(ハセガワ1/48スケール)
旧日本海軍の飛行機の中でいちばんの美人はどれか?と聞かれたら、
私は迷わず「彩雲だ」と即答するでしょう。
『宿敵グラマン』を水平加速でチギり、名電文「我に追いつくグラマン無し」を
放った彩雲は、個人的にレシプロ単発機では零戦・疾風といった並み居る
戦闘機群を差し置いて最も好きな飛行機です。
キットはハセガワ製1/48──にしては残念ながら若干煮詰めの甘い製品で、
胴体下面と主翼の接合部分などにパテが必要となったり、コクピット内などの
細部のパーツがやや大味だったりします。が、出来上がって全体を眺めれば
そこには紛れもない彩雲の姿を出現させられるでしょう。
カラーは指定通り上面にMr.カラー15番・中島系海軍用濃緑色、
下面は同35番海軍用明灰白色、その他125番カウリング色や58番黄橙色、
127番中島系機内色などの定番カラーを使用しております。
胴体と翼を下面で接合する部分が互い違いになってしまうためパテを
使用して修正しましたが、その部分の地肌の違いを消すためとりあえずは
サフェーサーで地ならし。
日本機はキャノピーの枠が多いため、これのマスキングも日本機プラモの
苦労させられるポイントの一つです。
とりあえずロールアウトしました。戦訓による低視認化のため日の丸の
周囲の白フチが塗り潰されているのが戦時の緊張感を漂わせています。
機首のアップ。整備に手間のかかった難物・誉エンジンを装備していたため、
飛行の度につけ外しが多かったであろうカウリング周囲を中心に、ごく控えめに
チッピングを施しました。
この角度から見ると特に、戦闘機と比較してキャノピーからカウリングに至る
機首のラインが長いのが分かるかと思います。
パイロット前面の風防が低いのも、速度を重視する偵察機らしいデザインです。
地上滑走時は特に前方視界が不足するため、パイロット席は30cmも上に引き上げ
られるようになっていました。モデルは全閉状態で作りました。