~聖なる道~



第24日 聖なる者となりなさい
「あなたがたを召して下さった聖なるかたにならって、
あなたがた自身も、あらゆる行いにおいて聖なる者となりなさい。
聖書に、『わたしが聖なる者であるから、
あなたがたも聖なる者になるべきである』
と書いてあるからである。」(ペトロの手紙一1・15~16)
わたしたちが聖なる者となることは、神のみ旨であり、また召命でもある。
その召命にこたえ聖人となることは、聖霊を受けし者の義務である。
わたしたちを聖化し成聖するために、
わたしたちのうちに宿り給うた聖霊に、
積極的に協力するなら、
聖霊はわたしたちに浸透し、
きよめ尽くして透明なものとし、
キリストをみごとに反映するものとして下さるであろう。
聖化の秘訣は、
聖霊に対して絶対の従順、全き委託ををもって、
「フィアット」をもって応答し、
自分自身を明け渡し、聖霊のくまなき浸透を受けることである。
聖化の第二の秘訣は、
「あなたを召してくださった聖なるかたにならって」とある通り、
聖徳の最高のモデルである、
キリストの模範にならうことである。
キリストにならうことが、
道徳の最高基準であるのは、
肉体となられたロゴスの地上生涯が、
神の聖徳の人間的な最高の表現であるからである。
書道を学んでいる人々が、
その師の書いた書体に可能な限り似たものを書こうと心がけるように、
聖徳のモデルであるキリストの聖なる生活にあやかるように、努力することにある。
ガリラヤ人特有のはげしい性格の持ち主であったペテロが、
偉大な使徒となり、
殉教者の栄冠を獲得するに至ったのは、
彼自身の手紙にしるしているように、
「あなたがたは、実に、そうするようにと召されたのである。
キリストも、あなたがたのために苦しみを受け、
御足の跡を踏み従うようにと、模範を残されたのである。」(ペトロの手紙一2・21)
彼自身率先して、主の御足の跡を一足一足、踏みしめ従い行きし結果である。
わたしたちも、キリストのいのちに生き、
恩寵(おんちょう)によってキリストの模範に学びつつ、
キリストのように神のために生きる事を修得するなら、
短期間のうちに、
どれ程聖なる者に高揚され、
キリストの地上生涯の再現・延長ともなり得ることであろうか。
わたしたちの希望は、
聖なる者となりなさいとの召命に、こたえることに集中されなければならない。
聖なるキリストの生活を反映し再現する、
この生活のみが聖であり、永遠に価値ある唯一の生活なのである。
わたしたちは、聖霊に充満された度合いに応じて、
キリストの聖なる模範を模倣した度合いに応じて、
間違いなく聖人となり、キリストに似た者とせられるのである。