山下雅司さんが作っておられる小学校低学年と保護者向けの俳句入門です。
  第1回〜74回、75〜86回、87〜91回、92〜98回、99〜103回、104〜110回、110〜115回、116〜122回、123〜127回は入門のページのリンクからどうぞ。



おやこの俳句教室(128)
9月:水墨画と俳句

水墨画の対象は自然や花、風景や暮らしなどさまざまです。俳句の題材も自然や植物、動物をはじめ生活など同じです。そして眼目が大切です。作者が感動した対象は必ずいい作品になります。
 俳句は一瞬のひらめきで作品ができる場合もありますが、なかなかうまく対象を表現できないことも多いのではないでしょうか。どんな言葉だったらうまく表現できるか悩みます。うまく作ろうとすればなおさら作品が出来ません。
 上達には本を読むことから始めてみましょう。俳句の作り方や歳時記、句集などは図書館で借りることもできます。
 水墨画であっても、水墨画教室で有名な先生に基礎を教えてもらい実際に手ほどきを受けるわけです。
 俳句講座が俳句を作るきっかけになった方が多いのも同じです。よい指導者に恵まれると自分でも気づかなかった才能が発見できるわけです。
 芸術の秋です。一句を残してみましょう。根気よく継続することが何より大切です。


では、ここでクイズです。次の俳句はどの分類に入るでしょうか。@〜Fの番号から選んでください。

鳥食に似てひとりなる夜食かな 能村登四郎
(とりばみににてひとりなるやしょくかな のむらとしろう)

 @時候A天文B生活C地理D植物E動物F行事


 みなさんも9月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

通学の道まっすぐに曼珠沙華 岩下勝也
(つうがくのみちまっすぐにまんじゅしゃげ いわしたかつや)



[おやこの歳時記]

季語35:さはやか(爽やか)時候・秋
秋の爽快な感じを言います。秋さやかというだけで季節感が漂ってきます。だれもが心身に感じる言葉です。

雲見つつ日向歩けば爽かに 中村秋晴

36:こすもす(コスモス)植物・秋
キク科の一年草。紅色や白色など咲きみだれて風にゆれ通しです。根がしっかりと張って風にも強い花。

秋桜少年少女何を詠む 山下雅司


【選句コーナー】

夏の俳句

イムさん選

ひめますの群れ黒々と夏の湖 まさじ
夏は黒々と大人も子供もなるのですけれど、湖の中のひめますまで、黒々としているのですね。ひめますのグロテスクな柄が黒々と群れる夏の息吹が感じられます。

夕凪の島膨らますおけさ節 真帆
いつもは何気ない景の島がおけさ節を流し、島が膨らんだように活きたっているのですね。この日ばかりは、地球に浮かぶ島の存在がありありと見えます。

雅司選

雲の上に雲のかがやく夏の空 イムさん
夏の空に雲のかがやきです。上空に積み重なる雲。雲の上に雲といわれてみるとなるほどそうです。平明な描写で映像が広がります。

夕凪の島膨らますおけさ節 真帆
おけさ節は新潟県民謡の「佐渡おけさ」でしょうか。夕凪は夏の夕方、海風から陸風に変わるその時に風が止み凪になること。島膨らますおけさ節でゆったりとした安堵感も漂ってきます。

真帆選

雲の上に雲のかがやく夏の空 イムさん
夏の空ならではの、もくもくと盛りあがった雲を思い浮かべました。夏の雲の色や質感が感じられます。高くなればなるほど、目が痛くなるほどの眩しさ。

雪渓を遠目に砂と違へけり まさじ
雪と砂は全く異質なのに、こうして並べてみると確かにそんな感じがするのが面白いです。融けずに残った古い雪が遠くからは砂のようにさらさらとしてみえたのでしょうか。


