かなの基本
著者 関岡松籟 定価 (本体1,700円+税)
B5判 112頁 ISBN978-4-8195-0085-2
見ているだけでもうまくなる、学び方と教え方の本です。かなは
漢字よりはるかに多く用いられ、そのわずか100字足らずの上達
が、文章全体を驚くほど美しくします。毛筆の動きと図解した大字
のひらがな練習は、字形の整え方と上達のコツを明示し、中細字、
変体がな、連綿を学びつつ古筆研究へと進みます。硬筆・カタカナ
も同様に学習できます。
cover
このほんについて
「かな」は、我が国だけが持つ国字です。これを美的に創作して表現すること、そこに
芸術が生まれるという、すばらしい文字なのです。この「かな」がなくて漢字だけで日本
語を読み書きするとしたらどうでしょう。今、私が書いている「まえがき」も大変な労力を
必要とするにちがいありません。又、学校教育や社会生活においても大きな変化をも
たらしていたことでしょう。
日常、私たちが読んだり書いたりする文字生活を考えてみても漢字よりもはるかに多く
読み書きするのが「かな文字」です。「かな」という類のない貴重な文字を持つ私達はそ
れを誇りにしなければなりません。
国字としての「かな」のもつ意義を理解し、これが練習と指導に取り組んでいただきたい
と思いこの本を発行したのです。
「かなの基本−学び方と教え方」
この本は皆さんが用具を持って習っていただくことによって、その練習過程で教え方も
理解していただくように編集しました。又、字形の整え方や、運筆なども視覚に訴えて
直感的につかむことができるようにしています。「見ているだけでもうまくなる かなの
手本」といえばいいすぎになるでしょうか。
皆様に使用していただき、ご意見を拝聴して、今後更に愛され、親しまれるかなの学習
の本として改めていきたいと思います。
1982年初春 関岡松籟