山下雅司さんが作っておられる小学校低学年向けの俳句入門です。
小さな子ども達にも興味がもてるように身近な季語季題を取り上げて下さいます。(連載中です)
第21回からはこちらからどうぞ。



おやこの俳句教室(1)俳句の基本
5・7・5でつくりましょう!
「にいさんとまっくらやみにまめをまく まさじ」

季語「豆まき」
節分(せつぶん)にはまめまきをします。ふくはうち、おにはそと…
かぞくそろって、鬼さんをおいはらい、ふくをよびよせます。みなさんの家ではどんな節分だったでしょうか?
お兄さんと豆まきしている夜のようすが見えてきます。
17音で俳句は成り立っています。日常の生活にうるおいが生まれます。



おやこの俳句教室(2)俳句の発見
俳句はどこでも、題材がころがっていま〜す!
「 節分の鬼は燃えないごみの中 まさじ」

即興の作品です。
鬼さんのプラスチックのお面が、燃えないゴミのなかに見えました。
俳句の発見です。お母さんといっしょにそとで何か見つけてください。ぽかぽか陽気になってきました。
きっと、ハイクが見つかると思いますよ。

つぎは、ひな祭りの俳句です!たのしみに。



おやこの俳句教室(3)俳句の喜び
みんなでひな祭りした!
ひな祭りの日だけは仕事を早めにきりあげてお父さんも帰ってきます。お母さんが作った、ちらし寿司を家族そろっていただきます。
三段飾りの雛だんは明日はしまうそうです。

「どことなくねえさんのかおひなにんぎょう まさじ」

十二単(じゅうにひとえ)は、おもそうなかんじ。のりでつけてあるそうです。しまいっぱなしだと虫にくわれる心配があるそうです。湿気もきんもつで、高い場所にしまっておくそうです。



おやこの俳句教室(4)俳句のやくそく〜季語(きご)〜
季節のことばは、いっぱいあります。花には春、夏、秋、冬の季節があります。花が季節を教えてくれます。みなさんは、どんな花を知っていますか。

つぎの中で、夏の花はどれでしょうか。

@コスモス、Aさくら、B野菊、Cゆり、Dスイセン

答:

その花で俳句を作ってみましょう。やさしく、自分のことばで作ることです。

こども作品「 」

おやの作品「 」


※次回は親子で、すきなお花の話をしましょう。また、どんな俳句があるかな?俳句は作ることも、選ぶことも、どちらも大切です。



おやこの俳句教室(4)の答
答は Cゆり でした。

<作品例>
こども作品「今週は水の当番ゆりのはな ももこ」
おやの作品「子育ての日記に描くかのこゆり ふみこ」

小学5年生ぐらいの俳句を作れといわれたら、なかなか難しいですね。お母さんは、子育て日記をかいて、今年のゆりをスケッチしています。1年がたつのは早いものです。季節の花が教えてくれます。



おやこの俳句教室(5)お花の俳句を少しだけお話ししましょう!
ゆりのはながさいています。みなさんはどんな作品ができましたか。

♪おやこの俳句寸評

@「今週は水の当番ゆりのはな ももこ」
A「子育ての日記に描くかのこゆり ふみこ」


@ももこさんの俳句は、学校の庭のゆりのはなでしょうか。水の当番をひとりでするのか、それとも何人かで?。お花を育てることは、心のやさしさがないとできません。季語の「ゆりのはな」はほかの花でもよいかもしれませんね。また、「今週…」はほかの言い方がないでしょうか。みんなで考えてみましょう。

Aお母さんの俳句は日記に描くかのこゆり。たぶん、去年もかのこゆりを日記にスケッチしたかも知れません。たからものの日記に、ももこさんの成長がつまっています。


◇ お花の俳句を見つけました!

