山下雅司さんが作っておられる小学校低学年向けの俳句入門です。
第21回からのものを掲載しています。(連載中)   第1回〜20回はこちらです。



おやこの俳句教室(21)
ベッコウトンボがいっぱい!
鹿児島県薩摩川内市の藺牟田(いむた)池は珍しいトンボで有名です。「べっこうとんぼ」です。みなさん、トンボはすきですか。
田んぼでトンボの羽化(うか)をみることがあると思います。まだ見たことがなければ、近くの田んぼで観察してみてね。

ところがベッコウトンボは、どこにでもいるわけではありません。絶滅危機と言われて大切に保護されています。こんな俳句を何年か前に作りました。

「自転車は楽しべつこう蜻蛉とぶ 雅司」

いむた池の周りをサイクリングした時の俳句です。気持ちよい楽しい一日でした。

※第三日曜日は父の日です。みなさんの俳句を楽しみにします。



おやこの俳句教室(22)
5月の母の日。そして、6月の父の日。みなさんは、お母さんとお父さんに心から「ありがとう」の思いをつたえることができたと思います。
ももこさんの妹は、お父さんの顔をかいています。よくとくちょうをとらえていました。お姉さんは、俳句を作っています。

父の日のひげのびているお父さん ももこ

大好きなお父さんは、いつもお仕事です。いつもは早く出かけるお父さんも、ゆっくりした朝です。ももこさんは、お父さんのひげに気づきました。家族のようすが見えるようです。そんな父の日が俳句になっています。

☆もうすぐ、夏休みです。家族そろって夏休みの計画をしてください。俳句もわすれずにいっぱい作りましょう。
8月19日は俳句の日です。よかったら俳句を寄せてください。おやこの俳句教室で特集します。



おやこの俳句教室(23)
夏休みです!
ももこの日記
7月26日(木曜日)

家族で霧島にきました。車から降りるとひぐらしが鳴いています。「かなかなかな…」とくりかえし鳴いています。ひぐらしは暑くないかな…。

お父さんの俳句です。

ひぐらしの声はかぼそき日の終わり

わたしも、作りました。

夕暮れにかなかなかなの鳴いています ももこ

今日、お父さんは昔の友だちとホテルで会うことになっています。20年ぶりと言っています。



おやこの俳句教室(24)
ボクの日記 ふみつか
8月26日
「セミのはなし」

さんぽしていたら、さくらの木にセミがとんできました。セミは近づいても、にげません。どうしてだろう。 この前はすぐにげたのに。なき声も一度だけです。じっとして動きません。ほかのセミはないています。

気になって、お母さんと昼から同じ場所に行きました。セミは木にはいませんでした。よかったと思いました。死んでいたらどうしようと思いました。
こんどはツクツクボウシがなきはじめました。もうすぐ夏休みもおわりです。

・おやこの俳句

せみないてさくらのえだにうごかない ふみつか

気になつて二度の散歩や秋の蝉 ふみこ


※ 青の俳句大会のこと
夏休みの俳句はできましたか。小学生は青の俳句にぜひ、参加してね。9月28日の締め切りです。



おやこの俳句教室(25)
青の俳句大会作品がたのしみです!

9月30日で青の俳句がしめきりになりました。みなさんはどのような場面を作品にしたのでしょうか。同じ場所で同じものを見ても俳句は一人ひとりの見方で違います。さらに表現も違います。 絵を描くのと同じかも知れませんね。自分のことばで素直に俳句にすることが大切です。

「くりおちる音をきいたよよるの寺 ももこ」
「栗ご飯たのしみにして〇〇寺 ふみこ」

〇〇?お寺に泊まった俳句です。寺の裏手で栗の落ちる音を寝床できいて、おどろいたももこさん。初めてのその音に感動しました。また、お母さんは栗飯をたのしみにしていたようですね。
みなさんも食の俳句にとりくんでみましょう。



おやこの俳句教室(26)
青の俳句、
発表です!
「さかあがり 見てくれていた あきの空」

小学2年生が晴れの福永耕二賞に選ばれました。9回の大会で低学年から初めてのことです。

なかなかできなかった「さかあがり」がやっとできました。何回も練習した鉄棒ですが、秋の空も見ていたと…。 「見てくれた」という気持ちが大切です。自分を見てくれている自然があったのです。小学2年生の達成感と喜びが伝わってきました。
秋の空は先生のようにも思いました。俳句の擬人法もありますが、小学生の素直な実感だとうけとりました。 俳句を通して、ものの見方を先生方が日ごろから教えられたに違いありません。
小さな小学校の2年生ですが、全員のがんばりが評価されて学校賞も同時受賞です。

来年の大会に向けてまた、がんばりましょう。



おやこの俳句教室(27)
もうすぐ、冬休みです!