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おやこの俳句教室(129)
10月:俳句を作る留意点

 俳句は短い文芸です。どんなに内容がよくても選句から外れることがあります。どのようなところに気をつければよいのでしょうか。少し留意点を考えてみましょう。

○5・7・5の定型になっているか…俳句はこのリズムが一番大切です
○平明な作品に仕上がっているか…俳句はわかりやすいことが大事です
○説明的な表現になっていないか…情景を説明すると感動が薄い作品になります
○正しい季語を使っているか…しっかりと歳時記にある季語を使うことです
○動詞は一つに絞っているか…動詞が二つ以上あると動きが分散してしまいます
○具体的内容が伴っているか…五感を使って実景をしぼることです
○同じ意味の言葉を使ってないか…同じ意味の言葉があった時はどちらを使うか考えます
○因果関係は明解であるか…原因と結果が間違いないか内容を見直します
○語順で損をしていないか…いい内容なのに語順で失敗することがあります
○字余りになっていないか…上五の字余り以外はできるだけ無くします
○散文的になっていないか…俳句は作文ではありません。想像がふくらみます
○助詞がいらないのではないか…助詞が省略できるのに助詞を使っています
○何を詠もうとしているのか…季語を一つに絞って感動を表現します
○言葉づかいは正しいか…国語辞典にある言葉を使っていますか
○固有名詞が生かされているか…だれもが知っている地名でも俳句に使う名詞は注意する
○切れ字を生かしているか…17音の俳句を生かすには切れが大切な要素です
○二句一章になっているか…一章が季語+内容で構成されています
○一句一章になっているか…一章が一句から成り立っています


では、ここでクイズです。次の俳句はどの分類に入るでしょうか。@〜Fの番号から選んでください。

むらさきの指もて葡萄食べ終る 緑川美世子
(むらさきのゆびもてぶどうたべおわる みどりかわみせこ)

 @時候A天文B生活C地理D植物E動物F行事


 みなさんも10月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

雲を出て雲に入りたる差羽かな 南久美子
(くもをでてくもにいりたるさしばかな みなみくみこ)



[おやこの歳時記]

季語37:にしきぎ(錦木)植物・秋
ニシキギ科の落葉低木。紅葉が美しい。黄赤色に熟した実も目に鮮やかです。錦木紅葉、錦木の実。

錦木や野仏も夜を経たまひぬ 森澄雄

季語38:たかわたる(鷹渡る)動物・秋
ワシタカ科うち小形の部類の鳥。鷹のうち刺羽(差羽)が南へ帰ることです。上昇気流に乗る鷹柱は壮大。

天はいま宴の如し鷹柱 大岳水一路


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おやこの俳句教室(130)
11月:「青の俳句」作品鑑賞

 1999年に始まった「かわなべ青の俳句大会」の作品鑑賞を俳誌「湾」に掲載しています。ジュニア俳句寸評と同時掲載として、同年代の俳句を紹介するものです。作者名は割愛して「青の俳句」入賞時の学年のみ作品の後に入れています。おやこの俳句鑑賞と同じ110字程度の鑑賞文です。今月はその第1回作品を転載します。

  ……………………………
「青の俳句」作品鑑賞(1)

秋の空ひこうき雲のすべり台(小学4年)

 秋の空はすみわたり、くっきりとした視界が広がっています。空を見上げると飛行機が南へと飛んで行くのです。飛行機のあとに生まれる白い雲、ひこうき雲です。思わず「すべり台」がひらめいたのでしょう。発想の豊さにおどいた作品です。
(第1回少年少女かわなべ青の俳句大会・鹿児島県俳人協会賞受賞作)

 俳誌「湾」平成29年9月号所載(山下雅司)
  …………………………… 

 この作品鑑賞は「福永耕二顕彰の会」のブログに転載されています。小学生から高校生までの優秀作は南九州市ホームページにあります。今月末は第19回大会の優秀作が発表されます。


では、ここでクイズです。次の俳句はどの分類に入るでしょうか。@〜Fの番号から選んでください。

鑑真の海青々と返り花 大岳麗子
(がんじんのうみあをあをとかへりばな おおたけれいこ)

 @時候A天文B生活C地理D植物E動物F行事


 みなさんも11月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

梯子より人の匂ひや神無月 桂信子
(はしごよりひとのにおひやかんなづき かつらのぶこ)



[おやこの歳時記]

