T miss you...


どうしようもなく寂しくなる時がある。

別に理由なんてなくて、ただただ泣きたくなるほど寂しい。

今がまさにその状態だ。

全国ツアーという一大行事が終わって、少し気が抜けたのだろうか。

何もやる気がしない。

ただ膝を抱えて部屋の隅で座りこむ。

そこから眺める見慣れたはずの部屋は、やけに広く感じられて余計に寂しくなる。

それでもそこを動こうという気にはならなかった。

TVをつけようという気にも、お酒を呑もうという気にもならない。

毎日のように会って、リハや話し合いを重ねていたメンバーも今はそばに居ない。

もちろんアイツの姿も…いや、それは俺の所為なんだけども。

『ライブも終わったんだから、家族サービスでもしてろよ』

そう言ったのはつい昨日のことで。

アイツがわざわざ家まで来てくれたというのに、

追い返してしまったのは紛れもなくこの俺で。

その言葉に驚いたような顔をして、

それでも『分かった』と呟いて帰っていったアイツの後姿を思い返す。

「バカだな、俺」

そう呟いて、苦笑する。

一体アイツに何を望んでいるのだろうか。

普通の幸せな生活を送って欲しいと思う一方で、

ずっとそばに居て欲しいと願ってしまう自分がいる。

自分の中の相矛盾する2つの想いを持て余して、胸が苦しくなる。

「会いたい…」

気付いたら、呟いていた。

そう、今の俺の願いはただそれだけ。

アイツの顔を見たい。

声を聞きたい。

肌に触れたい。

今すぐにでも…

それだけだ。

「会いたい…」

それが叶わないことだと分かってるのに。

「会いたい…」

ただひたすら、呟く。

「会いたい…」

不意に視界が滲む。

それでも俺は、頬を伝う涙を拭おうともしないで、

壊れたレコードみたいに同じ言葉を繰り返した。



「会いたいよ…木村」

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『えっ、終わり?!』って感じですが…(苦笑)
まずは、SMAPデビュー12周年、おめでと〜!!
ってことで記念作…のはずが暗い(苦笑)
珍しくセンチな中居さん。
私、情緒不安定なんですかねぇ。
自覚ないんですけど、普段の甘々はどこへやら;
木村、何やってるんだよ!(←また責任転嫁)
まぁ、たまにはこういうのもいいよね?(逃)
感想下さい。お願いします。
(2003/9/9 HINATA)