山下雅司さんからいただいた原稿です。

児童生徒の感性育んだ俳句大会
 14日付本紙記事で、南九州市出身の俳人、福永耕二をしのぶ「南九州市かわなべ青の俳句大会」に、過去最多の7万1717人から13万2391句の応募があったと知った。
 青の俳句大会は年々応募者が増え続け、今回は前回を2164人上回った。これは言うまでもなく学校関係者の協力のたまものであり、感謝したい。
 対象者は小中高や特別支援学校の児童生徒で、1999年に第1回大会が開かれた。旧川辺町出身の俳人・福永耕二を顕彰した句碑が岩屋公園に建立された年だ。多く方々から寄せられた基金を、少年少女の俳句大会の財源に充てられないか、という思いが結実した。  あれから19年。市町村合併による変遷はあったが「青の俳句大会」は南九州市の中心的行事となった。これこそが真の地域文化であろう。自然と湧き上がる人間賛歌にほかならない。
 児童生徒らにとって、各学年の「青の俳句」は一度きりだ。かつて母校の児童らに俳句教室を開いたのも「青の俳句大会」に後押しされてのことだった。当時の児童もすでに20歳を過ぎた。青の俳句大会に感性が育まれ、青春を謳歌しているに違いない。

南日本新聞「ひろば」(平成27年10月29日掲載)
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