山下雅司さんが作っておられる小学校低学年と保護者向けの俳句入門です。
  第1回〜74回、75〜86回、87〜91回、92〜98回、99〜103回、104〜110回は入門のページのリンクからどうぞ。



おやこの俳句教室(111)
4月:おやこの歳時記(さいじき)

 今年度は、「おやこの季語集」を「おやこの歳時記」としてスタートします。季語の簡単な解説や分類に加え、これまでに発表された俳句の中から、おやこの俳句寸評も掲載します。作品を選び寸評(50字程度)をお寄せください。
 投稿締切は四季の俳句募集にあわせて下記の通りです。
  夏の歳時記:5月〜7月掲載(締切は5月5日まで)
 秋の歳時記:8月〜10月掲載(締切は8月7日まで)
 冬の歳時記:11〜1月掲載(締切は11月7日まで)
 春の歳時記:2月〜4月掲載(締切は2月4日まで)
 今月の第1回目は2つの行事をとりあげています。@時候A天文B生活C地理D植物E動物F行事にわたり、これからも多くの作品をあげていきます。


 では、ここでクイズです。次の俳句はどの分類に入るでしょうか。@〜Fの番号から選んでください。

柳はしまた桜はし春の水 牧笛郎
(やなぎはしまたさくらはしはるのみず まきてきろう)

 @時候A天文B生活C地理D植物E動物F行事


 みなさんも4月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

晩学や絶えず沖より春の波 鍵和田禾由子→禾へんの一字「禾由」です
(ばんがくやたえずおきよりはるのなみ かぎわだゆうこ)

[おやこの歳時記]

季語1:としどん(トシドン)行事・新年
トシドンの起源は正月行事の一つ。トシドンは、毎年幼児のいる家に来て、一年の行いをたずねるのです。今は下甑島の各集落で大晦日の夜に行われています。

トシドンを見守る歳になりて待つ 真帆
本気になって参加していた幼い頃の正月行事、ふと気がつくと傍観者的大人になってしまっていたのですね。(イムさん)

トシドンや故里背負ふ子になれと 雅司
無形文化財となった古里の新春行事、子供達が大人になってまたその子供達へと、願いをつなぐお正月。いいですね。(イムさん)

季語2:ばれんたいん(バレンタイン)行事・春
聖バレンタインを祭る日がバレンタインデー。女性から愛を告白できる日とされています。2月14日、日本ではチョコレートを贈る風習が定着しています。

校門の内は禁止やバレンタイン ゆうきくん
愛は自由とはいうものの、世のおきて秩序は越えられませんね。(イムさん)

バレンタインいつもと違う男子たち ゆりか
送る方より受ける方が複雑な日なのですね。それを送る側から捉えている面新鮮な着眼ですね。(イムさん)

※季語は春・夏・秋・冬・新年に分類、例句の( )は評者です。

【春のミニ吟行】のご案内

日時:平成28年4月29日(金)昭和の日10時〜12時
場所:鹿児島市甲突川左岸緑地帯「春の木市」会場周辺
会費:無料
※集合は大久保利通像前に10時です。小学生は親子での参加をお願いします。当日作品は希望者のみ、おやこの俳句教室5月の「投句コーナー」に掲載します。
クイズの答はこちらからどうぞ!



おやこの俳句教室(112)
5月:吟行作品と選句

熊本地震から1カ月になります。余震が未だ続いており、ただただ終息を祈るばかりです。心からお見舞い申し上げます。

   今回は、春のミニ吟行作品を無記名で掲載することにしました。
 本来は吟行後に句会を開き、投句者による選句をします。句会場で作品を選ぶ楽しみがあるわけですが、ミニ吟行では作品づくりのみです。
 そこで、選句のみ5人の方々にお願いして、3句づつ選んでもらいました。作品には集計のため番号を付けています。各選者の印で得点としています。