「母子草つんでは空を見上げたり あやの」小学5年生

野原に咲く小さな草花には、自然にやさしさがあふれています。お父さんといっしょに俳句を作ったそうです。母子草を使って作りました。季節の花と作者が空を見上げることには、特別な関係はないのですが、みごとに俳句になりました。この時のお父さんの俳句はどんな作品だったでしょうか。きっと、「父子草」ではなく同じ季語の「母子草」だったにちがいありません。

※春の季語。
「菩提寺(ぼだいじ)へ母の手を引き母子草 富安風生(とみやすふうせい)」



おやこの俳句教室(6)俳句日記もつけましょう!
おやこの俳句は、季語がなくても5・7・5の日記風でよいと思います。続けることが大切ですね。
専用のノート1冊を使うのもよいと思います。学校でどんなことがありましたか。体験学習をしたり、音楽の時間があったり、お絵かきがあったりと楽しいことがいっぱいですね。学校の帰り道には、あじさいやゆりが咲いています。かたつむりも見つけました。

「かたつむりじっとしているねむってる  まさじ」

見たり、聞いたり、手でさわったり…。
1、2年生から新しい発見や感動がうまれます。もうすぐ夏休み。俳句日記もつけましょう。

………………………
〇月〇日〇曜日、天気〇
・はやおきして、ラジオたいそうにいきました。せみのこえにまけないで、1、2、3、4、5、6、7、8と大きな声をだしました。

きょうのハイク「おもいきり2、2、3、4あさのせみ  まさじ」

※俳句大会のおしらせ
みんなのハイクを『あおのはいくたいかい』がまってます。しめきりは9月30日です!!


*追記(真帆) 『あおのはいくたいかい(青の俳句大会)』については、こちらに詳細が出ています。お問い合わせは、川辺町教育委員会へ。 


おやこの俳句教室(7)たのしい夏休みに!
 ことしは、つゆがまだあけていません。かごしまは、大雨です。たいふうも5号がはっせいしています。
 さて、俳句には、ようふくやぼうしなどの身につけるものがあります。夏のシャツ、むぎわらぼうしはよく作品になります。
 こんな俳句を本(子ども俳句歳時記・蝸牛新社)で見つけました。

 「あたらしいむぎわらぼうしよくぬげる」小学2年生の作品です。
 よくぬげることに気がつきました。発見です。さて、作者は男の子、それとも女の子? すぐわかったかと思います。かみのながい女の子ですね。俳句はそのことをいわないでも、わかります。すごいですね。

 たのしい夏休みをすごしましょう。


おやこの俳句教室(8)夏休みの俳句、毎日作っています!
海の子になったよぼくの夏休み まさじ

(ぼくの日記)
海の子短期体験留学に行きました。初めて、海の生活を体験しました。とても楽しい夏休みの思い出ができました。
ぼくのお世話になった家は2人の兄弟でした。一緒にキャンプも体験して、まっ黒くなりました。このままずっと、ここにいたいと思いました。

俳句を日記にかいています!みなさんは、どんな夏休み…。お盆はお墓参りに家族でいきます。


おやこの俳句教室(9)夏休みも残りわずか!
こうえんでいきぎれしそう秋のせみ・まさじ

(ぼくの日記)
こうえんのセミの声も力がないように思いました。1週間しか生きられないと聞いていましたが、アブラゼミやミンミンゼミなどは2〜3週間生きられるそうです。ぼくはかわいそうにと思ったのですが、昆虫のせかいではふつうだと聞きました。鳴いているのはおすのセミで、おなかのなかがからっぽで大きくひびくのはそのためだそうです。 たまごからせい虫までが6年。がい国のセミでは2倍以上も生きられるセミもあると知りました。もっとセミのべんきょうもしようと…。



おやこの俳句教室(10)2学期のはじまりです!
お母さんふようの花がさきました・ももこ

(わたしの日記)
 9月1日雨
 お友だちのTくんは学校に、はいくを3句作って持ってきました。夏休みにお母さんといっしょに「はいくノート」を作ったと言ってます。そのなかからえらんで先生にだしました。 わたしもノートにかけばよかった。「あおのはいく大会」にだすはいくを、いま考えています。Tくんははやく先生にだしたのでわたしもかいてだそうと思います。


おやこの俳句教室(11)十五夜の月で俳句をつくりましょう!
今年は10月6日が十五夜です。台風16号と17号は日本からは離れていますが、お天気が心配です。
みなさんは知っていますか。室町時代から名月(めいげつ)とよばれているようです。芋やだんごやススキをおそなえして、家族でたのしい月の夜です。
ところが、雨で月をみることができないこともありますね。それを雨月(うげつ)と言っています。美しいことばです。

