私どもナチュラブ・北海道は、2004年2月に連続シンポジウム“北海道の明日”シリーズ・第1章を開催して
以来、途中に特別編を追加して通算11回目の最終章を本日終えることができました。
ナチュラブ北海道・代表の私自身は単純かつ欲張りな人間です。10回連続シンポジウムと決めた以上は、
10回のシンポジウムを成し遂げることも、またそれなりの苦労があるのも当然だと単純に思っていました。もちろん、
多くの皆さまからお褒めの言葉を頂くのはうれしく励みにもなりました。でも、欲張りな私は、もっと確かな手応えが
ほしいと密かに思い始めました。それが何であるか、明確な言葉で言えないもどかしさを抱きながら、章を重ねました。
そして、先日6月25日の第9章を終えた後、ある参加者から頂いた感想を読んで、確かな手応えが何であるか、
知りました。それは、「連続シンポジウムで勉強させていただき、民主主義とは、民(たみ)が主(あるじ)であるという、
ごくごく簡単な一点が、日常の呼吸として理解できました」というお言葉でした。
そう、私たちは、「これが欲しかったのだ」と思いました。
政治を考える連続シンポジウムの目的は、政治は政治家という専門家だけが担うのではなく、私たち普通の
市民こそが自ら積極的に参加するものである、そして、この連続シンポジウムによって、一人でも多くの皆さまが、
それに気づき、何らかの行動を起こすきっかけになれば・・・ということでした。それゆえ、民主主義の何たるかを
理解したという言葉をいただけたことこそ、私どもの願いが叶ったという証拠になったのです。
上田札幌市長と逢坂衆議院議員のお二人が、毎回繰り返し繰り返し、言葉を尽くして民主主義の大切さを
説かれたことで、私どもの願いが現実のものになったと思っています。シンポジウムのテーマが何であれ、そのテーマに
関する問題の解決の手段としては、民主主義しかないとお二人は異口同音に言い切られました。しかも、お任せ
民主主義ではなく参加型民主主義であらねばならない、と。
民主主義とは、単なる多数決の原理ではないとか、少数意見を大切にしなければならない、という教科書的
定義を超えて、もっと能動的なものであるとお二人は訴え続けられました。たとえば、選挙で首長や議員を選んだ
後も、彼ら政治家にすべてを任せるのではなく、彼らをサポートしていく積極性を持つと同時に、自分の選択に
責任を持って欲しい、と。
そして、その作業の際に必要な知識や、考える方法を身につける場でありたいと私どもナチュラブ・北海道は願い、
その実現のためにこそ、当連続シンポジウムは、在りました。お任せ民主主義ではない参加型民主主義を実践する
舞台として、在ったのです。
そして今、当初の目的を少しは果たせた、と自負しております。
最初に皆さまに向かって投げた私どものボールが、確かな手応えとして戻ってまいりましたが、今日は再び皆さまの
元に、そのボールを投げ返したく思います。なぜなら、この後は、皆さまがそれぞれの場で、政治の問題を民主主義と
いう手法で考え、問題解決に向けて率先して行動していただきたいと切に願うからです。そしていつか、そういう皆さま
に似た人が一人増え、二人増えして、やがて多くの“皆さまに似た人”が出てくれば、私どもの北海道は元気を
取り戻すに違いありません。確かに、気の遠くなるほどの時間がかかるのかもしれません。でも、民主主義とは、
本来そういうものではないでしょうか。
今日の最終章には、上田・札幌市長と逢坂議員、そして私どものそういう思いが込められておりました。
この2年半に渡る皆さま方のご協力とご愛顧に、心より感謝申し上げます。
きっと、また、いつかどこかでお会いいたしましょう・・・。
ナチュラブ・北海道 スタッフ一同
2006年7月23日