   ○ @橋渡る乳母車あり昭和の日
     A自転車の籠に苗木や春の風
   ▽ Bショルダーに子犬一匹春うらら
   ○ C人波の絶えず薩摩の苗木市
     D夢託すライオン像や青葉風
     E苗木市山椒ひとつ購へり
△▽◇ F春の風市電の軋む高見橋
   △ G楠若葉匂ふ甲突河畔かな
   ☆ H植物のいのちみどりの昭和の日
     I身軽なるリュックサックに苗木かな
   ☆ J甲東の為政晴明なる若葉
   ◇ K池底に静かに眠る春の落葉
   ◇ L甲東のマント反らせり春の風
     M春昼や鳩は食パン啄みて
   △ N商売の葉をむしりてや苗木市
   ☆ O苗木市枝振り見ては尋ねけり
 ○▽ P若葉萌ゆ風にひときは生き生きと

   ☆イムさん選HJO
   ○真帆さん選@CP
   ▽陵月さん選BFP
   ◇フラガールさん選FKL
   △こうじさん選FGN

 ※真帆さんのアドバイス
 D夢託すライオン像や青葉風
  このままでもよいかもしれませんが、「や」の切れが強くて、夢を託している主体がライオン像のようにも読むことが出来そうで、それだと「夢」が更に抽象的になってしまうので、語順を替えるなど工夫されたらよいのではと思いました。  例えば 青葉風ライオン像に夢託し とか。
  …………………………………………
 真帆さんからのアドバイスは作品づくりの参考に掲載させていただきました。作品の寸評は、次回に掲載予定です。


 では、ここでクイズです。次の俳句はどの分類に入るでしょうか。@〜Fの番号から選んでください。

たえず風やり過しをり雪柳 高木晴子
(たえずかぜやりすごしをりゆきやなぎ たかぎはるこ)

 @時候A天文B生活C地理D植物E動物F行事


 みなさんも5月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

海近く住み潮の香に夏近し 稲畑汀子
(うみちかくすみしおのかになつちかし いなはたていこ)

[おやこの歳時記]

季語3:やまわらふ(う)(山笑ふ)地理・春
春の山の明るい感じの景です。長い冬からの開放感も木々の芽吹きでいっそう高まるのです。季節が夏、秋、冬に移ると、山滴る、山粧ふ、山眠るとなります。

故郷やどちらを見ても山笑ふ 正岡子規

季語4:さくら(桜)植物・春
日本の国花になっています。花と言えば桜を指します。朝桜、夕桜、夜桜などと使います。開花宣言の桜はソメイヨシノが標準木になっています。山桜ではありません。

さまざまのことおもひ出す桜かな 松尾芭蕉

【投句コーナー】
春の俳句

春の日の光の芯のこどもたち イムさん
泥のおく頑張っている蛙の目 イムさん
地震の後会えてよかった余花の空 イムさん
阿吽の間を埋める万象花満天星 真帆
受け切れず掌よりこぼるる白牡丹 真帆
咆哮の青葉や夜の地震続く 真帆
引鶴の声おとしゆく頭上かな 雅司
花びらの一片ごとをたなごころ 雅司
火の国の地震鎮まれ春夫の忌 雅司


〔ねんりんピック長崎2016〕の俳句募集

平成28年10月15日〜16日に開催の「ねんりんピック2016長崎」の俳句募集は5月31日までとなっています。  未発表作品1人2句以内です。大会参加申込専用ホームページから募集投句用紙をダウンロードできます。ジュニアのみなさんも奮ってご投句ください!
クイズの答はこちらからどうぞ!



おやこの俳句教室(113)
6月:選評

今回は春のミニ吟行句の選評を掲載します。選句に加え選評までもいただきました。俳句の選は直感的に景が見えるか、そのインパクトがとても大事だと思います。選評に気づかされる新たな発見もあります。

  ☆イムさん選
  H植物のいのちみどりの昭和の日
   植物の命ってみどりなんですね。すばらしい発見だとおもいます。植物に囲まれ身も心も緑に浸る昭和の日なのですね。
  J甲東の為政晴明なる若葉
   大久保利通・甲東が晴明な政治を志した思いが、若葉の中で沸き伝わって来るようですね。
  O苗木市枝振り見ては尋ねけり
   苗木の枝振りで伸びる確かさや育て方などを尋ねたりして、植物への愛情が感じられます。
 
