につけたとうぬぼれる。そんなことはドライバーとして当然のことで自慢することではない。まわりのドライバーが今までかばってくれたのを彼は知らないだけだろう。時にはムッとし、カッとさせられたまわりのクルマのドライバーがかばってくれたことに彼は気づかないだけである。

 ビクビクしながら走ることに比べたら自信をもって運転するだけ成長したことは確かである。流れにあわせた判断と行動ができるだけマシになっただけだ。ぎこちない走行をするドライバーが減るだけまわりの人の不安は減るからだ。技術の向上は大切だが、うぬぼれるのは誤りだろう。 
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経験が多くても反省がない未熟者

 運転経験が多い未熟者に見かける狂態の原因は、違反を限りなく重ねていても、自分が今まで事故を起こしていないとう自負にあるのではなかろうか。でも、今まで事故に至らなかったこととこれから事故を起こさないこととは別だろう。過去に通用したものが現在も将来も同じように通用すると思い込むのは危険である。時代の変化に合わせたクルマの利用法や使用条件も変わっていくだろう。

 経験は、いろいろな条件の下に形成されたものであり、クルマの性能・道路環境・社会の要請などによって変化していくものである。それがいつでも通用すると思い込み、過去のことばかり固執してしまうところに未熟者の慢心が生れるのではなかろうか。
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ベテランたる価値

 自分がされたら嫌なことや不快なことをベテラン顔して他人にまき散らすのは狂人の振る舞いである。クルマの運転は、経験量をもって思い上がったりうぬぼれることを排除し、いつも冷静を保って行うべきである。手抜きをして他人に迷惑をかけたり、不安にさせることはどんなに経験が多くても許されることではない。

 ベテランの価値は、慣れぬドライバーを助けるゆとりと歩行者や他車を配慮した運転を行うことにあるのではなかろうか。仕事で使うにせよ遊びで使うにせよクルマを気持ちよく利用して、互いの安全に努めることだろう。自分勝手な行動をして互いを不快にさせ、不安をまき散らす者がベテラン顔をするのは同じドライバーとして残念である。
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