もうすぐ、冬休みですね。南国はすでになのはなが咲いています。今年はあたたかな12月です。
雪国の人は、どんな雪の生活なのでしょう。その土地で暮らして、その土地の良さがわかると言います。北国に暮らしてみたいと思いますが、せめて雪が降ったら、みなさんも雪の俳句をつくってみたらどうでしょう。

さざんかのふれあいパーク昼休み まさじ

今年も1年間、ありがとうございました。来年もいっしょに、楽しい親子の俳句を作りましょう。冬休みもけがのないようにすごしましょう。




おやこの俳句教室(28)
第2回バレンタインの俳句を募集します!

おやこの俳句教室企画、第2回バレンタイン作品を募集いたします。投稿をよろしくお願いします。ありがとうの気持ちを伝えてほしいと思います。親子でなくてもOKです。

季語はバレンタイン、バレンタインデー。

・バレンタインデーの一口メモ

バレンタインデーは2月14日の記念日。この季節は木々が芽吹き、小鳥が活発に動き始めます。女性から男性にチョコレートなどをおくるバレンタインデーは、遠いその昔は親子が愛の教えと感謝を書いたカードを交換する習わしだったそうです。

今回もバレンタインの俳句は真帆さんが選をしてくださいます。絶好の機会です。どしどし送ってください。

募集期間:2月15日まで。 「にじのたね」専用窓口
、又はEメール(注:当HPでは非公開)でご投稿ください。
★締め切りました。ご参加有難うございました。★

発表:3月中旬予定HP「にじのたね」おやこの俳句教室(30)

※掲載について
作品と名前は掲載されてもよいものとします。ペンネームでも可。




おやこの俳句教室(29)
バレンタインの投稿はカンタン!

第2回バレンタイン作品を専用投稿窓口からチャレンジしました。とてもカンタンです。何回でも結構です。季語がバレンタイン、バレンタインデーとなっています。 初めて俳句を作った皆さまの記念日が2月14日であれば、なおさら思い出に残ることでしょう。

バレンタインハートマークを花で描く まさじ

絵も俳句にしてみましょう。1句の出来上がりです。
病院の待合い室であざやかな2月号の冊子の表紙に感動しました。ともかく17文字の俳句にしておきます。俳句は出会いです。その日の感動を書きとめることが大切です。 俳句がうまくできなくてもよいのです。また銀行では受付で一口チョコをもらいました。 あれは男性だけに渡されたのでしょうか…?きっと、皆さまにさしあげたものかと思います。

いろいろな出会いがあるバレンタインの俳句が楽しみです。




おやこの俳句教室(番外編)  文責 真帆
第二回バレンタイン俳句大会結果発表

第2回バレンタイン俳句大会にご参加いただき有難うございました。
投句総数12句(こども俳句4句を含む)でした。力作揃いでしたので、今年は全句に、まさじ・真帆それぞれ寸評をつけさせていただくことにしました。
以下、講評といたします。 ○まさじ ★真帆の評です。


大切な 想い届ける バレンタイン 多美
〇大切な人に届けるバレンタインチョコ。出会いの頃の想い出もバレンタイン。今年も感謝が届けられました。俳句は季語に生かされています。多くを言わず季語に託すわけですね。
★バレンタインデーの本来の意味を思い出す句です。「大切な想い」を託すための贈り物(チョコレート?)なのですね。届けるものを、「想い」という言葉に集約させているのが余韻を生んでいます。

商いも真心バレンタインデー  まさじ
★感謝の気持ちも、ともに生きる幸せも、相手を大切に思うことは皆「愛」の一面なのだと思います。バレンタインデーの華やいだ雰囲気と商いの日常性がうまく融合されています。 信頼してお任せしたくなる誠実さを感じます。