  ○真帆さん選
  @橋渡る乳母車あり昭和の日
   見たままの情景を詠まれたのですが、橋渡る、乳母車が共に未来を象徴しているようで、季語の斡旋も上手いと思いました。
  C人波の絶えず薩摩の苗木市
   賑やかな苗木市の様子が浮かんできます。「薩摩の」と捕らえたのもおおらかで、堂々とした句になりました。
  P若葉萌ゆ風にひときは生き生きと
   若葉の明るさが、風によってさらに生き生きと躍動感を持ちました。素直な感動が伝わってきます。
 
  ◇フラガールさん選
  F春の風市電の軋む高見橋
  K池底に静かに眠る春の落葉
  L甲東のマント反らせり春の風
   L甲東は大久保利道の事だと思いますが、銅像のマントが春風になびいて、温かい日差しやパステルカラーで大久保利道像が色づいたような感じをイメージしてしまいました。見る人が季節を感じて見ると銅像も違って見えるのだと気づいた感じです。  KFは、風景が目に浮かび、私も感じた事があると共感できました。春の日常にで身近な事をよまれて分かりやすいでした。
  △こうじさん選
  F春の風市電の軋む高見橋
   春の風が高見橋に、そして市電は通りすぎていきます。軋みながら、歴史を感じます。
  G楠若葉匂ふ甲突河畔かな
   爽やかな若葉、甲突河畔はいいいですね。
  N商売の葉をむしりてや苗木市
   苗木市が生き生きに感じます。
 

 では、ここでクイズです。次の俳句はどの分類に入るでしょうか。@〜Fの番号から選んでください。

黒く又赤し桑の実なつかしき 高野素十
(くろくまたあかしくわのみなつかしき たかのすじゅう)


 @時候A天文B生活C地理D植物E動物F行事


 みなさんも6月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

草千里白靴の子を放ちやる 福永耕二
(くさせんりしろくつのこをはなちやる ふくながこうじ)

[おやこの歳時記]

季語5:かぜかおる(風薫る)天文・夏
夏の初め、南風に草木の緑の匂ってくるような感じをいいます。薫風(くんぷう)。木々の茂みの匂いばかりか、夏の風の明るいイメージでよく俳句に使われます。

資料館裏の細道風薫る 緑川美世子

季語6:かたつむり(蝸牛)動物・夏
でんでんむし。陸の巻き貝で、頭に二対の角を持っています。長い方の角に眼があり、明暗を感じるだけといいます。角を出したり引っ込めたり、ゆっくり動きます。

かたつむり甲斐も信濃も雨の中 飯田龍太


【選句コーナー】

春の俳句
イムさん選

阿吽の間を埋める万象花満天星 真帆
すばらしい内容ですね。阿吽の間には花満天星のよな万象があるのですね。全てを肯ひあえる世界を十七文字であらわされていることに感銘を受けました。

真帆選

春の日の光の芯のこどもたち イムさん
光の(あるいは影の)芯となって走り回る子供達の姿が目に浮かんでくる。春の日差しがポカポカと暖かい。良寛さんのような穏やかな視線。
花びらの一片ごとをたなごころ 雅司
流れるように散っていく桜を愛しみ惜しむ作者のてのひらに一片の花びらがとどまった。たなごころ(掌)をひらがな表記にしたのが、透き通るようなうすももいろの花びらを受けるのにふさわしい。

雅司選

地震の後会えてよかった余花の空 イムさん
熊本地震の前震か本震の後であろう。「会えてよかった」と叙されている。何かの会合が予定されていたのだろう。余花の空に安堵感を思う。

受け切れず掌よりこぼるる白牡丹 真帆
「掌よりこぼるる」の動き。白牡丹の白さに目がうばわれるようだ。それも上句で受け切れずと叙してあるので、その思いが納得できる。


