山下雅司さんが作っておられる小学校低学年と保護者向けの俳句入門です。
  第1回〜74回、75〜86回、87〜91回、92〜98回、99〜103回、104〜110回、110〜115回、116〜122回、123〜127回、128〜134回、135〜139回、140〜146回は入門のページのリンクからどうぞ。



おやこの俳句教室(147)
4月:俳句グループライン

 俳句グループラインを始めて4月で一年です。今のところ、おやこの俳句教室の参加者に限定しています。以下は昨年5月の部分です。タイムリーに既読されるのが嬉しいですね。
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2018年5月4日(金)
2018/5 俳句
おやこの俳句教室よろしくお願いします。
写真は大岳水一路先生の色紙です。

   グループ画像は引鶴の色紙で、大岳水一路先生の代表作です。〈やまなみは空への渚鶴引けり〉。ツルは家族単位で過ごしますが、俳句グループも俳句を通じて親しいトークができればこれ以上の喜びはありません。

2018年5月5日(土)
私の代表作(1)

風光る鳩と子供のゐる広場 山下雅司 
(平成8年5月南日俳壇・草間時彦選)

 私は平成7年から南日本新聞社の「南日俳壇」に投稿し、この俳句が初めて新聞に掲載されました。新聞の俳句がなければ実作は定年後になっていたかもしれません。

2018年5月16日(水)
おやこの俳句通信   2018/5  おやこの俳句教室(136)がHP「にじのたね」にアップされました。今月は春のミニ吟行と例句、投句コーナーには春の俳句が掲載されています。「おやこの俳句鑑賞」や「おやこの歳時記」も連載(^3^)/。ご覧ください。次回は、かわなべ「青」の俳句大会の紹介と春の俳句選を掲載の予定です。作句と選句、作品鑑賞はHP「にじのたね」のフォームからお願いします。
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 来月からは新元号の令和(れいわ)です。おやこの俳句教室も装い新たなスタートで進めたいと思います。ジュニアのみなさんの参加に期待して俳句鑑賞に「青の俳句」作品を取り上げる予定です。よろしくお願いします!!   


では、ここでクイズです。次の俳句はどの分類に入るでしょうか。@〜Fの番号から選んでください。

花冷や夜はことさらに花白く 後藤夜半
(はなびえやよはことさらにはなしろく ごとうやはん)

 @時候A天文B生活C地理D植物E動物F行事


 みなさんも4月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

押し合うて海を桜のこゑわたる 川崎展宏
(おしあうてうみをさくらのこえわたる かわさきてんこう)



[おやこの歳時記]

季語73:はな(花)植物・春
花のなかでもっとも華やか。花というと桜をさすといわれます。花盛り、花影、花明り

やがて空の色の勝りて花吹雪 緑川美世子

季語74:はるのうみ(春の海)地理・春
春のおだやかな海のことです。陽気もよくのどかな感じが伝わってきます。

やはらかき光溜めをり春の海 山下雅司



【ご案内】

〜春のミニ吟行〜
今年も4月29日に春のミニ吟行を開催します。平成最後のミニ吟行です。

日時…平成31年4月29日(月)昭和の日    8時30分〜10時
場所…甲突川左岸緑地一帯 春の木市
     (大久保利通像前に集合)

クイズの答はこちらからどうぞ!



おやこの俳句教室(148)
5月:祝 令和元年

 毎日が弾ける五月来たりけり 青野迦葉
 (まいにちがはじけるごがつきたりけり あおのかよう)

 今月から令和となりました。おやこの俳句教室も新しく、わかりやすく見てもらえるように少し変えました。毎月その月の季語を分類別に掲載します。
 季語の解説は「おやこの歳時記」を参考にしてください。一句でも出来たら投稿してね!!