さて、月の作品が北川さんからとどきました。

〇まんまるの月みえかくれ黒い雲 ももこ

〇おだんごは仲良くたべて月の夜 ふみこ

〈一口メモ〉
月は秋の季語です。ですから、ほかの季節は、春の月、夏の月、冬の月となります。


おやこの俳句教室(12)秋の山は木の実がいっぱい!
この季節は、とても気持ちよいですね。秋の山には、いっぱい木の実をたべる動物たちも…。

「こども俳句歳時記(はいくさいじき)蝸牛新社」の小学1年生の作品より。大分県のお友だちです。
「くりひろいしているときもくりおちる」

くりひろいをしているところです。たいへん楽しい体験ができて俳句まで作れました。くりは音をたてて、つぎつぎに落ちます。そのようすがよくわかりますね。みなさんは、どんな木の実を知っていますか。お母さんにもきいてみてください。


おやこの俳句教室(13)楽しかったおはら祭り!
おはら祭りのことを北川ももこさんは日記に書いています。

◇11月3日(はれ)
今日は文化の日で、おはら祭りです。たくさんの人でにぎわいます。今年も見に行きました。

「おはら祭り小さなたいこはずんでる ももこ」

たいこがとてもすきになりました。小さなたいこは、はねるような音でした。ポポーン、ポンときこえました。大きなたいこの音とはちがいます。おねえさんたちが、楽しそうにたいこをたたいていました。わたしもたたいてみたくなりました。

※ おはら祭りのおどりの休けい時間にたいこのだしものをみたかんそうですね。はいくも素直にできあがりました。


おやこの俳句教室(14)青の俳句が106787句!
11月24日、第8回少年少女かわなべ青の俳句大会の入賞者の新聞発表がありました。

ももこさんの学校はどうだったかな。入賞できなかった人もあきらめないで、来年に向けてがんばりましょう。
続けて勉強することが大切です。毎日のつみかさねです。
俳句を作りつづけると、お友だちができます。

今回の作品で南日本新聞社賞には小学1年生の新屋敷さんが選ばれています。「なつやすみおかあさんにもわけたいな」長い夏休みをいそがしいお母さんにもと言っています。やさしさがあふれています。
もうすぐ冬休みですね。サンタさんの俳句も作ってみましょう。次回はクリスマス特集!!


おやこの俳句教室(15)メリークリスマス!
大きなふくろにプレゼントを入れてサンタさんがやってきます。さて、何が入ってるかな?たのしみです。

さて、クリスマスというと「赤鼻(あかはな)のトナカイ」のうたを思いだします。知っていますね。

♪まっかなおはなのトナカイさんは
いつもみんなのわらいもの
でもそのとしのクリスマスのひ
サンタのおじさんはいいました
くらいよみちはピカピカの
おまえのはながやくにたつのさ
いつもないてたトナカイさんは
こよいこそはとよろこびました


☆サンタさんはやさしいです。いつもないていたトナカイもよろこびました。


「いじめなどすこしもないよクリスマス まさじ」

来年も楽しいハイクを作りましょう。よろしくお願いします。


おやこの俳句教室(16)あたたかい日で〜す。
少しだけ公園で遊びます。風もない、ぽかぽか陽気です。杉には花粉がいっぱい。花粉症のお母さんはマスクをしています。まだ飛んでいないのに…。

とりがきてすぎのかふんをゆらしたよ・ももこ

杉花粉もう沢山だ青い空・ふみこ

2月はバレンタインディがあります。俳句も作ってみませんか。おやこの俳句教室で発表しましょう。


おやこの俳句教室(17)バレンタインの俳句募集中!!
おやこの俳句教室は、子どもとお母さんの俳句をとりあげたりして楽しくできればと思います。2月はバレンタイン企画で作品を初めて募集いたします。投稿をよろしくお願いします。
今回はバレンタインの俳句を真帆さんが選をしてくださいます。多くのバレンタインの作品を募集します。絶好の機会です。どしどし送ってください。

募集期間:2月15日の郵便消印、またはEメールで。
(募集は締め切りました) 発表:3月中旬予定HP「にじのたね」おやこの俳句教室(18)

※掲載について 作品と名前は掲載されてもよいものとします。ペンネームでも可。


追記 *バレンタインデーの一口メモ*
バレンタインデーは2月14日の記念日。この季節は木々が芽吹き、小鳥が活発に動き始めます。女性から男性にチョコレートなどをおくるバレンタインデーは、遠いその昔は親子が愛の教えと感謝を書いたカードを交換する習わしだったそうです。
ありがとうの気持ちを伝えてほしいと思います。今回の親子の俳句はどんな作品が寄せられることでしょうか。たのしみです。