【俳句ニュース】
水一路句碑建立

 鹿児島県出水市のツル観察センター前に待望のツルの句碑が建立された。俳句雑誌「湾」創刊主宰だった大岳水一路の代表作である。毎季、ツル観察に出かけられ、ツルの水一路と言われた。
 ツルの北帰を引鶴という。数カ月余りを越冬し、シベリアへと帰って行く。第一陣は1月も終わり頃から始まる。3月にかけて続く引鶴の群れ。ツルとの別れを惜しみ無事を祈る。

 やまなみは空への渚鶴引けり 水一路

 ちなみに今季は、過去最多の17005羽を確認し、1月31日390羽のマナヅルから北帰行が始まった。来季は引鶴の句碑が多くのツル観察者の笑顔をさそうことだろう。

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おやこの俳句教室(114)
7月:例句に学ぶ

 俳句はむづかしいとよく耳にします。17音に季語が5音ほどしめており、なかなか思うようにまとめられないむづかしさです。文章も、勉強してうまくなるわけですから、最初は見たことをメモするだけでもよいでしょう。
 ここで、小学4年生の作品をご紹介します。「おみこしの声だんだんと遠くなる」(先生と子どもたちの学校俳句歳時記・学芸みらい社)。
 作者は祭りで、おみこしの声を俳句の題材にしました。ワッショイワッショイという声がだんだん遠くなるようすが浮かんできますね。余分なことは何も言っていません。
 俳句は短い文芸ですから、一つのことだけにしぼることが大事です。17音か12音をひとくくりにして、自分のことばで作ることです。掲句は一回で覚えました。一度読んだら忘れない作品がいい俳句です。
 歳時記には例句がたくさん載っています。その中ですきな作品の形をまねてみるのもよいかもしれません。

   では、ここでクイズです。次の俳句はどの分類に入るでしょうか。@〜Fの番号から選んでください。

向日葵の蕊を見るとき海消えし 芝不器男
(ひまはりのしべをみるときうみきえし しばふきお)


 @時候A天文B生活C地理D植物E動物F行事


 みなさんも7月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

湯沸してつかはずにゐる半夏生
(ゆわかしてつかはずにゐるはんげしょう のむらとしろう)

[おやこの歳時記]

季語7:つゆあけ(梅雨明け)時候・夏
1カ月余りも続いた梅雨があがることだ。例年は7月半ばごろ。沖縄は6月半ば前後、奄美も6月末ごろに梅雨が終わる。日本列島は長いので同じ季語でも差がある。

庭石に梅雨明けの雷ひびきけり 桂 信子

季語8:みずあそび(水遊び)生活・夏
川や池ばかりではない。幼児がお母さんと庭でプールに水を入れてはしゃぐ水遊びを思い出す。今は自然の水遊びから人為的な公園などの水遊び場に移ってきた。

街の子や雨後の溜りの水遊び 石塚友二


【俳句募集】
第18回南九州市かわなべ青の俳句大会

今年も青の俳句大会の作品募集が始まりました。9月7日(水)必着、1人2句以内、小・中・高校・特別支援学校に在学する児童と生徒が対象です。応募の詳細は南九州市のホームページでご確認ください。

クイズの答はこちらからどうぞ!



おやこの俳句教室(115)
8月:夏休み特集

 南九州市かわなべ青の俳句大会は今年、18回目を迎えます。応募対象は小・中・高等学校、特別支援学校に在学する児童生徒です。毎回多くの作品が寄せられて優秀な成績の個人や学校が表彰されます。
 今回は、大会の最高賞である福永耕二賞に輝いた歴代受賞作品の季語とその分類をしてみました。17作品中、春の季語は2句、夏は8句、秋は7句、冬と新年はありません。また季語の分類では、時候2句、天文9句、生活4句、動物1句、行事1句となり、地理と植物はありません。
 作品の募集が夏から秋ということもあり、夏と秋の季語が多くなっているのかもしれません。

 次にその受賞作品の一部分を空欄にしています。作者になったつもりで空欄( )を次の言葉から1つ選んでうめてみましょう。作品の理解がさらに深まり、俳句づくりの参考になるでしょう。
 なお、作品に付してある番号は同大会の回数です。学年と作者名は割愛しています。解答は末尾に掲載しています。

