2006年 思うこと

 このHPを始めて2年半を過ぎた。このHPの作成を始めたとき、ぼくは無職だった。いや、正確にいえば無職だったから、このHPの作成を始めたといったほうがいいだろう。

 当時は入社した会社を、わずか3ヶ月で辞めてしまったところだった。そんな状況だったが、気分的にはそれほど辛くなく、いやむしろ愉しい気分でさえあった。それは、自分の体質に全く合わない会社を辞められた安堵感もあったように思うが、何よりこのHPを作るという行為がぼくの壊れそうになる気持ちを救っていたように思う。

 当時の状況からぼくの無職時代は長く続くと思っていたのだけど、思いがけずHP公開から5ヶ月経った頃、仕事が見つかり働き始めることになった。何の気なしに、入った職場ではあるが、もう2年半が過ぎようとしている。

 そして、その職場でぼくはひとりの女性と知り合うことになった。日常エッセイ‘陽だまりの中で’でも度々登場する日系ペルー人のJさんだ。彼女を始めぼくは中国人だと思っていた。彼女の名前がある香港の映画スターと同じだったこと、そして何より顔が完全な東洋系だったのでそう思ってしまったのだ。

 いっしょに入ったパートさんたちが一時的に休職になった2004年の年頭当りから、ふたりでいっしょに昼食をとるようになり、ぼくはだんだんと彼女に惹かれていった。そして休日にふたりで会うようになった。

 今、思うと全く運命というか人生というのは不思議な気がする。何の気なしに入った職場でぼくは愛せる女性と出会ったのだから…。彼女は、ぼくに「Hさんは勇気がある。自分の意思で正社員を辞めて、自分の足で歩こうとしている」といったことがある。

 だけど、ぼくは勇気がある人間ではない。ただ、バカなだけなのだと思う。普通の頭の持ち主だったら、ぼくのような行動はとらないだろう。だけど、その「バカな行動」のおかげで彼女と知り合うことができたのだから、正に人生何が起きるかわからない。

 今年、ぼくたちがどうなるかわからない。だけど、そんなことは今はどうでもいいような気がする。目の前に愛せる女性がいるだけでいい。

 人生はほんとに何が起きるかわからない。期待が裏切られることもあれば、絶望が裏切られることもある。知らない間にアスファルトの裂け目から一輪のたんぽぽの咲くこともある。そして太陽があたる方向に花は向き、茎を伸ばしていくだろう。(2006.1.1)




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