季語39:つはのはな(石蕗の花)植物・冬
つわぶきの花。初冬に黄色の花をつけます。暖地、海辺などに自生。キク科の常緑多年草。葉は薬用に葉柄は食用になります。

猫鳴いて海を見てをり石蕗の花 渡辺七三郎

季語40:とうこう(冬耕)生活・冬
冬、田畑を耕すことです。冬田打。耕すは春の季語ですが、冬耕は寒さの中の作業です。

船に乗る夢いつか消え冬耕す 大串章



【投句コーナー】

秋の俳句

早起きの一人と語る小鳥来る  イムさん
草錦ころげすき腹満たしゆく  イムさん
ポケモンを追いつめ掴む露葎  イムさん
自撮りする菊人形の顔になり  イムさん
刈り終えし地にあふれくる稲雀 イムさん


霊山に鷹を探せり蕉水忌    雅司
禅寺の甍まぶしき秋あかね   雅司
禅寺の広き階あきのかぜ    雅司
メモ帳にしるす羽数や鷹渡る  雅司
鷹渡るここ中郷の顕彰碑    雅司

竈馬工事日程整ひぬ      真帆
秋日影三面記事をひろひ読む  真帆
秋晴や新調の靴きゆうと鳴く  真帆
鶴来る遠近法の死角より    真帆
屋根多き町へ帰らむ秋夕焼   真帆


秋の作品から各投句者ごとに一句を選び寸評をお願いします。 こちらのフォームからどうぞ。


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おやこの俳句教室(131)
12月:手作りの句集を作ろう

俳句を作ってきたら句集を残したいですね。一年に100句できたとしたら十年で1000句ができます。ミニ句集としても200句は必要です。
 しかし、句集は出版物とばかりは限りません。手作りの句集もあります。パソコンで作る便利な方法もあります。手書きであれば作者の息づかいも伝わるでしょう。大変な作業だけに、だれもができるわけではありません。
 知り合いにパソコンで手作りの句集を作る名人がいます。俳句に興味のない人もじっと見入るインターネットで画像を取り込んだ句集なのです。
 世界にたった一つだけの手作りの句集を作ってみませんか。年代順でもよいでしょう。独自のアルバムにしてもよいでしょう。過去に作った作品がよみがえります。さらに創作意欲がわいてくるはずです。


では、ここでクイズです。次の俳句はどの分類に入るでしょうか。@〜Fの番号から選んでください。

空占めて落葉松の芽の点描画 大関靖博
(そらしめてからまつのめのてんびょうが おおぜきやすひろ)

 @時候A天文B生活C地理D植物E動物F行事


 みなさんも12月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

船内に朝日揺らめく十二月 山下雅司
(せんないにあさひゆらめくじゅうにがつ やましたまさじ)



[おやこの歳時記]

季語41:ふゆこだち(冬木立)植物・冬
立ち並ぶ冬の木々の情景。寒さが木立から伝わってくるかのようです。

ひよどりの飛びつく伊賀の冬木立 川崎展宏

季語42:ふとん(蒲団)生活・冬
寒さを防ぐための掛布団、敷布団の総称です。干蒲団 羽蒲団

みちのくや重石のやうな厚蒲団 きくちつねこ



【秋の作品選句】

イムさん選

霊山に鷹を探せり蕉水忌 雅司
忌日のその生涯の魂を訪ねるように、鷹を探しているのですね。心の深い作品ですね。

鶴来る遠近法の死角より 真帆
遠近法を用いても見えない死角、はるか未知の世界から鶴は飛んで来て現実の存在になるのですね。

雅司選

刈り終えし地にあふれくる稲雀 イムさん
地にあふれてくる雀は稲の収穫後に零れた籾を拾う。刈田から飛び立つ雀ではなく寄ってくる稲雀がいい。

鶴来る遠近法の死角より 真帆
今年もシベリアから出水には鶴が渡って来た。作者は「遠近法の死角より」とその方角を見事に表現された。

真帆選

刈り終えし地にあふれくる稲雀 イムさん
小さな生き物は心を和ませる。特に雀は生活に密着した鳥で、その所作も可愛らしい。刈り終えたから「田」ではなく「地」であるのも細かな配慮。

禅寺の甍まぶしき秋あかね   雅司
「禅寺の甍」で、私は黒光りする厚い陶の瓦を思い浮かべた。秋の陽射しの眩しさは特別だ。さし色の様に横切る赤とんぼ。


【第9回トシドンの俳句募集】
 鹿児島県下甑島のトシドンの俳句を募集します。平成21年9月にユネスコの無形文化遺産登録を記念して始めています。今回もよろしくお願いします。

