大きなお世話

 土曜日の朝、何気なくテレビを点けたら朝青龍問題をやっていた。何でもモンゴルの地元紙ネゲオールドの報じるところによるとウランバートル市内のバーに女性同伴でやってきて泥酔した揚げ句に暴れて店内にあった椅子やテーブルなどを壊してしまったという。

 さらにご丁寧なことにこのワイドショウでは朝青龍の私生活のこともいろいろと調べていて自宅のマンションで連日ドンチャン騒ぎをしているとか、BMWの高級4WD車を最近、購入したとか放送していた。車に関しては現地のディーラーに直接電話を入れて値段とか、確かに朝青龍が買ったのかということまで確認する念の入れようだった。

 これらのことについて出演しているコメンテーターがいろいろと意見を述べたわけだが、当然のように非難一色となり、朝青龍をカバーするコメントは「モンゴルは道が良くないから4WD車は必要かもしれない」というものだけだった。

 それにしても…である。自分の金で高級外車を買って、何で非難されないといけないのだろうか?こういった例は朝青龍だけでなく、過去にも世界チャンピオンになっても団地に住み続けていたボクサーがファイトマネーで唯一の趣味であった高級外車を買ったときも○○は庶民ぶっているがポンティアックに乗っていると非難がましく書かれたり、ある若手の競馬のジョッキーが酒場で高級なお酒を飲んでいるのを見つけて、××はちょっと成績がいいものだから、いい気になって高い酒を飲んでいると揶揄されたりした。

 全く大きなお世話と言いたくなる。どうも日本人というのは、みんな同じでないと不安になるようで、そこからちょっとでも‘逸脱’すると途端に攻撃的になる。昔はどの世界にも破天荒な人物がいたのだけど、マスコミの発達とともに小さくまとまった優等生ばかりになってきたような気がする。

 日本という国はスーパースターの生まれにくい国かもしれない。みんなで彼らの足を引っ張り、自分たちのレベルまで引き下げてしまう。(2007.12.1)




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