リレー小説
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読みづらい登場人物名
前刀傑(さきとうすぐる) 垣内瑠香(かきうちるか) 京美紀(みやこみき)
畔柳赳夫(くろやなぎたけお) 保科梨花(ほしなりか)
2005年7月19日分 執筆者N島
「・・・・分ったよ、給料日過ぎたら食事をご馳走するよ。」
前刀は観念したように答えた。
「本当ですか!?嬉しいです。私・・・・ワインが合う料理が好きなんです。」
京が嬉々として話す。
むう・・・
京嬢・・・・なかなか手強いな・・・・・
前刀はフランスかイタリヤの料理店だとイメージし、諭吉先生に羽が生える絵が脳内に浮かんできた。
「じゃあ、明日会社の前刀さんのパソコンのメールアドレスに連絡先送っておきますね。」
京はこれでもかと腕が振り切れるくらい手を振ると身を翻し、前刀とは逆方向のホームへと向かっていった。
前刀もゆっくりとホームへ向かった。
・・・・・・
前刀は今ごろになって、なんであんな話をしてしまったのだろうと自問した。
が納得のできる答えは見つからない。
あかし・・・・か・・・・
ポツリと呟くと、到着した電車にその身を投げ入れた。
前刀は自宅に向かういつもの電車に揺られながら思考を続ける。
休日ということもあって電車内は空いている。
それに、スーツ姿の人は少ない。
進行方向とは逆に尾を引く住宅の明かりを眺めながら・・・・
前刀は今も病院にいる薄幸の美少女を思い浮かべた。
彼女は・・・・本当にどうしたいのだろう。
人の生死とは何なのだろうか?
いや・・・・
それ以前に、人間とは何なのだ?
答えが出るはずもないことは分っていたが、それでもなお問わずにはいられなかった。
人だけが、将来の自分を考える。
蟻が明日の事を考えているとは思えない。
動物だって同じじゃないか?
犬にしろ、猫にしろ、猛獣にしろ・・・・
その瞬間瞬間でしか生きていない。
今日だけを生きるというのが一般的な動物の生き方だ。
ところが、人間だけが先のことを考え、現実になるかどうかも分からない未来の不安に押しつぶされそうになりながら生きている。
もし、先を考えなければ・・・・
人間は楽になれるだろうな。
期限を告げられても、そのことを考えないのだから。
今日、その日どれだけ幸福かだけを追いかければいい。
何故・・・・
人だけがそうシンプルになれないのだろう。
我ながら哲学めいている・・・
思考を続ける前刀を乗せた電車はトンネルの暗闇の中へと吸い込まれていった。
続・・・・