布団の中で…
トックン…トックン…トックン…
「木村…うるさい」
「え?」
囁くほどの小さな声で木村と言葉を交わす。
「胸の音。すっげぇ聞こえる」
「そんなこと言ったって…」
少し離れて隣にいる慎吾にも聞こえないほどの小さな声。
それでも木村の声はよく聞こえた。
それどころか鼓動の音さえも。
トクン…トクン…トクン…
「しかも、どんどん速くなってきてない?」
「…ゴメン。でもしょうがないじゃん」
それもそのはず。俺らは今1つの布団に2人で潜り込んでいるのだから。
『ハイ、本番いきま〜す!』
少し離れたところから響くスタッフの声。
そう、これはコントの撮影。
仕事の一貫。
自分にしっかり言い聞かせる。
『5、4、3…』
(やっと開放される…)
ホッと一息ついて、ちょっとした悪戯を思いつく。
木村のナレーションを合図に出ていく前にそっと木村のシャツを捲くり手を滑りこませる。
そして、軽く撫で上げた。
もちろん、木村も仕事中だと分かっているから、そうあからさまに反応したりはしなかったが、
かすかにビクッとしたのが分かった。
しかし、そんなことに喜んでいられたのもつかの間。
その後、俺は木村のナレーションによって慎吾とキスをし、
挙句の果てにはガラスに飛び込むハメになった。
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休憩中の楽屋にて。
「なんなんだよあのナレーション」
「お前こそなんだよ、あの間際であんな…」
「んじゃ、お互い様だね」
「慎吾は黙ってろ」
「…ごめんなさい」
「今日、家行くから」
「駄目っつったら?」
「そこ、痴話喧嘩はやめてくれる?」
「吾郎もうっさい」
「駄目って…誰の所為だと思って…」
「俺だって木村の所為で慎吾とキスしたんだぜ?」
「う…」
「えと……」
「剛、やめとけよ」
「…ハイ」
こうして、2人の「痴話喧嘩」ならずラブラブっぷりはその日の撮影終了まで続いたと言う。
結局木村が中居の家に行けたのかどうかは2人のみ知る…
いや、他にもあと1人。
「中居くんと木村くん?2人ならさっき仲良く木村くんの車で一緒に帰ったよ」
「なんでそんなことまで知ってるの吾郎ちゃん。ずっと僕たちと一緒にスタジオに残ってなかったっけ?」
「まじでちょっとこえ〜」
吾郎の謎はまだまだ計り知れない…
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またしょうもないものをアップしてしまいました…
見ての通り、あのスマスマを見て思いついたものでございます。
ちょっと遅れたので迷ったのですが、結局アップしました。
慌ててアップしたので全然手直し出来てません(^^;
なので、多少の不具合にはお目をお瞑り下さいませm(__)m
(2002/10/5 HINATA)