季語はバレンタイン、バレンタインデー。
※ 親子でなくても投句されて結構です。締め切りがちかくなりましたが1句でも、どうぞお寄せください。



おやこの俳句教室(18)バレンタインの俳句結果発表!!
真帆さんにバレンタインの俳句を選んでもらいました。とてもやさしく丁寧な選評がついています。何よりも嬉しい作者へ贈り物です。ありがとうございました。以下、入選作品と選評を掲載します。

〈バレンタインの俳句 真帆選〉

《子どもの部》
子どもの部については、投句者(投句数)3句だったため、特選を設けず投句順に講評をつけました。

〇バレンタインむねがはねるぜぴょんぴょんぴょん(たいが)
大人なら、むねが→はずむ、と習慣で書いてしまうところですが、「はねる」としたので、そのあとの「ぴょんぴょんぴょん」が生きていますね。全体の言葉のリズムが元気よくて、すてきです。

〇バレンタインチョコはみんなでたべたいな(タクロー)
5・7・5ではなくて、8・9のリズムの句になりましたね。本命チョコを貰った子も、義理チョコだった子も、(もらえなかった子も…)とりあえずは、みんなで食べるチョコの味は格別ですね。

〇ともチョコでいいから欲しいバレンタイン(Y.M)
少しおにいさんの句です。まだ、特定の相手がいないのか、それとも相手と両思いの自信がないのかな。 バレンタインデーだから、誰かからチョコレートをもらいたいよね。

《おとなの部》

特選1句

◎渡す手が震えて熱きバレンタイン(千春)
「渡す」手の状態から気持ちのたかぶりを印象深く表現できました。句の中での焦点(フォーカスポイント)をぐっと絞り込んだのがいいですね。

秀逸2句

〇申告期バレンタインも素通りす(耕二)
作者自身の姿がはっきりと見えています。余計な説明を省いて作者にとっての事実を述べているのですが「バレンタイン」と心に留めているのが、俊巡とでもいいましょうか、作者ならではの視点であり、おもしろい句です。

〇告白の一役かってバレンタイン(めぐみ)
なにかのきっかけがないと、改めて告白するというシチュエーションにならないような、意外と身近な人へのバレンタインなのかも知れませんね。行事としてのバレンタインデーの本来の意味を素直に詠みとめた句です。


ご入選おめでとうございます。来年もどうぞ、よろしくお願いします。



おやこの俳句教室(19)春休みは、さくら、花の季節です!
4月1日の日曜日に「春休み・おやこの俳句教室」をかわなべの岩屋公園で行う予定でしたが、あいにくの雨で中止。満開の桜を囲み、たのしい俳句会ができずに残念です。
みなさん、次の機会にぜひ参加してください。

今日は一句作ってみました。みなさんも、作ってみてください。

花明り桜橋より続きけり まさじ

すでに満開の桜が公園を明るくしています。さくらの花は、はなやかですね。ソメイヨシノが標準木になっています。
さくらは花(はな)として季語になっています。花明り(はなあかり)、花冷(はなびえ)、花曇(はなぐもり)、花の雨(はなのあめ)、花衣(はなごろも)、花筏(はないかだ)などもよく大人は使います。
日本の桜は世界の花になりました。万博のさくらのデザインを思い出しました。みなさんはご存じないかも…。

※春休み、さくらの俳句ができたらご紹介します。待ってます。



おやこの俳句教室(20)♪やねよりたかいこいのぼり…
5月5日は、こどもの日でした。5月の空には、こいのぼりがおよいでいます。

学校の屋根より高いこいのぼり ももこ

ももこさんの学校はどこの家からも見える高台にあります。大空に元気よくはためいている鯉のぼりは男の子の節句をお祝いするものです。昔は手造りの紙だったそうです。いまは布やビニールです。
お母さんも俳句を作りました。

となりの子いつも元気だ鯉のぼり ふみこ

みなさんは、どんな俳句ができたでしょうか。

※5月は母の日でした。6月には父の日がきます。次回の俳句教室を楽しみに。