立春とは名ばかり?

 2月4日の立春の日の前後、日本列島を寒波が襲った。立春寒波といわれ、どのテレビ局のキャスターも「立春とは名ばかり」とあまりの寒さを嘆いていたが、実はこれ全く立春というものを理解していないからなのである。

 立春とは、どういう意味なのか、春の到来?実は全く違って、冬の頂点つまり一年で一番寒くなる時期のことなのだ。一年で一番寒い時期とは大寒から立春なのである。では何故、冬が正に頂点になる日を立春と名づけたのであろうか?

 これは寒さを山に例えるとわかりやすくなる。立春、つまり寒さが頂点に達する日は、山の頂上ともいえる。山の頂上に立ったら次はどうなるのであろうか?もうそれ以上高くなることはない。つまり後は下るだけなのだ。立春も同じである。

 寒さの頂点を過ぎたら、後は暖かくなるだけ。「もうこれ以上寒くなることはない、後は徐々に暖かくなっていき、春に近づいていく」という意味で春が立つと名づけたわけだ。これは全ての季節にいえることである。だから、立夏は春真っ盛りのときであり、立秋、立冬も1つ前の季節の頂点のことをいっているのだ。

 だから、テレビなどで、「立春というのに、名ばかりですね」などというのは大間違いということになる。僕が何故こんなことを知っているのかというと、その昔、中学生向けの天文学の本で読んだことがあったからで、それ以来毎年、テレビのキャスターに突っ込みを入れている。(2006.2.12)




皆さんのご意見・ご感想をお待ちしています。joshua@xvb.biglobe.ne.jp

INDEX