山下雅司さんが作っておられる小学校低学年向けの俳句入門です。
第31回からのものを掲載しています。(連載中)
第1回〜20回第21回〜30回はこちらです。
おやこの俳句教室(31)
さくらがまんかい!岩屋公園にきています
今年もまた雨の日曜日です。川辺の岩屋公園に桜をみにきました。いまが満開で、みごろとなっています。雨でも観光バスはやってきます。
「篤姫とお花見の旅」とかいてあります。楽しそうな花見のみなさん。篤姫のような明るい人々がバスから降りて行かれました。
あいにくの雨で足もとがわるいですからお気をつけて…。俳句作りに外出すると出会いがあります。
〈今日の俳句から3作品〉
公園の句碑にあいさつ花の雨 まさじ
うぐいすの声竹山に美しく ふみこ
まんかいの桜の下を歩いたよ ももこ
桜の季節は入学の季節です。俳句は記念になります。今日の思い出をみなさんも俳句手帳にかきとめておきましょう。
おやこの俳句教室(32)
小学生が俳句大会賞!
小学5年生の俳句です。季語を知っているばかりではありません。しっかりした俳句にしました。みなさん、勉強してみましょう。
春疾風(はるはやて)まっすぐ歩くぼくがいる ー南日本新聞20.4.30掲載ー
季節は春三月。みなさんも経験があるでしょう。春の嵐は立っておれないぐらいの風が吹きます。作品はそれでも、「まっすぐ歩くぼくがいる」と言っています。
俳句は自然とあいさつするわけですね。春疾風の作品はその風さんに「ぼくはへこたれないぞ」というような気持ちが伝わってきます。
5・7・5の俳句は5・7あるいは7・5をひとくくりにすると、うまく作くれます。
おやこの俳句教室(33)
夏の俳句教室@
俳句ではあるものにたとえる方法があります。
「青蛙おのれもペンキぬりたてか 芥川龍之介」
目でみた俳句は絵になります。青蛙が季節を表している動物です。
また、耳で音や鼻で匂いや舌で味わい、肌の感覚でとらえることもできます。
では俳句と絵画の大きなちがいは何でしょうか?それは俳句が言葉でなりたつところです。絵画は言葉はつかいませんが、描くものは作者の感動したもので、俳句と同じです。
声に出すことは俳句を作る上で大切です。俳句を作ったら声に出してよんでみる。また、多く作ることが大事です。夏休みにはたくさん作りましょう。
おやこの俳句教室(34)
夏の俳句教室A
夏休み、みなさんはどのように過ごしていますか。
毎日すごい暑さです。朝でも28度、昼間は34度のもう暑。海泳ぎや野外のあそびには熱中症にならないように気をつけましょう。
さて、今月はオリンピックです。
「声援が しぶきにぬれて 泳ぎ切る」
この俳句は「第1回少年少女かわなべ青の俳句大会」の福永耕二賞に輝きました。当時、高校1年生で水泳部だった宮下さんの顔を思い出します。晴れの授賞式でお会いしました。北京オリンピックでの活躍を期待します。
日本代表選手に俳句でも応援を!
俳句でも オリンピックも 背泳ぎだ ふみつか
夢かなう オリンピックの 泳ぎかな ふみこ
みなさんも北京五輪に記念の俳句をのこしましょう。
おやこの俳句教室(35)
夏の俳句教室B 青の俳句にチャレンジ!
競泳の宮下純一選手は北京五輪で決勝まで進みました。青の俳句大会のせんぱいです。みんなでお祝いしましょう。
前回のふみつか君の応援俳句も北京(ぺきん)に届きました。宮下さんのようにオリンピックの選手をめざして水泳をしている人は特に感動したでしょうね。
さて、もうすぐ夏休みも終わりになります。「南九州市かわなべ青の俳句大会」は9月が締め切りです。みなさんはどんな季語で感動を俳句にするか楽しみです。くわしいことはホームページでかくにんしましょう。
毎年、青の俳句大会に応募されているTくんのお母さんよりメールがありました。夏休みのようすがよくわかりましたので、ここに紹介します。
『子どもたちの青の俳句提出が迫ってきました。長男には季語調べをさせてみましたが、4年生がわかる言葉、そして季節とぴったりする言葉というのは案外難しいですね。それでも、親子で「へえー」などと新鮮な驚きを感じながら調べてみました。』
季語さがしで、ふだん気がつかないことばを発見することがあります。みたことがある花や虫なども、なまえを知らずにいたかもしれませんね。また、これからみる花や虫もあるでしょう。植物や昆虫図鑑などで季語をおぼえておきましょう。外で俳句をつくるときに役立ちます。
それぞれの年齢にあった俳句が一番です。みなさん、がんばりましょう!
