一から学ぶ
漢字かなまじり文
五月女玉環 著
B5判 96頁 (カラー16頁)
定価(本体2,000円+税)ISBN978-4-8195-0254-2
ひらがな上達の3つのコツと作品創作の9つのヒントをわかりやすく
説明し、基本から創作へと導きます。筆の動きが見られる、豊富な
写真が魅力です。
内 容
ひらがな上達のコツ @ 字源を知って書く A 始筆と終筆を丁寧に書く
B 運筆にリズムをつけて書く
創作のヒント @ 大小 A 太細 B 潤滑 C うねり D 行間
E 連綿 F 天地左右 G 空間 H 落款
はじめに
「漢字かなまじり文」というと、なにか特別な書き方をするジャンルの書ではないかと
思われることがありますが、私たちが日頃読んだり書いたりしているものを、そのまま
書として考えていこうとしたものに過ぎません。それは手紙であり、日記であり、詞や
文でもあります。それらを書として「書く」行為は、日常を国語生活の中で暮らしている
私達にとって、改めて書く内容に心を揺さぶられ刺激を与えられ、その手間暇の過程
が心を楽しませてくれます。
現代国語の中に変体かなはありません。誰にでも読める「ひらがな」と「漢字」とがまじ
り合って句となり文となっています。それをそのまま書いて、書作品にすることはなか
なか難しいことです。「漢字かな交じり文」をすばらしく書くためには、古典をくり返して
学ぶことも大切です。例えば「漢字」の黄庭堅を学んで、それがひらがなの中に息の
長さや気宇の大きさとして表出すれば本物です。古典を背景として、誰にでも読める
現代漢字かな交じり文を書くことを課題として、この本を構成しました。ヒントの一部に
なれば幸いです。
五月女玉環