たかがクルマのことだけど

知ってもらうための合図


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目次
 
他人や他車に知ってもらう
 ●合図はウインカーだけではない

 
併用した合図の例

 


 近所や職場でさえあいさつを交わせない人が多くなった。他人にぶつかっても謝ることを忘れ、コソコソ逃げ去る人間が増えている。自己責任が問われるわりに、責任逃れも相変わらず続いている。クルマの運転にしても何のためにウインカーやライトを使うのか知っていない人も多い。決められているから守るというのも何か変だ。人が見ていなければ無視するというのも同じだろう。


他人や他車に知ってもらう

 合図は、他人や他車に、「自分のクルマの存在を知ってもらい」・「これから何を始めるかを予告する」ためにドライバーが行う意思表示である。ここで忘れてはならないのは「相手に気づいてもらう」ことである。見忘れを考慮して、早めに繰り返して行う必要がある。

 自分が分かるから他人も分かる「ベキだ」とか「ハズだ」という思い込みはクルマの運転では通用しない。相手が見落としたり、理解できないこともあるのを忘れてはなるまい。また、クルマは急に止まれないのである。つまり、他人が分かるように合図するとともに、相手が合図に応じた操作をするだけの時間的な余裕を持たせて合図をする必要がある。

 私はここで道交法を持ち出す気はない。「合図を行う場合」・「合図の時期」それに「合図の方法」はもう一度運転教本で確かめてほしい。道交法第53条と政令第21条を読み直すのもいいだろう。30m手前と3秒前の数字も忘れてはなるまい。決められたことを守るのもドライバーの義務である。
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合図はウインカーだけではない

 ウインカーだけが合図の方法と思い込んでいるドライバーが多い。でも、ライト、ハザードランプ、クラクション、ブレーキランプそして腕まで使えることを思い出してほしい。それらを状況に応じて的確に選択して使うのがドライバーの仕事である。発炎筒や手旗もクルマに装備されている。もういちど確かめておくのを私はすすめたい。場合によっては、目・鼻・口・耳・手そして全身を使って行うときもあるだろう。方法はいくらでもあるのである。

 せっかく装備されていても使い方を知らないドライバーも多い。習っていないのでなく忘れているだけだろう。また、ハザードランプを遣い間違っているドライバーもいる。あれはあいさつに使うのでなく、故障を知らせ追突等を防止するものだ。勝手な使い方で誤解を生むのも変である。

 また、自分の操作が他人に分からないときに補助的に使う合図も知っておきたい。たとえばエンジンブレーキや排気ブレーキそしてハンドブレーキは後ろのクルマには急ブレーキとしか感じない操作である。適度にフットブレーキを踏んでストップランプを点燈させ、減速していることを知らせることも忘れてはなるまい。
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併用した合図の例

 これから紹介するのは法律的な義務ではない。でも、相手に分からせるためにはこれくらいのことが必要である。自分の身は自分で守るしかない現実を直視しよう。

 @渋滞路での進路変更ではウインカーと身振り手振りを併用する。でも、オートバイ等が後ろからすき間を走ってくるから動作に移る前に後方を十分確かめて行動を始めよう。また、身振り手振りが通用するは昼間だけである。夜は暗くて相手には見えないからだ。

 A夕暮れ時や逆行時にはライトをつけて周りのクルマに注意を喚起しよう。互いに見えにくいのだから分からせる努力が欠かせない。たまにフットブレーキを踏んで後車に注意喚起することも追突防止になる。

 Bトンネル、雨、霧、夜間などの場合は必ずライトを点燈するが、車間距離の確保や注意喚起を図るためにたまにフットブレーキを踏もう。後車が接近したがる状況だから追突防止に努める必要がある。雨や霧が激しいときは安全な場所にクルマを停めてハザードランプを点燈し、やり過ごすことも忘れてはなるまい。

 C高速道路はクラクションよりライトで合図する。早め早めに合図し、無茶な接近をしないことだ。どうしても先を譲らない遅いクルマが走っている場合は減速して車線を変更し、間合いをおいて「追い抜き」することもあろう。ちなみに左側からの「追い越し」は違反である。
 
 D山道はクラクションとライトの使い分けで対応する。待合場所を守ることも必要である。見通しがきかない場所では注意を万全にして走行すべきである。合図以前に譲り合いを嫌っては走行できない場所である。

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