おやこの俳句教室(36)
スポーツの秋
芸術の秋!
「南九州市かわなべ青の俳句大会」は9月22日に締め切り。みなさんはどんな俳句を投句されましたか。第10回記念大会の発表が楽しみです。
さて、運動会シーズンです。高校、中学、小学、幼稚園、地域と続きます。
体育が得意のTくん。いつもと違って、運動会の主役です。
かけつこは苦手だけど運動会は大すきとふみつかくん。
「運動会元気いつぱい走ろうよ ふみこ」
お母さんの応援で、ふみつかくんは頑張るでしょう。
おやこの俳句教室(37)
手紙も俳句も!
「S選手がんばって」
新聞で国体の写真をみました。ぼくは予選から決勝までの走りを想像しました。自分を強くするには、どうしたらできるのですか。
雨の日、風の日、晴れの日、曇りの日と体調はちがうと思います。これからも、がんばってください。
*Tくんが陸上のSさんに書いた手紙です。
運動会スタートダッシュ最後まで
*Sさんから返事をもらったTくんは運動会でがんばったようです。陸上選手をめざしてTくんは、さらに努力するでしょう。俳句もたまには、作ってほしいなあ。
おやこの俳句教室(38)
ねんりんピックで表彰!
第21回全国健康福祉祭かごしま大会は10月25日から4日間、鹿児島県で開催されました。10月26日に出水市では俳句交流大会がありました。地元の小学生が参加した大会は楽しいものでした。出水市実行委員会特別賞作品に輝いた10名の俳句を紹介(作者名は省略)します。選者は鹿児島県俳人協会会長の大岳水一路先生です。
父の日に今日もお仕事ありがとう (小学6年生)
日がくれてスズムシたちが風運ぶ (小学6年生)
ひまわりはなかよしなんだ太陽と (小学4年生)
こもれびが少しまぶしくなってきた (小学4年生)
鶴の声冬が来たとのおしらせだ (小学6年生)
つるが飛ぶ雲ひとつない大空を (小学6年生)
梅雨きたる日本を雲で支配する (小学6年生)
あめのあとこころをつなぐにじがある (小学5年生)
寒い朝ふとんがぼくをはなさない (小学6年生)
ふっかつ祭イエスキリストすごいんだ (小学6年生)
しっかりとした言葉で17音の俳句になっています。みなさんも、まけないで俳句を作ってみましょう。
おやこの俳句教室(39)
冬児日記より
2008年11月28日(金)
第10回南九州市かわなべ青の俳句大会
「青の俳句大会」の新聞発表があった。川辺町から南九州市になって初めての記念大会である。過去最多の応募128266句(51115人)だった。本紙朝刊には特別賞の作品と学校賞のコメントが紹介されていた。
福永耕二賞は「夏空に縄文杉の力こぶ」(中学二年生)。ー中略ー
今回、青の俳句は特別賞19点と特選・入選・佳作3284点、学校賞20校が選ばれた。入選のかげには多くの作品があればこそ。自分自身の俳句は大切にしたい。選者の先生方にはみなさんの俳句が届いています。
※南日本新聞の朝刊をみての私の日記です。青の俳句に来年もぜひ応募してくださいね。継続こそ力です。学校賞をみると日々の努力次第だと思います。
おやこの俳句教室(40)
児童俳句鑑賞@
〜ひかりのゆき〜
「この地にはひかりのゆきがふっている」
シンガポール日本人学校小学部6年生の作品。
この俳句は、第6回少年少女かわなべ青の俳句大会《小学生の部》で南日本新聞社賞に輝いたものです。
シンガポールは日本から遠い国ですね。赤道に近いところにあり、雪がふることはありません。しかし、「ひかりのゆきがふっている」と表現しました。すばらしい感性です。
同大会の句評で高岡修先生は「こういう表現こそが詩なのです」と書いておられます。詩人でもある先生をうならせました。〈ひかりのゆき〉は、まばゆいほどの太陽光線からゆきの連想です。
バレンタインの俳句募集!