(募集要項)
季語:トシドン
投句:一人3作品まで
締切:平成30年1月7日
発表:平成30年1月中旬
※投句はペンネームも可。
※一句鑑賞は110字程度でお願いします。
※ご参加有難うございました。H30.1.17 真帆


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おやこの俳句教室(132)
1月:第9回「甑島のトシドンの俳句」発表

12月31日の夜、鹿児島県薩摩川内市下甑島の集落ではトシドン行事が行われます。今年は6地区のうち4地区で実施されました。

◇トシドンの俳句

年明けてドラマの主は西郷ドンに 金剛
トシドンのあたり潮鳴遠くなる イムさん
トシドンは小さき島の小さき村 イムさん
トシドンの届けよ無形文化財 イムさん
子を諭す除夜トシドンの声加減 雅司
トシドンを迎へし居間の畳古り 雅司
トシドンを務めし人の家を訪ふ 雅司
つつがなくトシドン迎ふ波の音 真帆
トシドンの気配や間口の薄明り 真帆
トシドン様我が子はみんな良い子です 真帆

……………………………

◇トシドンの俳句鑑賞

トシドンにぼくはよい子とつたえてね まさはる

 トシドンがかぞくのわだいになりました。はなしをきいた子どものきもちがつたわるさくひんです。「ぼくはよい子だからトシドンは来なくてよいです」とおかあさんにいったのでしょう。しまの子どもたちもおなじです。こわくてもしっかりとへんじします。(まさじ)

トシドンの来る夜未来を語りたし 美卯

語りたいのは誰が誰に対してでしょうか。私は、おかあさんがこどもと、「(こどもの)将来について語りたい」と思っていると読みました。子は少し年長で、親の知らないことも少しずつ増えていく、それを母は頼もしくも不安にも感じていて、語るきっかけが欲しいのです。 (真帆)



では、ここでクイズです。次の俳句はどの分類に入るでしょうか。@〜Fの番号から選んでください。

まゆ玉のもつれもみせずしだれけり 鈴木真砂女
(まゆだまのもつれもみせずしだれけり すずきまさじょ)

 @時候A天文B生活C地理D植物E動物F行事


 みなさんも1月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

抱きし子に持たせて長き破魔矢かな 松本たかし
(だきしこにもたせてながきはまやかな まつもとたかし)


[おやこの歳時記]

季語43:はつげしき(初景色)地理・新年
元日の清らかな美しい景色。ふだん見ている景色も一段と新鮮に感じる。

初景色てのひらほどの遠富士よ 山田みづえ

季語44:まつおさめ(松納)行事・新年
門松を取りはらうこと。関東では6日の夕方、関西では14日の夕方に行うことが多い。

夕月の光を加ふ松納 深見けん二



【バレンタイン俳句募集】
例年通りバレンタイン俳句を募集します。締切は2月17日(土曜)。一人3句以内でお願いします。

(募集要項)
季語:バレンタイン
投句:一人3作品まで
締切:平成30年2月17日
発表:平成30年3月中旬
※投句はペンネームも可。
※メールフォームからの投句は こちらからお願いします。(真帆)


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おやこの俳句教室(133)
2月:俳句12か月

 梅の花がいよいよ満開です。梅二月と俳句でよく使われます。花の期間が長いのが桜とちがいます。花といえば桜の花を指して季語になっていますが、そのむかしは梅の花を観賞することが花見だったようです。
 俳句は四季折々を詠む文芸です。自作品を季節ごとに並べれば、俳句をたのしむ喜びがわいてきます。次に揚げる私の12作品は毎月取り替えて飾っています。

白梅や仁王片腕なりし門 
やはらかき光り溜めをり春の海
天空へいざなふほどに春の星
遠出して目の休まりし若葉かな
万緑や風のむかふに桜島
一粒のブルーベリーの舌鼓
ふるさとや目覚めて蝉の声ばかり
級友と行く級友の墓参かな
流れゆく二百十日のちぎれ雲
献血へ行く黄落の風の中
開聞岳は静かなる山十二月
初旅の青年ひとり甑島