五月の季語

@時候 ごかつ(五月)りっか(立夏)なつめく(夏めく)
A天文 あおばかぜ(青葉風)かぜかおる(風薫る)
B生活 ころもがえ(更衣)しんちゃ(新茶)
C地理 うなみ(卯浪)
D植物 あおば(青葉)かあねえしょん(カーネーション)うのはな(卯の花)
E動物 めじろ(眼白)はつがつお(初鰹)さば(鯖)
F行事 こどものひ(子供の日)ははのひ(母の日)まつり(祭)

 今年は5月6日が立夏。夏がはじまる日です。青葉をわたる青葉風は気持ちよいですね。ころもがえの五月です。夏めくという季語もあります。新茶の季節です。卯の花の咲く頃は波立ちが多くなります。めじろを知ってますか?鳥のさえずりも楽しそう。カーネーションは母の日のプレゼントかな。
  


 みなさんも5月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

かぜたべてそらに一かくこいのぼり 小学1年生
(第17回南九州市かわなべ青の俳句大会作品集より)



[おやこの歳時記]

季語75:わかば(若葉)植物・夏
樹木の初々しい葉の総称。山若葉、谷若葉、里若葉、若葉雨、若葉風。

あらたうと青葉若葉の日の光 松尾芭蕉

季語76:くさぶえ(草笛)生活・夏
草や木の葉を唇にあてて吹くこと。

草笛を吹き青年の顔の父 大関靖博




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おやこの俳句教室(149)
6月:梅雨入り

 飛彈の子の花いちもんめ梅雨晴間 松崎鉄之助
(ひだのこのはないちもんめつゆはれま まつざきてつのすけ)
 
六月の季語

@時候 ろくがつ(六月) みじかよ(短夜) つゆにいる(梅雨に入る) つゆさむ(梅雨寒)
A天文 さみだれ(五月雨) かぜかおる(風薫る) つゆ(梅雨) つゆのほし(梅雨の星)
B生活 たうえ(田植) ほたるがり(螢狩) くさとり(草取)
C地理 なつのかわ(夏の川) つゆでみず(梅雨出水)
D植物 じゅうやく(十薬) あじさい(紫陽花) つゆたけ(梅雨茸) さくらんぼ
E動物 ほたる(螢) くも(蜘蛛) あり(蟻) はえ(蝿) つゆのちょう(梅雨の蝶)
F行事 ときのきねんび(時の記念日) ちちのひ(父の日)

 梅雨の時期です。梅雨の季語を並べてみました。時候、天文、地理、植物、動物と使い方がさまざまです。梅雨晴は梅雨の期間中にある晴れ間です。五月雨は雨そのものですが、五月晴は五月雨の晴れ間です。俳句はこのように自然と季語を勉強することになります。パセリ、玉ねぎ、すもも、らっきょうなど食べ物も季語です。好きなものを俳句にしてみましょう。


 みなさんも6月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

ウミガメがなみだをながしいのちうむ 小学2年生
(第16回南九州市かわなべ青の俳句大会優秀作品集より)



[おやこの歳時記]

季語77:ほたるがり(螢狩)生活・夏
夜の水辺でホタルを追ったりながめること。
螢見、螢舟

やはらかく肩つかまれし螢狩 朝倉和江

季語78:ちちのひ(父の日)行事・夏
六月の第三日曜日です。

父の日や皿をはみだす蟹の脚 畠山譲二




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おやこの俳句教室(150)
7月:夏休み

七月の青嶺まぢかく溶鉱炉 山口誓子
(しちがつのあおねまぢかくようこうろ やまぐちせいし) 
 
七月の季語

@時候 しちがつ(七月)つゆあけ(梅雨明)なつのよる(夏の夜)せいか(盛夏)
A天文 なつのつき(夏の月)なつのくも(夏の雲)ゆうだち(夕立)あさやけ(朝焼)ゆうやけ(夕焼)なつのあめ(夏の雨)
B生活 ゆかた(浴衣)みずあそび(水遊び)きんぎょうり(金魚売)せんぷうき(扇風機)れいぞうこ(冷蔵庫)ふうりん(風鈴)ひるね(昼寝)
C地理 あおた(青田)なつのやま(夏の山)たき(滝)なつのうみ(夏の海)
D植物 ゆり(百合)ねむのはな(合歓の花)めろん(メロン)ばなな(バナナ)さるすべり(百日紅)
E動物 なつのむし(夏の虫)てんとうむし(天道虫)こがねむし(黄金虫)かぶとむし(兜虫)せみ(蝉)
F行事 ぎおんまつり(祗園祭)ろくがつどう(六月灯)

 梅雨が明けるといよいよ夏本番です。夏休みの宿題に俳句が出るかもしれません。みなさんはどんな計画を立てますか。昆虫採集や海水浴、キャンプなど俳句の題材はたくさんあります。植物図鑑を見たり、天体観察もいいですね。