第3回バレンタイン俳句作品を募集いたします。投句をよろしくお願いします。親子で、ありがとうの気持ちを俳句にしてみませんか。親子でなくてもOKです。
季語はバレンタイン、バレンタインデー。
・バレンタインデー
バレンタインデーは2月14日の記念日です。この季節は木々も芽吹き、小鳥は活発に動き始めます。
近年、日本では女性から男性にチョコレートなどをおくるようになりましたが、ヨーロッパではその昔、親子が愛の教えと感謝を書いたカードを交換する習わしだったそうです。
バレンタインの俳句は今回も、真帆さんが選をしてくださいます。どしどし送ってください。
募集期間:2月28日まで「にじのたね」専用窓口、又はEメールでご投稿ください。
発表:3月下旬予定HP「にじのたね」おやこの俳句教室(43)
※掲載について
作品と名前は掲載されてもよいものとします。ペンネームでも可。
追記 募集期間を過ぎましたので、受付は終了いたしました。投句いただきました皆様、有難うございます。 真帆
春のおとずれ
野山は新芽の匂いでいっぱいです。鳥のさえずりや咲く花々にいやされる季節ですね。すべてが春のおくりもの。そとに出て、俳句を作ってみたくなります。
うめの花のあとは、もくれん、こぶし、ももの花、さくらと続きます。今年は開花も早そうです。
平成23年春の鹿児島〜大阪間の直通新幹線は「さくら」の愛称に決まりましたね。桜前線のように南から北へ。2年後が楽しみです。
みなさんとさくらの俳句を作ってみましょう。バレンタインのあとは桜特集です。
バレンタイン俳句入選発表!
第3回バレンタイン俳句ありがとうございました。投稿の俳句一覧が届きました。おやこで俳句を出してもらい、何度も読み返しています。
2月14日のバレンタインの俳句は真心あふれる作品ばかりでした。さっそく真帆さんの御選を発表します。
特選:ほろ苦さ甘さにくるみチョコ贈る 美卯
″チョコ贈る″で季語と考えてよいかと思い、チョコレート自体に焦点を絞ったこの句をいただきました。ほろ苦さを甘さでくるむというのは恋の告白にも通じる味ですね。
秀逸:手作りは自分の為にバレンタイン みわ
春になったばかりのまだ寒い時期の行事であるバレンタインデー。手作りというぬくもりを誰かに与えるのではなく自分の為に用意するのも素敵ですね。人に渡すのは、きれいに飾ったチョコで、自分自身には自分らしさを大切にということなのかもしれませんね。
佳作:一年の光陰巡りバレンタイン 石川 父
毎年、大切な人からのバレンタインプレゼントを楽しみにしておられるのでしょう。また、この季節が来たのだなと1年を振り返っているのです。
佳作:逆チョコに想いを託すバレンタイン kee
バレンタインデーの普及で、日本での習慣である女性から男性へという形だけでなく、義理チョコ(人間関係を円滑に)友チョコ(普段の感謝を込めて)などのバリエーションがありますね。本来は聖人を称える日ですから、どれもふさわしいと思います。逆チョコは男性から女性に渡すチョコですね。女性からの告白OKという日にあえて、というタイミングと「託す」というのが心情をよく伝えています。
★ わかち書きで投句されていた方が多く見うけられました。投句フォームが横書きであったせいもあるでしょうか。特別に自分はわかち書きでという主義ならばかまいませんが無意識ならば、すき間をあけたり行がえの必要はありません。
真帆さんの温かい選評に感激します。ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
※今年も、選者という大役をいただき有難うございました。投句してくださった皆様に心より感謝いたします。次回も是非、ご参加ください。(真帆)
桜の俳句
今年は桜の開花がとても早かったですね。みなさんは、どんな桜の俳句を作ったでしょうか。
ふるさとの山桜。ふるさとの道は遊び場、友だちといろいろな遊びをしたなあと、なつかしくなりました。
ふるさとの道は遊び場山桜
うまく作れなくても、みなさんの言葉でよいのです。いい俳句は絵になります。どこかにポイントのある俳句ができれば最高ですね。
最後に有名な桜の俳句をあげてみます。村上鬼城作品より、
「ゆさゆさと大枝ゆるる桜かな」
大桜そのものが目に見えてきます。
一句かんしょう
〇えだまめさんかわからじゃんぷとびだした
やまがたの小学1年生のはいくです。たべようとおもったら、かわからとびだしたのです。
りょうてでとも、かたてでつまんでともいっていませんが、かわからじゃんぷしたようすで、あおさんのかおもてのうごきもわかります。えだまめさんのかおまでもみえるようです。
(俳句雑誌「湾」より転載)
皆既日食は7月22日です!
