※2009/07/14 写真のストック増加に伴い、内容を一部加筆修正しました。
「ジョゼ、このままイタリア中の病院を回るつもりか」
「ああ…いや…さっきの連続殺人事件の生き残りの女の子に決めたよ」
「……そうか」
「良い仕事はすべて単純な作業の堅実な積み重ねだ。メモを作るから毎日勉強するように」
「今、店から出てくるのがパダーニャの幹部、アントニオだ」
「大きな顔をしていられるのも、今のうちさ」
「ああ、そうだな」
サングラスの奥に鋭い眼光を秘めつつ「さりげなく」張り込み任務に就くジャン。
「お、これは‥‥」張り込み中、"ごほうび"の物色は禁止です(笑)
「ジョゼ、聞こえるか? そっちの状況はどうだ」
「アントニオは宝石店へ入る所だ。例の愛人への買い物かな」
「SISDE(内務省情報局)の者だ。たった今からこの現場は我々が引き継ぐ。
軍警察は帰っていいぞ」
「ジョゼ、アントニオが見えるか?」
「捕捉したよ、兄さん」
「街中では無理だな。もう少し泳がせよう」
「ジョゼ、援護するから向こう側に走れ!」
「分かった、兄さん」
「止まれ!止まらんと撃つぞ!」
「おれは表から行く。ジョゼは裏へ回れ」
裏口から様子を伺うジョゼ。何が待ち構えているか分からない、緊張の一瞬。
「ジョ、ジョゼ!」
「兄さん!こっちにはもういなかったよ…」
「ちっ、逃げ足の速いやつだ。フェッロ、川沿いに非常線を張れ」
「了解しました、ジャンさん」
犯人を追ってシチリアへ。
「遅いっすね」
「ああ……独りじゃ何もできんやつだ」
「この船では、さすがに金星までは行けないな」
「ジョゼさんて、何でも知っているんですね」
「そうとも」