リレー小説

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読みづらい登場人物名

 前刀傑(さきとうすぐる) 垣内瑠香(かきうちるか) 京美紀(みやこみき) 
畔柳赳夫(くろやなぎたけお) 保科梨花(ほしなりか)


2005年6月21日分 執筆者N島

喫茶さぼわーるのマスターと会話するつもりでやってきた前刀だったが、京嬢との邂逅にマスターと話をするタイミングを逸してしまった。

京嬢と会話を続けるうちに・・・
前刀が口に運んだコーヒーも冷めてしまっている。

前刀はあらためて店内を見回す。
さぼわーるのコンセプトは何なのだろうと前刀はいつも思う。

テーブルやカウンターは栗色の綺麗な明るい色の素材が使われている。
一方で店内の照明は落ち着いた雰囲気の薄明かりで、テーブルとは対照的だ。

さらに、ところどころに熱帯地域に生息する観葉植物が置かれており、壁面は南米の古代文字が刻んである。

トーテンポールのような置物や古代遺跡でなんらかの儀式に使われていたと思わせるオブジェなどがエキゾチックな雰囲気を作り出している。

無機質なオフィスから来る者の中には、この都内とは思えない雰囲気に気分転換を助けられた者も多数いるに違いない。

あらためて前刀は不思議な空間だと思わされた。


その時・・・・



さぼわーるの壁にかかっているからくり時計が鳴った。

14時を示しているようだ。

未開拓地域の原住民をモチーフとしたからくり人形が時計下の入り口から吐き出され、輪になって踊りだす。

一通り、それらのダンスが終わると人形達は元の場所へと戻っていった。


14時か・・・・


もう1時間近くさぼわーるにいることになる。


コーヒー1杯でこれ以上粘るのも忍びない。
どうしたものか・・・・

チラリと隣の京嬢を見やった。

すると・・・

京嬢が口を開いた。

「前刀さん、このあと何か予定はありますか?」

「いや、特にはないけれども・・・どうして?」

京は一瞬迷った表情をした。
そして・・・

「実は私、このあと四角井(百貨店の名称)の展示場で開催されている西洋美術展に行こうと思っていたのですけれど・・・・・・一人で行くのも味気ないなあと思って、迷っていたんです。ここで前刀さんに会ったのも何かの縁ですから・・・折角だから、一緒に行きませんか?」

前刀は「意外だ」と顔に書きながら、応じた。


「京嬢からお誘いいただけるとは光栄だね。私でよければ付き合わさせてもらうよ。」


遠慮する京を押し切り、前刀は二人分の代金を置くと、さぼわーるを出た。
四角井はさぼわーるから徒歩5分位置にある。

京と前刀は並んで歩いていった。


続・・・・