皆既日食は鹿児島県・トカラ列島の悪石島などでは、最大6分25秒ほど観測できるそうです。これは、皆既日食の最大継続時間7分40秒にせまる長さです。通常の観測だと2〜4分程度が多いそうです。
日食は地球と月と太陽が一直線に重なる天体ショーです。日食の時は、太陽と月が同じ方向にくる新月におこります。しかし、新月のときでも、地球と月と太陽が一直線にならないときがあります。
次の観測は26年後。また、皆既日食を同じ場所で観測しようとしたら、360年に1回ぐらいとか?。
夏休みは親子で天体観察も楽しいかもしれません。俳句も作ってみましょう。
夏の俳句教室@
「ヨット出づ水平線をかたむけて 若松陵月」
いきいきとしたヨットの実習風景に出合った吟行(ぎんこう)作品です。
作者は水平線を傾けてと、ヨットの出て行く動きを表現しています。すっきりした写生(しゃせい)ですね。
みなさんだったら、どんなヨットの俳句ができたでしょうか。俳句には視線が大事です。
夏休みは家族みんなで俳句を作ってみましょう。
夏の俳句教室A
トカラ列島では皆既日食を観測する絶好の天気にはなりませんでした。それでも観測者はトカラの島民に歓迎されて、貴重な体験だったと言います。小学生の歓迎も多くのみなさんに喜ばれました。島でのひとときは世界中で語り継がれることでしょう。
冬児日記より
2009年7月22日(水)
部分日食
部分日食を観ることができた。朝から雨が降ったり止んだりと、あいにくの曇り空だったが、午前11時前には最高潮。雲間から太陽、世紀の天体ショー。自然の恩恵をあらためて感じた。
俳句「夏休み」
世紀なる天体ショーや夏休み
日食に学ぶことあり夏休み
夏休み日食グラス一度きり
束の間のピンホールかな夏休み
部分日食は多くの場所で観測されましたが、みなさんは日食の感動を作文や日記、詩や俳句などに残したでしょうか。書き留めておくことが大事ですね。また、26年後をたのしみに勉強したいと思います。最後にクイズです。
@地球…( )……太陽が一直線になる皆既日食。
A地球の直径は月の何倍ですか?(約 倍)
B太陽の直径は月の何倍ですか?(約 倍)
C同じ場所で皆既日食をみるとしたら、約(150年、250年、350年)に1回ぐらい。
夏の俳句教室B
自分が作った俳句の鑑賞もたのしいものです。どんな場面で、どのような思いが作品に込められているかなど、字数を決めて書いてみるのも勉強です。
自句自解2
110字鑑賞
路刈りに先生もゐて黙礼す
かつて田舎からの帰りのバスで出来た俳句だ。折しも清掃中の住民と児童のそばに知り合いの先生がいた。車窓から黙礼するばかりだった。汗だくの顔をタオルで拭きながらの先生だ。お盆前になると思い出す。いまはどこの小学校であろうか。(朝日新聞「声」投稿の一部転載)
ー前回の解答ー
@地球…(月)……太陽が一直線になる皆既日食。
A地球の直径は月の何倍ですか?(約3.6倍)
B太陽の直径は月の何倍ですか?(約400倍)
(一口メモ)
太陽と月が同じ大きさにみえるのは、地球と太陽の距離が地球と月の約400倍離れているためです。
C同じ場所で皆既日食をみるとしたら、約(150年、250年、*350年)に1回ぐらい。
お月さま
9月5日、満月が秋の夜空に浮かんでいます。ほんとうに美しいお月さまです。小学生の頃、空に大きな穴があいていると先生に言ったことを思い出しました。
地球は一日一回、自転しています。月の出や日の入りは新聞に出ていますね。ラジオの夏休み子ども電話相談で、月の入りと月の出について質問した小学生がありました。よく新聞をみていると感心しました。
月と言えば秋の季語です。ほかの季節は、春の月、夏の月、冬の月と呼びます。みなさんも、お月さまの俳句を作ってみましょう。
次の満月は10月4日、十五夜は10月3日です。中秋の名月をたのしみにしています。