 みなさんも7月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

父と子に青き山々夏休 大岳水一路
(ちちとこにあおきやまやまなつやすみ おおたけすいいちろ)



[おやこの歳時記]

季語79:なつのかぜ(夏の風邪)生活・夏
夏にひく風邪のことです。寝冷えやクーラーで夏風邪は長引くこともあります。

片足は畳に寝ねて夏の風邪 渡辺白峰

季語80:むぐら(葎)植物・夏
空き地などに生い茂った雑草のことです。

自転車の投げ込んであり夏むぐら 大串 章



【俳句募集】

第21回南九州市かわなべ青の俳句大会の俳句募集が始まりました。募集要項は同市のホームページでご確認くださいね。
クイズの答はこちらからどうぞ!



おやこの俳句教室(151)
8月:墓参り

はかまいり知らない人に頭さげ 根本美奈(小三)
(はかまいりしらないひとにあたまさげ ねもとみな) 

 この作品は学芸みらい社「先生と子どもたちの学校俳句歳時記」に掲載のものです。
 仁平勝先生の「俳句鑑賞の勘所」には、定型をどう生かすか、場面をどう切り取るか、何に焦点を当てるか、季語をどう使うか、小学生らしい句などが記述されています。その小学生らしい句に掲句はあります。
 はじめてこの作品を読んで、根本さんの気持ちが自然にわかりました。ふだんとはちがう「はかまいり」の発見です。もうすぐお盆です。
 
八月の季語

@時候 はちがつ(八月)あき(秋)はつあき(初秋)
A天文 ほしづきよ(星月夜)あきのほし(秋の星)あまのがわ(天の川)ぼんのつき(盆の月)りゅうせい(流星)いなづま(稲妻)
B生活 ぼんおどり(盆踊)ぼんやすみ(盆休み)
C地理 ぼんのなみ(盆の波)ぼんろ(盆路)
D植物 ぼんばな(盆花)ふよう(芙蓉)ほうせんか(鳳仙花)おしろいばな(白粉花)あさがお(朝顔)
E動物 あきのほたる(秋の螢)あかとんぼ(赤蜻蛉)あきのせみ(秋の蝉)ひぐらし(蜩)
F行事 ぼんじたく(盆支度)はかまいり(墓参)

 八月は季語が少ない月です。8月8日が立秋で暦の上では秋に入ります。それでもきびしい残暑です。夏休みは長い期間で体調をくずしやすくなります。生活のリズムをしっかりと決めて過ごしましょう。


 みなさんも8月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

断崖は仰ぐものなり鹿の子百合 青野迦葉
(だんがいはあをぐものなりかのこゆり あおのかよう)



[おやこの歳時記]

季語81:はかまいり(墓参)行事・秋
八月の帰省はご先祖さまの墓参りです。子々孫々の行事を絶やさずに。

いくらでも水吸う墓に参りけり 岩田由美

季語82:はつあらし(初嵐)天文・秋
台風のシーズンが迫ります。その最初の強風を表しています。

川波の白きを加ふ初あらし 上田五千石


【俳句募集】

第21回南九州市かわなべ俳句大会の俳句募集が始まりました。募集要項は同市のホームページでご確認くださいね。締切は9月6日(金)です。みなさんの作品を楽しみにしています。
クイズの答はこちらからどうぞ!



おやこの俳句教室(152)
9月:お月見の季節

きょうりゅうが見ていた月をぼくも見る (小学3年生)
(きょうりゅうがみていたつきをぼくもみる)
 第13回南九州市かわなべ青の俳句大会・福永耕二賞受賞作品。
 
九月の季語

@時候 くがつ(九月)にひゃくとうか(二百十日)あきのあさ(秋の朝)あきのよる(秋の夜)よなが(夜長)
A天文 ゆうづきよ(夕月夜)あきのくも(秋の雲)あきのにじ(秋の虹)あきのゆうやけ(秋の夕焼)たいふう(台風)つき(月)
B生活 やがく(夜学)よなべ(夜なべ)むしうり(虫売)あきのひ(秋の燈)
C地理 はなの(花野)あきのうみ(秋の海)あきのみず(秋の水)
D植物 あきくさ(秋草)こすもす(コスモス)つゆくさ(露草)もも(桃)なし(梨)しょうが(生姜)
E動物 むし(虫)かねたたき(鉦叩)かまきり(蟷螂)とんぼ(蜻蛉)あきのはえ(秋の蝿)あきのか(秋の蚊)まつむし(松虫)すずむし(鈴虫)さけ(鮭)
F行事 しゅうぶんのひ(秋分の日)しきき(子規忌)けいろうのひ(敬老の日)