………………………………………………
シャツ、声援、さかあがり、音、未知、太し、縄文杉、優しい、美術館、命、声、廊下、方程式、花、ぼく、飲む、通過
………………………………………………

@(  )がしぶきにぬれて泳ぎ切る(泳ぎ/夏・生活)
A夏の雲空一面の(   )(夏の雲/夏・天文)
B赤とんぼ新キャプテンの( )が飛ぶ(赤とんぼ/秋・動物)
C稲をかる父のにおいの(   )借りて(稲をかる/秋・生活)
D秋の夜( )が生まれ兄となる(秋の夜/秋・時候)
E大試験始まる(  )薄日射す(大試験/春・生活)
F母の日にわたしの気持ちを( )にする(母の日/夏・行事)
G夏空にスパッと解きたい(   )(夏空/夏・天文)
H(     )見てくれていたあきの空(あきの空/秋・天文)
I夏空に(   )の力こぶ(夏空/夏・天文)
J夕焼けよあしたは(   )ぼくになる(夕焼け/夏・天文)
Kふうりんは風の心を( )にする(ふうりん/夏・生活)
Lきょうりゅうが見ていた月を(  )も見る(月/秋・天文)
M(  )して陽炎になる無人駅(陽炎/春・天文)
N明日という(  )の世界へ銀河濃し(銀河濃し/秋・天文)
O炎帝来空傾けて(  )真水(炎帝/夏・時候)
P秋天を差す語り部の指(  )(秋天/秋・天文)


   では、ここでクイズです。次の俳句はどの分類に入るでしょうか。@〜Fの番号から選んでください。

かなかなが来て眠られぬ太郎杉 大関靖博
(かなかながきてねむられぬたろうすぎ おおぜきやすひろ)


 @時候A天文B生活C地理D植物E動物F行事


 みなさんも8月の一句を作ってみましょう。
 作品「                 」
 作者(      )


◇おやこの俳句鑑賞

次の俳句を読んで感じたことを110字程度で書いてみましょう。

星飛ぶや師の選評に門下生 山下雅司
(ほしとぶやしのせんぴょうにもんかせい やましたまさじ)

[おやこの歳時記]

季語9:ざんしょ(残暑)時候・秋
立秋(今年は8月7日)を過ぎると暦では秋。それでも暑さはまだ残ります。これが残暑です。秋暑しの季語と同じ。お便りも暑中見舞いから残暑見舞いにかわります。

秋暑く人住み壊(こぼ)つ異人館 小林康治
季語10:ほしづきよ(星月夜)天文・秋
秋の夜空はよく晴れてすんで満天の星です。月が出ていなくても、月夜のような星明かりです。例句は「ほしづくよ」と読んでいます。秋の星、天の川の句も多いですね。

砂山をのぼりくだりや星月夜 日野草城


【投句コーナー】
夏の俳句

夏の雲思いおもいに育ちゆく イムさん
鯉のぼり風の形をつくりつぐ イムさん
舌足らず子雀刻むあおいそら イムさん
青空を細切りに木々茂りゆく イムさん
夏の空サッカーボール逸れてゆく イムさん

炎昼や西部劇めく砂埃 真帆
そらいろの自転車なれば涼しかり 真帆
山の日は考(ちち)を恋ふ日や天気雨 真帆
赤蜻蛉数ふる間にも増えに増え 真帆
夕焼に塗り込められて道昏し 真帆

海潟に鳶の一声梅雨兆す 雅司
火の島はレベル2のまま緑立つ 雅司
梅雨兆す雲の中なる桜島 雅司
デイゴ咲く雨にけぶれる桜島 雅司
長渕のモニュメントあり梅雨の熔岩 雅司

………………………………………………
※空欄の解答:@(声援)A(美術館)B(声)C(シャツ)D(命)E(廊下)F(花)G(方程式)H(さかあがり)I(縄文杉)J(優しい)K(音)L(ぼく)M(通過)N(未知)O(飲む)P(太し)

クイズの答はこちらからどうぞ!