1997年の卓上カレンダーの裏に墨で書いています。20年前の俳句がよみがえります。その時々に俳句を残してみましょう。新しい発見があるはずです。


では、ここでクイズです。次の俳句はどの分類に入るでしょうか。@〜Fの番号から選んでください。

走り根の黒々として余寒かな 山下雅司
(はしりねのくろぐろとしてよかんかな やましたまさじ)

 @時候A天文B生活C地理D植物E動物F行事


 みなさんも2月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

白壽なる税申告の誉れかな 山下雅司
(はくじゅなるぜいしんこくのほまれかな やましたまさじ)


[おやこの歳時記]

季語45:うめみ(梅見)生活・春
梅を見に行くこと。観梅。
早梅、寒梅、探梅は冬の季語。

鳶鳴いて鎌倉山の梅見頃 武原はん

季語46:さえかえる(冴返る)時候・春
春になって寒さがぶり返すこと。寒戻る。

鶴の羽や白きが上に冴え返る 河東碧梧桐



【バレンタイン俳句募集】
例年通りバレンタイン俳句を募集します。締切は2月17日(土曜)。一人3句以内でお願いします。
バレンタイン俳句の一句鑑賞も募集中です。110字程度でご投稿ください。

(募集要項)
季語:バレンタイン
投句:一人3作品まで
締切:平成30年2月17日
発表:平成30年3月中旬
※投句はペンネームも可。
※メールフォームからの投句は こちらからお願いします。(真帆)


クイズの答はこちらからどうぞ!



おやこの俳句教室(134)
3月:バレンタイン俳句発表

バレンタイン俳句の発表です。4人から3句づつの投句です。今年も昨年同様に各人の作品より一句を選んでいただき、寸評をお願いします。4月に掲載します。

義理チョコの取り止め突如上司より フラガールさん
中身より見栄えがよろしいバレンタイン フラガールさん 
   バレンタイン婚活は甘くないかもね フラガールさん

黙深くチョコを掻き混ぜ求愛日 イムさん
求愛日チョコどこか欠け父さんへ イムさん
綴り消ゆバレンタインのチョコの文字 イムさん

アリーナに車輌ぎつしり愛の日よ まさじ
ハンカチもバレンタインの袋より まさじ
バレンタイン包む真つ赤な包装紙 まさじ

バレンタイン特設会場にて迷子 真帆
愛の日の切符握りし手の湿り 真帆 
愛の日や追い立てらるるごと地下へ 真帆



では、ここでクイズです。次の俳句はどの分類に入るでしょうか。@〜Fの番号から選んでください。

影となり猫待つ猫や春灯下 緑川美世子
(かげとなりねこまつねこやしゅんとうか みどりかわみせこ)

 @時候A天文B生活C地理D植物E動物F行事


 みなさんも3月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

子等去りし体育館に春の塵  緑川美世子
(こらさりしたいいくかんにはるのちり  みどりかわみせこ)


[おやこの歳時記]

季語47:つみくさ(摘草)生活・春
つくし摘み、げんげ摘み。野の草を摘むこと。

国分寺跡へはこべを摘みながら 細見綾子

季語48:すいば(酸葉)植物・春
すかんぽ。原野に自生、紅紫色の細長い茎。

すかんぽや思ふことみな遠くなり 原 教正



【投句コーナー】
冬・新年の俳句  →次回各人ごとに一句選をお願いします。

家中の視線寄せあひ餅膨らむ イムさん
息しろく指にまつはる始業式 イムさん
青空を抜け出でひらく梅真白 イムさん
風の音のひとり旅なる絵双六 イムさん 
凧揚げのスマホの空は狭すぎる イムさん

青竹の群れかたまりに冬日射す 雅司
冬の夜のブロック塀に影絵の木 雅司
耕二の句と自作持ち寄り納め句座 雅司
菓子箱で作るポストや十二月 雅司
初夢に故郷の山野犬の碑 雅司

平成の青を湛えて初御空 真帆
がうがうと風ばうばうと浜どんど 真帆
爪先の型を留めて霜柱 真帆
油絵の如き艶なる冬木立つ 真帆
練り消しでぼかす輪郭春隣 真帆 

   
【ご案内】
〜春のミニ吟行〜

日時…平成30年4月29日(日)昭和の日    8時〜10時
場所…甲突川左岸緑地一帯 春の木市
     (大久保利通像前8時集合)


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