九月は夏の暑さから解放されて夜もひんやりとした季節です。空気も澄んでお月見も最高です。タカの渡りも始まります。アカハラダカの渡りを観察するにはは九月中旬ごろが最適です。台風の季節で渡り鳥には命がけの移動になります。無事に帰ることができるように祈るだけです。 


 みなさんも9月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

こほろぎのこの一徹の貌を見よ 山口青邨
(こうろぎのこのいってつのかおをみよ やまぐちせいそん)



[おやこの歳時記]

季語83:はくろ(白露)時候・秋
処暑から15日目にあたる9月8日ごろです。

草ごもる鳥の眼とあふ白露かな 鷲谷七菜子

季語84:あきのななくさ(秋の七草)植物・秋
萩、尾花、葛の花、撫子、女郎花、藤袴、桔梗が秋の七草。

子の摘める秋七草の茎短か 星野立子


【俳句教室のネーミングについて】

朝晩は秋の気配を感じてきました。おかわりないでしょうか。体調には留意ください。
 今年10月で俳句教室は15周年となります。母校の閉校で「あすなろ俳句教室」は終わり、姉妹篇の「おやこの俳句教室」はホームページ「にじのたね」に掲載してもらい、回を重ねてきました。皆様に感謝です。
 今年は年号も令和に改まりました。そこで俳句教室も15年の節目に新しいネーミングでのスタートはどうかと考えています。ご意見をお聞かせください。(まさじ)
クイズの答はこちらからどうぞ!



おやこの俳句教室(153)
10月:渡り鳥

鷹渡るまばたき忘れをりにけり 小浜十四子
(たかわたるまばたきわすれをりにけり こはまとよこ)
 
十月の季語

@時候 じゅうがつ(十月)あささむ(朝寒)みにしむ(身に入む)
A天文 あきばれ(秋晴)あきのそら(秋の空)あきのにじ(秋の虹)あきのひ(秋の日)あきのゆうやけ(秋の夕焼)あきのこえ(秋の声)
B生活 いねかり(稲刈)ふゆじたく(冬仕度)しょうじあらう(障子洗ふ)
C地理 かりた(刈田)あきのかわ(秋の川)あきのやま(秋の山)
D植物 はつもみぢ(初紅葉)いね(稲)しんまい(新米)しいたけ(椎茸)かき(柿)りんご(林檎)
E動物 わたりどり(渡り鳥)ことりくる(小鳥来る)もず(鵙)きつつき(啄木鳥)
F行事 うんどうかい(運動会)あきまつり(秋祭)

十月は渡り鳥の季節です。鷹の渡りを見るために高い山に登ったことはありませんか。この近くでは金峰山があります。宮崎県の金御岳には昨年行きました。サシバがよく観察できました。鷹柱(たかばしら)は壮大です。上昇気流を見逃さず弧を描きながら青空へ。まさに柱のようです。


 みなさんも10月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

一峡を以て国境鳥渡る 倉田紘文
(いっかいをもてくにざかいとりわたる くらたこうぶん)



[おやこの歳時記]

季語85:ことりくる(小鳥来る)動物・秋
秋に渡ってくる小鳥。山から下りてくる小鳥です。

小鳥来てうれしきことをいひあへり いさ桜子

季語86:はつもみぢ(初紅葉)植物・秋
今年はじめて見る紅葉です。色々の装いが楽しめます。

踏み分けて行けぬところに初もみぢ 遠藤若狭男


【おかげさまで15周年!!】

10月で俳句教室は15周年です。心から皆さまに感謝しています。11月から新ネーミングで始まります。作句、選句、鑑賞、その他、今後ともお付き合いください。また、心に残った俳句などご感想もお待ちしています。(まさじ)

例年は年度の真ん中の10月にページを改めて掲載していますが、今年は次回の新ネーミングに合わせて、新しい入り口をつくろうと思っています。
出来るだけ見やすい(読みやすい)サイトであることを目指しています。素人ゆえの技術不足は否めませんが、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。(真帆)