ステップ2
VEの概念と原則を知る
今回は、VEの概念と原則を知るという所に絞って書きたいと思います。
まずVEというものには定義があります。
「VEとは最低のライフサイクルコストで、必要な機能を確実にするために、製品なサービスの機能的研究に注ぐ組織的努力である。」
この定義は、とても重要で、VEを実施する上で常に頭に入れていただきたい事でもあります。
要点をまとめると、以下の3つの事がこの定義から読みとれます。
1)VEは最低のライフサイクルコストを追求する
ライフサイクルコストというのは、簡単に言いますと、ものの購入から始まって、搬入、制作、使用、廃棄までに掛かるコストの事を言います。つまりこの総合的なコストを最小限にするという事を常に頭にいれて話をすすめる必要があります。
2)VEは必要な機能を確実に果たすものを生み出す
VEとは、ある機能のために存在しているものを、色々な面から検討を重ね、価値を向上させるものではありますが、希に、ものの基本である「機能」が達成できないものが考え出されてしまいます。その点は必ず忘れないようにして下さい。
3)VEは機能とコストの関係から価値を追求する
V(value:価値)=C(cost:価格)/F(function:機能) VEの効果は、この算式から算定されます。つまり、価値とはコストと機能の面から考えられ、総合的な価値向上について判断するのです。つまり、価値向上とは、「機能は同じで、コストが安い」「機能が上がって、コストが同じ」「コストが上がるが、それ以上に機能が上がる」「コストも下がり、機能は上がる」といった様な言えます。算式のみを考えれば、「機能は下がるが、コストはもっと下がる」という考え方もできると思いますが、「機能を落とさない」というのはVEの原則なので、その考え方は省かれます。
なお、VEの原則は以下の通りで、VEを行っていく基本となるものです。
1:使用者優先の原則
常に使用者の立場に立った考え方をすること
2:機能本意の原則
もの「そのもの」ではなく、常に機能を頭に入れながらVEをすすめること
3:創造による変更の原則
アイデアや情報収集により、よりよい方法、つまり改善を重ねていく
4:チーム・デザインの原則
VEとは色々な職種・経験者等があつまり、個人が持つ知識・経験・情報を収集しながら、ものの改善をしていくものである
5:価値向上の原則
上でも述べたとおり、VEとは「価値」が向上していなければ意味が無くなる。つまり上の「3)」で述べた通りに算定し、価値が向上されていると判断できるという事が原則である。