待ち時間バレンタインの句を捻り まさじ
★じっくり取り組むことは難しくても、待ち時間などの僅かな時間を有効に使って句をつくる。短詩である俳句のよいところですね。それにしても、「句作り」で句を作ってしまうとはすごい。

片寄せる形はハートバレンタイン  まさじ
★ハートの形は心臓に由来しているとも聖杯からきているともいわれていますが、「片寄せる形」というのは発見ですね。バレンタインデーは街中が色とりどりのハートでいっぱいでした。

バレンタインだから忘れてあげること  真帆
〇「だから」が効いています。口語のやさしい響きが女性心理まで読みとれるような作品。男性にはちくりとした感じを与えます。特別な日なので忘れてあげる。句またがりに微妙な心理。

「義理なの」と照れてしまいぬバレンタイン  真帆
〇会話のカッコの言葉がやさしい。言えそうで言えないところですね。照れるという作者の表現は巧み。「しまいぬ」と結ぶ切れ味もよい。連句にしたくなるような膨らみがあります。

目の前を通り過ぎてくバレンタイン  ゆうき
〇瞬くうちに過ぎるバレンタイン。「目の前を」と視覚的であり、繊細な感覚で時間を意識させてうまい。作者の思いがうかがえる作品だ。 思春期の甦りたるバレンタイン まさじ
★まわりの子は何枚チョコをもらえるかと浮き足立っているけれど、ゆうき訓には時間だけが過ぎていくように感じたのですね。あえて感情を説明しなかったのが余韻となっています。

バレンタインおばあちゃんからチョコレート  たくろー 
〇ずばり、チョコをおばあちゃんからもらったと言っています。良い作品だと思います。事実だけを言って成功。おばあちゃんを大切にしようね。
★5・7・5のリズムをとらえることができましたね。おばあちゃんは本当にたくろーくんのことが大好きなんですよ。

大変だお金がかかるチョコレート  あおい
〇女の子は大変です。ほんとうにおこづかいをためてチョコを買いました。大変だと言う表現は大人にはできません。また、お金がかかるとズバリ言うたのしさがすきです。
★最近は女の子同士ででも「友チョコ」をやりとりするとか。男の子の分も合わせるといくつ準備するのでしょう。本当にお金がかかって大変だけれど、あおいさんからのチョコを待っている人たちがいます。いろんなチョコを選ぶのも楽しいですね。

みみもとであいしてるよとささやくよ いずみ
〇みみもとでささやいた。それも、あいしてるよ。どきっとさせられました。いろいろと、そうぞうができます。あたたかなかぞくのようすがわかりました。
★「あいしてるよ」とひらがなでささらかれたら、すてきですね。心にほっと灯のともるようなやさしい言葉。きっといずみさんのためにがんばろうと相手は思うはず。

遠くても愛通じあうバレンタイン  みわ
〇単身赴任のご主人に送る17音。愛することに距離は関係ない幸せいっぱいのバレンタインです。それも、本当の愛情が伝わります。「遠くても」が良いですね。
★「愛通じあう」は音読すると「相通じ合う」となりますね。お二人の強い絆を感じました。こうして分かり合っていることをスマートに再確認できるのもバレンタインのよさですね。

チョコ作り味見のつもりがマジ食べに  おかみさん
〇マジ食べたと言っています。美味しいチョコがわかります。女将さんは料理もうまい。17音の味の良さを感じます。
★とても上出来だったのでしょうね。はからずも自分へのプレゼントになってしまいました。真心のこもった手作りチョコなのがいいですね。「マジ食べ」というくだけた表現が肩肘張らない雰囲気で魅力的なのですが、読み手を選んでしまう危険もありますので、一般的な語に置き換えてみましょう。


今後もまたこのような機会が持てれば・・・と思っておりますので、是非またよろしくお願いいたします。



おやこの俳句教室(30)
ありがとうバレンタイン!
第2回バレンタイン俳句作品が発表されました。今回は寸評を私と真帆さんがつける形にしました。
バレンタイン、バレンタインデーという季語は大人も子どもも初めて俳句を作る人にも明るく元気を与えてくれたと思います。うまくできないからと、あきらめないで作りましょう。その時しかできない俳句が俳句です。
次回もぜひ投稿してください。あらたな作品との出会いを待っています。