山頭火を書く     

      佐藤友理 著    富山早苗 画   
      定価 (本体2,500円+税)

       A4変型判    64頁(オールカラー)
             ISBN978-4-8195-0237-5

     山頭火の世界を書と画で伝える!

    
心の通った姉妹ならではの響きあう書と画で、自由律俳句
     の鬼才・山頭火の句をほのぼのと表現。格調の高い書と
     上品な色使いの画を色紙を中心に収録。

  

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        書き終えて

         過日、ふるさと淡路島で、妹の絵と私の書の二人展を致しました。その折、出品した山頭火
         の書と絵の作品に目をとめられた出版社から、是非本にしたいとのご希望があり、あらためて
         書くことになりました。体調は万全ではありませんでしたが、句や絵に助けてもらって何とかな
         るだろうと、気楽にお引き受けしたものの、なかなか簡単にはまいりませんでした。
         先ず、色紙の絵を依頼しました。
         妹に、山頭火を書くことになったから、自由に思いのままに、と、特に注文つけないで色紙を
         100枚ほど送りました。ただ、山頭火の本くらいは読んでおいてほしいと伝えただけです。
         私は、手持ちの山頭火の句集5,6冊の中から、書けそうな言葉を300句ほどノートに書き写し
         ました。それて、山頭火の生涯と人となりが、ほぼわかったように思いました。
         何日か経て、絵が届きました。
         その60枚ほどを、繰り返し眺めながら「ここまで書き上げるには、さぞ苦労しただろうな」と思
         いやられました。
         さて、私はその日から毎日、絵を一枚一枚見ながら、ノートの中の言葉を選びました。句のここ
         ろと絵の気持ちの接点を探しながら筆を執りたくなる絵を選んで。一枚しかない、書き損じので
         きない色紙に言葉を書き込みました。このように苦労はありましたが、大変楽しく書くことができ
         ました。
         絵を描いてもらった富山早苗さん。お互いに良い記念作品になりましたことうれしく思います。

            2004年11月                               佐藤 友理