ビンの中のメッセージ

 ここからリンクしているHPのうち2つが休止してしまった。そのうち1つは詳しく休止の理由が書かれていたが、もう1つは昨年の6月以来更新がなくなり、辛うじて掲示板だけが生きている状態だった。そして、この2月の上旬にその掲示板に休止の公示があり、全てが止まった。こちらの方は詳しい休止の説明はなく、更新する意欲がなくなったようなことが書かれていた。HP休止の理由のほとんどが、この‘更新する意欲がなくなった’というものなのではないだろうか。

 僕の友人にもHPを運営している人が数人いる、いや、正確には数人いたといった方が正確だろう。何故ならそのほとんど全員のHPが、今では存在しないか、全く更新のない残骸になってしまっているからだ。皆、初めは頻繁に更新を行なっていたのだが、早い人では1ヶ月、続いた人でも1年くらいで、止めてしまっている。1月末に‘ブログ始めました’とメールをくれた友人は、初めの2週間は頻繁に投稿していたが、2月に入ってからは、わずか1回だけで、このまま終わってしまいそうな感じだ。

 初めは意欲もあり、書きたいことも一杯ある。しかし、続けていくうちに、だんだんと自分の中でつまらなくなっていく。自分の中でつまらなくなる理由は2つあるように思う。その1つはネタ切れである。

 いろいろと書いているうちに、書きたいことがなくなってしまうのだ。この場合は、もう手の打ちようがない。過去には頻繁に更新がなされていて、現在アクセス数も多いHPでも、今では全くそれが止まってしまっているものも多くある。個人で運営している場合、数年に渡って更新を続けることは、厳しいことなのだ。更新を続けながら長く存続しているHPは、ほとんどが独自のスタイルを確率していて、客観的視点と飽くなき好奇心が両輪になっているような印象を受けるものが多い。

 もう1つはアクセス数の伸び悩みによってつまらなくなるものである。HPを開設したはいいが、開店休業のような状態が続き、そのうち続けていく意欲がなくなってしまうというものだ。このHPも、この状態とあまり変わりないような感じだが、こちらの方は何に価値観を置くかによって対応は変わると思う。何のためにHPを開設したのかということだ。確かにHPを開設すれば、多くの人に訪れてほしいと思うのは人情ではある。しかし、それはあくまでも結果なのだ。

 もともと、僕は文章を書くのが好きだった。しかし、それを発表する場となると、ネットが一般に広まるまではなかった。十数年前に友達と同人誌を発刊したことはあったが、ほとんど手売りで身近な人にしか読んでもらえなかった。だけど、ネットなら…。したがって、僕にとってはたとえ読み手は少ないとしても、自分の文章を発表できるだけで幸せだったのである。だから、僕にとってアクセス数は多いにこしたことはないが、絶対的なものではない。

 僕は、ビンに入れたメッセージを大海に流しているようなものなのかもしれない。だけど、それを誰かが拾ってくれて、読んでもらえたら…。僕は、もうそれだけで充分だ。(2005.2.17)




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